138 / 506
解呪 3
しおりを挟む
「ん!ごほ、ごほ、……うぇ、うぅー、……ま、まじゅい……。」
私はポーションのあまりの不味さにむせた後に、涙目でアインスお兄様に美味しくないことを訴えました。
初めて飲みましたが、これは、これはヒトの飲む飲みものではありません!!
「あー、あー、一気飲みするから……。おいレム!急いでお茶淹れてくれ!!」
アインスお兄様はそんな私をくすくす笑った後にレムにお茶を頼みました。
レム?
あぁー、そんなことよりも、本当に不味いです。お口の中が麻痺しそうな程不味いです。
私はついつい恨みきった表情をアインスお兄様に向けてしまいました。
「あははは……、私も初めて飲んだ時に君と同じことをしたよ。」
涙目になったままでアインスお兄様を睨みつけ続けていた私は、一瞬キョトンとした表情の後に爆笑したアインスお兄様がふと遠い目をして悲しげな表情をした事に気がつきました。
「アイン、お兄様?」
私の口から困惑しきった声がこぼれ落ちました。
「ふふ、……その時は、その時は母上が身体に無理を効かせて私の為に、私の為だけにお茶を淹れてくださったんだ。1つ1つ丁寧に母上の故郷のお茶である抹茶を淹れてくださったんだ……。」
「……。」
私は不味ーいポーションを飲んだことも忘れ、無言でアインスお兄様のお顔をじっと見つめました。
私の記憶の中のお母様は幼い頃に亡くなったこともあり、所々曖昧です。
だからこそ、アルノルトお兄様やアインスお兄様のお母様にまつわる記憶は私にとってとても気になることなのです。
*******************
読んでいただきありがとうございます♪♪♪
新作
「ようこそ、願い叶える『あやかし書堂』へ」
を始めました!!
ここは隔離世に存在するとても不思議な本屋さん。
名を「あやかし書堂」といふ。
この本屋さんが不思議と言われる理由は大きく2つある。
1つは、“選ばれた”お客様しか辿り着けない事。
そして、もう1つは、…… “必ず”お客様の願いを叶えること……。
願いあるのもよ、あやかし書堂を目指し、隔離世を彷徨うが良い。
もし、たどり着けたのならば、店主である妖狐が願いを聞き入れ、叶える手助けをしてくれるだろう。
だが、願いを叶えて幸せになれるか、なれないかは本人次第だ。
あくまで「あやかし書堂」は願いを叶えるだけである……。
気になった方は是非読んでみてください!!
こちらは不定期更新です。
私はポーションのあまりの不味さにむせた後に、涙目でアインスお兄様に美味しくないことを訴えました。
初めて飲みましたが、これは、これはヒトの飲む飲みものではありません!!
「あー、あー、一気飲みするから……。おいレム!急いでお茶淹れてくれ!!」
アインスお兄様はそんな私をくすくす笑った後にレムにお茶を頼みました。
レム?
あぁー、そんなことよりも、本当に不味いです。お口の中が麻痺しそうな程不味いです。
私はついつい恨みきった表情をアインスお兄様に向けてしまいました。
「あははは……、私も初めて飲んだ時に君と同じことをしたよ。」
涙目になったままでアインスお兄様を睨みつけ続けていた私は、一瞬キョトンとした表情の後に爆笑したアインスお兄様がふと遠い目をして悲しげな表情をした事に気がつきました。
「アイン、お兄様?」
私の口から困惑しきった声がこぼれ落ちました。
「ふふ、……その時は、その時は母上が身体に無理を効かせて私の為に、私の為だけにお茶を淹れてくださったんだ。1つ1つ丁寧に母上の故郷のお茶である抹茶を淹れてくださったんだ……。」
「……。」
私は不味ーいポーションを飲んだことも忘れ、無言でアインスお兄様のお顔をじっと見つめました。
私の記憶の中のお母様は幼い頃に亡くなったこともあり、所々曖昧です。
だからこそ、アルノルトお兄様やアインスお兄様のお母様にまつわる記憶は私にとってとても気になることなのです。
*******************
読んでいただきありがとうございます♪♪♪
新作
「ようこそ、願い叶える『あやかし書堂』へ」
を始めました!!
ここは隔離世に存在するとても不思議な本屋さん。
名を「あやかし書堂」といふ。
この本屋さんが不思議と言われる理由は大きく2つある。
1つは、“選ばれた”お客様しか辿り着けない事。
そして、もう1つは、…… “必ず”お客様の願いを叶えること……。
願いあるのもよ、あやかし書堂を目指し、隔離世を彷徨うが良い。
もし、たどり着けたのならば、店主である妖狐が願いを聞き入れ、叶える手助けをしてくれるだろう。
だが、願いを叶えて幸せになれるか、なれないかは本人次第だ。
あくまで「あやかし書堂」は願いを叶えるだけである……。
気になった方は是非読んでみてください!!
こちらは不定期更新です。
0
お気に入りに追加
163
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
〖完結〗旦那様には出て行っていただきます。どうか平民の愛人とお幸せに·····
藍川みいな
恋愛
「セリアさん、単刀直入に言いますね。ルーカス様と別れてください。」
……これは一体、どういう事でしょう?
いきなり現れたルーカスの愛人に、別れて欲しいと言われたセリア。
ルーカスはセリアと結婚し、スペクター侯爵家に婿入りしたが、セリアとの結婚前から愛人がいて、その愛人と侯爵家を乗っ取るつもりだと愛人は話した……
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全6話で完結になります。
あなたなんて大嫌い
みおな
恋愛
私の婚約者の侯爵子息は、義妹のことばかり優先して、私はいつも我慢ばかり強いられていました。
そんなある日、彼が幼馴染だと言い張る伯爵令嬢を抱きしめて愛を囁いているのを聞いてしまいます。
そうですか。
私の婚約者は、私以外の人ばかりが大切なのですね。
私はあなたのお財布ではありません。
あなたなんて大嫌い。
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる