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王子と王女の会話
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「行ったな。」
「行きましたね。」
何故か微妙な空気の流れてしまった室内でアルノルトお兄様と私は向き合いました。
神妙な顔つきで私は会話の火蓋を切ります。
「……アルお兄様の加護は何でしたっけ。」
「……赤の神と緑の神。シャルは?」
「……紫の神、藍の神、青の神。」
「んで、アインが橙の神と黄の神か……。」
「……。アルお兄様、ケイの先程の反応、どう思いました?」
「…ケイが高位の加護持ちなのは間違いない。でも、どうにもきな臭い。」
「ですね。黒猫獣人属でなにか起こっている、そう考えるのが普通ですよね。」
「あぁ、シャル、見えるか?未来が。」
「……。」
アルノルトお兄様が言っているのは私の加護の能力についてです。紫の神の加護は未来を見通す力を与えます。そして、私は紫の神に自分が持つ加護の中で最も強い加護を与えられています。歴代最高峰の加護を与えられていると言われる3兄妹のそれぞれが持つ最大の加護のうちの1つです。その能力を使えば、未来を見通すことは雑作もありません。ですが、神は時に惨忍な事をします。未来を変えるには、沢山ある可能性全てを見通し、選択し、最善を選びとる必要があります。沢山の人が、大切な人が無惨に死に、大切な物が破壊されていくそんな風景を見て、あなたは正常でいられますか?そして、その中から突破口を探すことが出来ますか?最善を選びとることができますか?
私は紫の神の愛子である証である、金髪に混じって左側の横髪にある1束の紫の髪を弄りながら、そんなことを誰でもない誰かに質問しました。
*******************
読んでいただきありがとうございます♪♪♪
「行きましたね。」
何故か微妙な空気の流れてしまった室内でアルノルトお兄様と私は向き合いました。
神妙な顔つきで私は会話の火蓋を切ります。
「……アルお兄様の加護は何でしたっけ。」
「……赤の神と緑の神。シャルは?」
「……紫の神、藍の神、青の神。」
「んで、アインが橙の神と黄の神か……。」
「……。アルお兄様、ケイの先程の反応、どう思いました?」
「…ケイが高位の加護持ちなのは間違いない。でも、どうにもきな臭い。」
「ですね。黒猫獣人属でなにか起こっている、そう考えるのが普通ですよね。」
「あぁ、シャル、見えるか?未来が。」
「……。」
アルノルトお兄様が言っているのは私の加護の能力についてです。紫の神の加護は未来を見通す力を与えます。そして、私は紫の神に自分が持つ加護の中で最も強い加護を与えられています。歴代最高峰の加護を与えられていると言われる3兄妹のそれぞれが持つ最大の加護のうちの1つです。その能力を使えば、未来を見通すことは雑作もありません。ですが、神は時に惨忍な事をします。未来を変えるには、沢山ある可能性全てを見通し、選択し、最善を選びとる必要があります。沢山の人が、大切な人が無惨に死に、大切な物が破壊されていくそんな風景を見て、あなたは正常でいられますか?そして、その中から突破口を探すことが出来ますか?最善を選びとることができますか?
私は紫の神の愛子である証である、金髪に混じって左側の横髪にある1束の紫の髪を弄りながら、そんなことを誰でもない誰かに質問しました。
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