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救いの手
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みんなに会いたい……。
『会えるよ。君がそう願うのならば…。』
アインスお兄様?
『そうだぜ!なんたって俺達が集まれば無敵だからな…。』
アルノルトお兄様は楽観的過ぎます…。
次期国王なのですからしっかりしてください。
もー、まったくー。
嬉しいですけど…。
でも、もう会えませんよ…。
死者を蘇らせるなんていくらお兄様達でも無理でしょうから…。
『まだしんじぇにゃいよ……。もどっちぇきちぇしゃる!』
ケイの優しい落ち着ける大好きな声……。
都合の良い夢……。
馬鹿で能天気な私が見せている夢……。
希望してはダメ…。絶望が大きくなる……。
でも、ケイの声は必死ですよ?
シャルロッテ、甘い考えは捨てなさい。苦しみを味わうのは他の誰でもない貴方なのですよ?
捨てちゃダメですわ。そんな事したらケイが可哀想でしょう?
捨て猫のケイ如きに感情を割くなんてありえない…。それが正しき王女の在り方でしょう?
違う!あの子は私の救い!
分からない…。
私の感情は何処?
天使と悪魔が言い合って自分の考えが消されていく…。
助けて、誰か……お願い、助けて……ケイ……。
願って願ってただ助けを求めていたら、真っ暗な世界に一筋の暖かな陽だまりの様な光が差してきました。
…暖かな大好きな人達の声と共に
『『ショルロッテ…』』
お父様、お義母様…。
『『シャルロッテ』』
お兄様…。
『しゃる!』
ケイ…。
光から声と手が伸びてきて私を救い出そうとしてくれます。
必死に我慢していた涙が溢れて一緒に行けないのが申し訳なくなっていきます。
『っいけないよ…。』
たった一言の本音に様々な感情が入り組んで複雑な感情の音色を奏でます。
…ただ泣くことしかできない私なんて要らないのに…。
とん
『シャル…』
お母様?
『みゃー!』
クロエ?
『ふぇ?』
とん、と背中を押されて声と共に振り返るとそこには闇の中なのにはっきりと姿を見せるお母様とクロエの姿があり、2人とも表情は別としてとっても元気そうなのです。
『お行きなさい…。』
『みー』
困った娘を見る瞳の色を、表情をしたお母様とクロエに戻る様に言われて尚の事混乱します。でも、お母様の言う事は絶対です。
『戻らなくちゃ……。』
ぽつりとした呟きと共に私の意識は救いの手に引っ張られていました。
-----後には、母と共に在れない娘の葛藤と娘と共に在れない母の葛藤が残されたらしい……。-----
********************
読んでいただきありがとうございました😭
『会えるよ。君がそう願うのならば…。』
アインスお兄様?
『そうだぜ!なんたって俺達が集まれば無敵だからな…。』
アルノルトお兄様は楽観的過ぎます…。
次期国王なのですからしっかりしてください。
もー、まったくー。
嬉しいですけど…。
でも、もう会えませんよ…。
死者を蘇らせるなんていくらお兄様達でも無理でしょうから…。
『まだしんじぇにゃいよ……。もどっちぇきちぇしゃる!』
ケイの優しい落ち着ける大好きな声……。
都合の良い夢……。
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希望してはダメ…。絶望が大きくなる……。
でも、ケイの声は必死ですよ?
シャルロッテ、甘い考えは捨てなさい。苦しみを味わうのは他の誰でもない貴方なのですよ?
捨てちゃダメですわ。そんな事したらケイが可哀想でしょう?
捨て猫のケイ如きに感情を割くなんてありえない…。それが正しき王女の在り方でしょう?
違う!あの子は私の救い!
分からない…。
私の感情は何処?
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助けて、誰か……お願い、助けて……ケイ……。
願って願ってただ助けを求めていたら、真っ暗な世界に一筋の暖かな陽だまりの様な光が差してきました。
…暖かな大好きな人達の声と共に
『『ショルロッテ…』』
お父様、お義母様…。
『『シャルロッテ』』
お兄様…。
『しゃる!』
ケイ…。
光から声と手が伸びてきて私を救い出そうとしてくれます。
必死に我慢していた涙が溢れて一緒に行けないのが申し訳なくなっていきます。
『っいけないよ…。』
たった一言の本音に様々な感情が入り組んで複雑な感情の音色を奏でます。
…ただ泣くことしかできない私なんて要らないのに…。
とん
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お母様?
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クロエ?
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『お行きなさい…。』
『みー』
困った娘を見る瞳の色を、表情をしたお母様とクロエに戻る様に言われて尚の事混乱します。でも、お母様の言う事は絶対です。
『戻らなくちゃ……。』
ぽつりとした呟きと共に私の意識は救いの手に引っ張られていました。
-----後には、母と共に在れない娘の葛藤と娘と共に在れない母の葛藤が残されたらしい……。-----
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読んでいただきありがとうございました😭
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