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第1王子の考えと王女の闇
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「白虎の現状から考えたら呪いを一気に解くことは不可能だ。」
こくりと隣でケイの息を呑む音が聞こえました。私とアインスお兄様が気付いていたけれど、目を背けていた部分を的確にアルノルトお兄様に突かれてなにも言えなくなってしまいました。認めなくてはいけないけれど、認めたくない…。そんなどうしようもない一時の感情に身を任せていた私達を現実に引き戻し、何をするのが最善の選択かを考えさせられました。
「ーー……。アル兄上の意見に従う……。シャルはそのまま続けてくれ。」
「…………了解…。」
悔しい、虚しいそんな感情に支配された心を叱咤して必死に魔法を行使し続けます。
あやふやな精神状態な私は柄にもなく真っ暗な闇に染まったことを考えてしまいます。
……私の力は何の為にあるの……。
……誰の事も助けられない力なんて何の意味があるの……。
……大切な人を助けられない私の存在意義はなに……。
……私の生きる理由は何……。
……私の生まれた意味は何……。
……ーー……ーーーーーーー…ーーーーーーーー…ーーーーー……。
……私に生きる価値はある……?
どんどんどんどん闇に染められて思考の渦から抜け出せなくなっていきます。
……もう死にたい……。
あーもうだめですね。
長時間呪いの側にいたせいで呪いに充てられてしまった様です。まともに脳が働いてくれません。折角お兄様達と昔の様な関係に戻れたのに……。
あー、もっとお話ししたかったな……。
お出かけもしてみたかったな……。
ケイの成長を見守りたかったな……。
ケイとーーしたかったな……。 ………?……!?……
ねぇ、ケイ大好きだよ…。置いていってごめんね……。
もっと、もっと早くに素直になっていたらよかったな……。
今までありがとう……っごめんなさい。
***************
読んでいただきありがとうございます😊
こくりと隣でケイの息を呑む音が聞こえました。私とアインスお兄様が気付いていたけれど、目を背けていた部分を的確にアルノルトお兄様に突かれてなにも言えなくなってしまいました。認めなくてはいけないけれど、認めたくない…。そんなどうしようもない一時の感情に身を任せていた私達を現実に引き戻し、何をするのが最善の選択かを考えさせられました。
「ーー……。アル兄上の意見に従う……。シャルはそのまま続けてくれ。」
「…………了解…。」
悔しい、虚しいそんな感情に支配された心を叱咤して必死に魔法を行使し続けます。
あやふやな精神状態な私は柄にもなく真っ暗な闇に染まったことを考えてしまいます。
……私の力は何の為にあるの……。
……誰の事も助けられない力なんて何の意味があるの……。
……大切な人を助けられない私の存在意義はなに……。
……私の生きる理由は何……。
……私の生まれた意味は何……。
……ーー……ーーーーーーー…ーーーーーーーー…ーーーーー……。
……私に生きる価値はある……?
どんどんどんどん闇に染められて思考の渦から抜け出せなくなっていきます。
……もう死にたい……。
あーもうだめですね。
長時間呪いの側にいたせいで呪いに充てられてしまった様です。まともに脳が働いてくれません。折角お兄様達と昔の様な関係に戻れたのに……。
あー、もっとお話ししたかったな……。
お出かけもしてみたかったな……。
ケイの成長を見守りたかったな……。
ケイとーーしたかったな……。 ………?……!?……
ねぇ、ケイ大好きだよ…。置いていってごめんね……。
もっと、もっと早くに素直になっていたらよかったな……。
今までありがとう……っごめんなさい。
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