もふもふ好きのお姫様

桐生桜月姫

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シャルロッテの過ち

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 3歳の誕生日、私は憧れだった王獣を頂きました。当然ですが、王族に献上される獣である王獣は珍しい種類や個体が多いです。私に与えられた猫も強い魔力持ちの個体でした。魔力持ちの動物はとても珍しく、貴重なものです。私が初めてその子を見たときその子は生後3週間で真っ黒でちょっとしっとりしてて赤みがかった瞳で私を不安げに見上げて震えていました。

『だいじょうぶだよ。もうだいじょうぶ。あんしんしていーんだよ。』

そう言って微笑んで私はその子を抱き上げました。

『みゃー。』

その小さくて消え入りそうな声を聞いて私はこの子を守ると決意しました。

『これからよろしくおねがいします、クロエ。』

絶対に守るから、だから私の側にずっといてね。そう周りの人に聞こえないようにクロエだけに囁きました。


月日はあっという間に流れ、6歳の誕生日事件は起こりました。

・その日は朝から雪が降っていました。
・その日の朝は普段と何も変わらず、その頃の朝の日課だったブラッシングをしてクロエの毛を堪能しました。
・その日は誕生日の夜会があるからとブラッシングの後、滅多に離れないクロエと離れました。

その後クロエが惨殺されるとは知らずに………。

その日のことは箇条書きの様にしか覚えていません。ただ、クロエの死体を見た時の事だけははっきりと覚えています。

『殿下、なりません!どうかお戻り下さい!』

『どうして!クロエが殺されたのでしょう!!いいから行かせて頂戴!』

『王獣如きが殿下のお心を惑わせる事は許されません!』

『離して!』

✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎

『そんな…。あんまりよ…こんな、こんな……。クロエには何の罪もないのに……。うっ…うぅー。』

その時私が見たクロエは見るのも憚られるほどに酷い殺され方をしていました。私が初めて叫んだあの日私はこの世で最も大切なものを失った。


*************************

読んでいただきありがとうございます♪

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