もふもふ好きのお姫様

桐生桜月姫

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シャルロッテの思い

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「今回の依頼は殿下の飼っている虎についてです。詳しいお話しは12時に殿下のお部屋に昼食を食べに来た時に殿下からお話ししていただきます。」

「えぇ、分かったわ。用件は終わったかしら。」

「はい。あの…。ケイ君を撫でてもよろしいですか?」

「嫌です。尊さが減ります。」

「いいよ~。」

ケイが被せて言いました。

「殿下可愛い、ごほん、ケイ君が良いとおっしゃっているのだから良いじゃないですか。」

レムは私が膨れっ面になると可愛いと言います。取り繕っているようで、取り繕えていません。それに可愛いとは心外です。怒っているのですよ!今日はレムだけでなく、お兄様の側近の方とケイまで微笑ましげに見ているのですよ!むきー!ケイが可愛いのを堪能していいのは私でけですのに…。

「きゃー。」

あぁー、ケイが手懐けられています。彼は動物大好きなお兄様の側近ということもあって動物好きで扱いも上手です。ケイは人ですが、動物(猫)の血が流れているので撫でられるのが好きです。撫でテクが高いお兄様の側近の方に甘えています。もやもやします。ケイは私のなのに…。真っ黒な気持ちになります。この気持ちはなんというのでしょう。知りたい様な知りたくない様な不思議な気持ちです。

「しゃる?」

ケイが服の裾を引いてこてんと首を傾げます。ケイの癖です。いつの間にかお兄様の側近の方は帰ったようです。

「うんん、何でもないわ。」

私は上手く笑えているでしょうか。自信がありません。ケイは深く聞かないですりるりしてくれます。

「おみみはにぇ、しゃるいがいしゃわらしぇないんだよ。しゃるは、ケイの“とくべつ”なんだよ。」

「ん。」

ケイの柔らかいお耳を触りました。もふもふです。

ケイは私に嘘をついた事がありません。自分がどういう風に育ったのか、家族はどこにいるのか、兄弟はいるのか、何故国を出たのかは一切教えてくれません。ですが、聞くと決まって悲しそうな顔をします。ケイは私と違って表情が分かりやすいです。私は嘘と陰謀に塗れた王城で育った為、常に表情と感情を殺していました。ケイが来るまで気の許すことのできるのはお父様とお母様、お兄様とレムだけで、それでも100%気を許すことはできませんでした。ですが、ケイは獣人で鼻が良い為言わなくても仮面の下にある感情を表情を感じ取って欲しい言葉をくれます。甘えることを感情を出すことを許してくれます。私がケイに依存してしまうのは当然の流れです。私はいずれ国外の王族だったり、国内の上位貴族だったりに嫁がなくてはなりません。分かっています。ケイに依存してはいけないと…。でも今だけは、今だけはケイに甘えることを寄り掛かることを許してください…。
私はケイの肩に頭を預けて浅い眠りにつきました。



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読んでいただきありがとうございます♪😊

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