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仲良し夫婦の大波乱⑩

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「クーヘンはなんで貸してあげなかったんだい?」

 クーヘンに尋ねたルイボスは優しくクーヘンの頭を撫でようとして、クーヘンにぷいっと手を避けられてしまった。結果クーヘンはミルフィーユに頭を撫でられている。ママっ子のクーヘンは、いつもルイボスではなくミルフィーユにべったべたに甘えている。可愛い妻と可愛い息子という眼福な光景に浸りたいのは山々だが、時間が許してくれない故に、ルイボスはクーヘンの返事を待つ。

「………バームにかしたらかえってこないから」
「あー、うん。そうだね」
(バームは物をすぐに壊すから、返ってこないよね………)

 悪を許さない少し?過激な性格のミルフィーユと温厚で一途なわんこ気質のルイボスの子供であるバームとクーヘンは、どちらにもあまり性格が似ていない。
 バームはやんちゃで勝ち気が強く、物凄く大雑把だ。将来は騎士になって王になったクーヘンを守りたいと現時点で豪語している、なんというかとても可愛らしい見た目にそぐわぬやんちゃ坊主のような女の子だ。
 クーヘンは弱虫で、静かで、1歩引いたところにいつもいる。将来は宰相として王になったバームを裏で操りたいと豪語している、なんともブラックな男の子だ。表舞台に立つのがあまり得意では無いゆえに、みんなの前で堂々と立つことが得意なバームを矢面に立たせて、自分は頭脳が必要なことを自由気ままにしたいらしい。

「バーム、クーヘンはおもちゃを壊されたくないんだって」
「うーん、よわっちいおもちゃがわるいんだよ?」

 もう泣き止んだバームは、ルイボスの服を引っ張りながら、こてんと首を傾げた。

*************************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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