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45 王太子への説明
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「良かったね、よく頑張ったよ、アリー。」
「うん、私頑張った。頑張ったよ………!!」
ギルバートは労うようにメアリーの頭をそっと撫でた。
「ではレイナード王太子殿下、これまでに起きたことを掻い摘んでお話しいたしますね。」
「あぁ、客観的な内容を頼むよ。」
レイナードの心配はよそに、ギルバートは今回起こった出来事を分かりやすく丁寧に1から説明した。レイナードはその過程で怒りで顔を赤く染めたり、申し訳なさで顔を青くさせたり、ギルバートの激怒を感じ取って顔を真っ白にしたりした。
「まぁ、掻い摘んだらこんな感じですね。」
「私からも内容の正しさを保証しますわ。」
真っ青な顔色でそれは本当かと言わんばかりのレイナードから視線を受けたメアリーは、こくんと頷いた。
「本っ当に、すまない!!この愚兄は北の塔に誰にも接触できないように厳重に閉じ込めて一生出られないようにする!!」
「もっと誠心誠意謝ってください。」
直角よりも深く頭を下げたレイナードに対してギルバートが不機嫌そうに言った。
「謝罪も閉じ込めるのも結構ですわ。その変わりと言ってはなんですが、彼の身柄をこちらにくださいな。国王陛下にももう許可を得ていますから。」
「はい?」
「ふふ、私、先日お父様からお誕生日プレゼントとしてダイヤモンド鉱山をいただきましたの。ですが、残念なことに人材が足りていなくて………。」
横顔に手を添えて伏し目がちにした表情を作り、メアリーはレイナードに訴えるように話した。
「猫の手も借りたいくらいに困っていますの………。」
「左様ですか。」
「左様ですわ。」
にこっと笑ったメアリーに、レイナードはひくついた笑みを返した。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「うん、私頑張った。頑張ったよ………!!」
ギルバートは労うようにメアリーの頭をそっと撫でた。
「ではレイナード王太子殿下、これまでに起きたことを掻い摘んでお話しいたしますね。」
「あぁ、客観的な内容を頼むよ。」
レイナードの心配はよそに、ギルバートは今回起こった出来事を分かりやすく丁寧に1から説明した。レイナードはその過程で怒りで顔を赤く染めたり、申し訳なさで顔を青くさせたり、ギルバートの激怒を感じ取って顔を真っ白にしたりした。
「まぁ、掻い摘んだらこんな感じですね。」
「私からも内容の正しさを保証しますわ。」
真っ青な顔色でそれは本当かと言わんばかりのレイナードから視線を受けたメアリーは、こくんと頷いた。
「本っ当に、すまない!!この愚兄は北の塔に誰にも接触できないように厳重に閉じ込めて一生出られないようにする!!」
「もっと誠心誠意謝ってください。」
直角よりも深く頭を下げたレイナードに対してギルバートが不機嫌そうに言った。
「謝罪も閉じ込めるのも結構ですわ。その変わりと言ってはなんですが、彼の身柄をこちらにくださいな。国王陛下にももう許可を得ていますから。」
「はい?」
「ふふ、私、先日お父様からお誕生日プレゼントとしてダイヤモンド鉱山をいただきましたの。ですが、残念なことに人材が足りていなくて………。」
横顔に手を添えて伏し目がちにした表情を作り、メアリーはレイナードに訴えるように話した。
「猫の手も借りたいくらいに困っていますの………。」
「左様ですか。」
「左様ですわ。」
にこっと笑ったメアリーに、レイナードはひくついた笑みを返した。
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