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124 疲れ切った2人

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『生徒会は、これより、文化祭の開催を宣言します!!』

 ひび割れたスピーカーから響く声に、クラス中、否、学校中から歓喜の声が上がった。ものすごい音量に、心菜は耳を押さえてぎゅっと目を瞑った。耳がキーンとしてしまって、とてもうざったい。
 心菜は目の下の隈をごしごしと擦ってあくびをしながら、隣に座っている彼に話しかけた。

「いよいよ、か………」
「死ぬほど疲れたな」
「同感」

 そんな中、心菜と立花は、げっそりとした顔で教室の端で椅子に腰掛けていた。眠たい2人の声は、心なしかとても穏やかだ。けれど、言葉や言動には、苦々しいものが混ざっている。

「足りない準備物に、計算の合わない予算のレシート。アクリル絵の具で汚してしまった教室の床の地獄の清掃に、間違えまくっていた色々な準備物。死ぬほど後処理で頭を下げまくったわね」

 文化祭の裏で毎年起こる、子供たちのいろいろな準備物の買い忘れや、買い物班がこっそりと買ったおやつによって合わなくなった予算の返金、工作によって起こる教室汚しや、備品の破壊。今年文化祭の実行委員に入ってしまった心菜は、ここ数日で、いろいろな人間の雑な行動やルール違反な行動によって、ひたすらいろいろなところに謝罪に回っていた。

「はははっ、昨日の夕方だけで10人の先生に頭下げにいったよね~」
「えぇ、お金はちゃんとどうにかなったけれど、備品を壊しちゃったのがやばかったのよね………」

 今年は、まさかの備品壊しでやばいものを壊してしまったのだ。せめて、自分の時ではない時に壊して欲しかったとため息を吐きながら、心菜は無惨に壊れてしまった糸鋸を思い出す。ぽっきりと刃が折れてそれをどうにかしようとした糸鋸はもう修繕不可能なレベルだった。
 学校にたったの5台しかない糸鋸の破壊は、先生だけでなく、他のクラス全部にも謝罪に行かないといけなくなってしまった。なぜなら、どのクラスも糸鋸を使いたくて、順番待ちをしていた中で5台しかない糸鋸のうちの、1番の最新式で切れ味が良いものを壊してしまったからだ。これが、学校創設時近くからあるオンボロ号なら壊しても怒られなかっただろうが、今回壊してしまったのは立ったの3年前に入ってきた、超新品の品だ。

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読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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