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121 優奈に捕まる
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▫︎◇▫︎
「おつかれ、久遠」
「………とっととくたばれ」
「は?何でそんなこと言われないといけないわけ?」
1時間目の終わり、隣の席に座っている立花に罵倒を吐かれた立花は、イラッとした口調で心菜に満面の笑みを浮かべた。笑顔ほど恐怖の顔面武器は無いと思った心菜は、けれども表情や態度を変えることなく立花に話しかけ続ける。
「………あんたのせいで、ゆーなちゃんからの質問攻めにあったって言ったら、事情がわかる?」
「あぁー、そういうことか」
妙に納得顔で頷いた立花は、そのあとにやっと笑ってひらひらと手を振る。
「俺、ちょっくらトイレ行ってくるわ。じゃあ、頑張れよ、久遠」
「?」
心菜の疑問はすぐに解かれることとなった。
ーーーがんっ、
なぜなら、ものすごい勢いで優奈に後ろから抱きつかれたからだ。イヤな予感がすると思いながらも、心菜は恐る恐る後ろを振り返った。
「こ~こな♪続き聞かせてほしいな~って!!」
「………………ゆーなちゃんに話すことは何にもないわ」
「まーまー、冷たいこと言わずに!!」
「な、ないって!!」
押し問答を続けること10分、2時間目の授業開始を告げるチャイムが鳴って、心菜はほうっとため息をついた。
(ほ、本が読みたかった………!!)
ぐーっと拳を握りこむと、飄々とした仕草で席にまで戻ってきた立花が、心菜の様子を見遣ってきた。
「おつかれ、久遠」
「………おつかれ?卑怯者は、次の休み時間に痛い目を見るべきね」
にこっと笑った心菜は、次の休み時間は立花に優奈を押し付けようと決意した。
そして、得意な数学の授業の後、心菜はトイレに猛ダッシュした。
「あっ、ちょ、おいっ!!」
立花の静止なんて絶対に聞かない。心菜はあっかんべーしながらトイレまで全力疾走をした。
「おいっ!久遠!!廊下は走るな!!」
「は、は~い!!」
肩をすくめた心菜は、次の瞬間にはゆっくりと歩き始めた。
(もうここまでくれば大丈夫だよね………?)
トイレの前でのんびりと休み時間を過ごした心菜は、チャイムギリギリに教室に戻ってきた。
「………末代まで呪ってやる」
「ふふふっ、呪えるものなら呪ってみれば?」
「俺の先祖、陰陽師なんだぜ?」
「へ~、」
(嘘くさ)
心菜は曖昧に頷きながら社会のノートを取り出して、授業の復習を始める。
「ま、嘘だけ」
「でしょうね」
ーーーキーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン
いつもながらにタイムリーなチャイムさんは、正常なお仕事をしてくれた。
********************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「おつかれ、久遠」
「………とっととくたばれ」
「は?何でそんなこと言われないといけないわけ?」
1時間目の終わり、隣の席に座っている立花に罵倒を吐かれた立花は、イラッとした口調で心菜に満面の笑みを浮かべた。笑顔ほど恐怖の顔面武器は無いと思った心菜は、けれども表情や態度を変えることなく立花に話しかけ続ける。
「………あんたのせいで、ゆーなちゃんからの質問攻めにあったって言ったら、事情がわかる?」
「あぁー、そういうことか」
妙に納得顔で頷いた立花は、そのあとにやっと笑ってひらひらと手を振る。
「俺、ちょっくらトイレ行ってくるわ。じゃあ、頑張れよ、久遠」
「?」
心菜の疑問はすぐに解かれることとなった。
ーーーがんっ、
なぜなら、ものすごい勢いで優奈に後ろから抱きつかれたからだ。イヤな予感がすると思いながらも、心菜は恐る恐る後ろを振り返った。
「こ~こな♪続き聞かせてほしいな~って!!」
「………………ゆーなちゃんに話すことは何にもないわ」
「まーまー、冷たいこと言わずに!!」
「な、ないって!!」
押し問答を続けること10分、2時間目の授業開始を告げるチャイムが鳴って、心菜はほうっとため息をついた。
(ほ、本が読みたかった………!!)
ぐーっと拳を握りこむと、飄々とした仕草で席にまで戻ってきた立花が、心菜の様子を見遣ってきた。
「おつかれ、久遠」
「………おつかれ?卑怯者は、次の休み時間に痛い目を見るべきね」
にこっと笑った心菜は、次の休み時間は立花に優奈を押し付けようと決意した。
そして、得意な数学の授業の後、心菜はトイレに猛ダッシュした。
「あっ、ちょ、おいっ!!」
立花の静止なんて絶対に聞かない。心菜はあっかんべーしながらトイレまで全力疾走をした。
「おいっ!久遠!!廊下は走るな!!」
「は、は~い!!」
肩をすくめた心菜は、次の瞬間にはゆっくりと歩き始めた。
(もうここまでくれば大丈夫だよね………?)
トイレの前でのんびりと休み時間を過ごした心菜は、チャイムギリギリに教室に戻ってきた。
「………末代まで呪ってやる」
「ふふふっ、呪えるものなら呪ってみれば?」
「俺の先祖、陰陽師なんだぜ?」
「へ~、」
(嘘くさ)
心菜は曖昧に頷きながら社会のノートを取り出して、授業の復習を始める。
「ま、嘘だけ」
「でしょうね」
ーーーキーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン
いつもながらにタイムリーなチャイムさんは、正常なお仕事をしてくれた。
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読んでいただきありがとうございます😊😊😊
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