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6 3年生のクラス
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▫︎◇▫︎
「やったー!!」
中学3年生の春、靴箱にて優奈のはしゃいだ声が隣から聞こえた。
優奈の視線の先には今年度のクラス名簿が掲示されている。
3年2組、クラスメイトの名前には久遠心菜と高梨優奈、そして優奈が好きな男の子、立花颯の名前があった。中学校生活最後の年3年目にして、心菜は初めてこの2人と同じクラスになった。
「良かったね、ゆーなちゃん。私、今から学校生活が楽しみだよ」
「うん!」
心菜は内心驚いていたし、とってもわくわくしていた。面倒くさいことが嫌いな心菜だが、面白いことや楽しいことは大好きだ。ここ2年、あの優奈の好きな人がついぞ変わることは1度としてなかった。あの雑食で誰でも彼でも優しくされたらすぐに恋に落ちちゃう優奈がだ。そんな男の子が、心菜の興味を引かないという方が不自然だろう。
(立花颯、貴方の本性を暴くのが今から楽しみね)
心菜と優奈は、2人仲良く教室へと向かった。方向音痴な心菜は何度か迷いかけて優奈に引っ張られたが、無事に教室まで辿り着くことができた。教室ではすでに3つほどのグループが完成していて、どれもこれも心菜には遠い世界に感じられた。
「立花ー!」
優奈は立花颯の元に心菜の左手を引っ張りながら走っていった。ここ2年で、優奈は体格は変わっていないが、だいぶ体力がついていた。
「お、高梨じゃん!3年連続ってちょっとすげーな!!」
「そうだね。有栖川と立花と私は3年連続だし、すっごい確率だよねー!」
優奈と立花颯の会話を横目に、心菜は内心深い溜め息を吐いた。
(あぁ、やっぱり私には遠い世界だ)
心菜の心は、小学校中学年くらいの頃から周りの子達に比べて圧倒的に冷めきってしまっていた。ずっと本に逃げてしまうくらいに、疲れ切っていた。
「えっと、確か………、あぁ!思い出した。久遠心菜さんだよな?」
「!! そうだけど………。立花颯さんでいいかな?」
「おう、立花でいいぜ。同級生でクラスメイト、呼び捨てにしてくれ」
「ん、分かった」
心菜の返事に立花は満足そうに頷いた。
「俺、有栖川翔也って、自己紹介の意味ねーか。小学校以来だな。久遠」
有栖川も幼稚園の頃からの知り合いだ。幼稚園では散々な目に遭わされた相手でもある。中学では大人しくなっていることを心から願うばかりだ。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「やったー!!」
中学3年生の春、靴箱にて優奈のはしゃいだ声が隣から聞こえた。
優奈の視線の先には今年度のクラス名簿が掲示されている。
3年2組、クラスメイトの名前には久遠心菜と高梨優奈、そして優奈が好きな男の子、立花颯の名前があった。中学校生活最後の年3年目にして、心菜は初めてこの2人と同じクラスになった。
「良かったね、ゆーなちゃん。私、今から学校生活が楽しみだよ」
「うん!」
心菜は内心驚いていたし、とってもわくわくしていた。面倒くさいことが嫌いな心菜だが、面白いことや楽しいことは大好きだ。ここ2年、あの優奈の好きな人がついぞ変わることは1度としてなかった。あの雑食で誰でも彼でも優しくされたらすぐに恋に落ちちゃう優奈がだ。そんな男の子が、心菜の興味を引かないという方が不自然だろう。
(立花颯、貴方の本性を暴くのが今から楽しみね)
心菜と優奈は、2人仲良く教室へと向かった。方向音痴な心菜は何度か迷いかけて優奈に引っ張られたが、無事に教室まで辿り着くことができた。教室ではすでに3つほどのグループが完成していて、どれもこれも心菜には遠い世界に感じられた。
「立花ー!」
優奈は立花颯の元に心菜の左手を引っ張りながら走っていった。ここ2年で、優奈は体格は変わっていないが、だいぶ体力がついていた。
「お、高梨じゃん!3年連続ってちょっとすげーな!!」
「そうだね。有栖川と立花と私は3年連続だし、すっごい確率だよねー!」
優奈と立花颯の会話を横目に、心菜は内心深い溜め息を吐いた。
(あぁ、やっぱり私には遠い世界だ)
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「えっと、確か………、あぁ!思い出した。久遠心菜さんだよな?」
「!! そうだけど………。立花颯さんでいいかな?」
「おう、立花でいいぜ。同級生でクラスメイト、呼び捨てにしてくれ」
「ん、分かった」
心菜の返事に立花は満足そうに頷いた。
「俺、有栖川翔也って、自己紹介の意味ねーか。小学校以来だな。久遠」
有栖川も幼稚園の頃からの知り合いだ。幼稚園では散々な目に遭わされた相手でもある。中学では大人しくなっていることを心から願うばかりだ。
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読んでいただきありがとうございます😊😊😊
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