83 / 336
ハッピーハッピーバースデー4
しおりを挟む
将仁さんの誕生日11月22日。を一週間後に控え、俺は気合いが入っていた。
自分の誕生日にあれほどのことをしてもらったんだ。
俺も見合うくらいのお返しがしたかった。
しかし給料も将仁さんと比べると、だいぶ低いうえに、実家に結構な額仕送りしている俺は、ぶっちゃけ金がなかった。
将仁さんみたいに高いディナーを予約したり、高級ブランドを買うのは無理なので、その分アイデア勝負でいこうと決めた。
まず、手料理。
この日のために、ネットで色々調べ、牛肉のシチューを作ることに決めた。そう難しくなく、本格的な味を楽しめ、ワインにも合うと実際に作った人がコメントを寄せていた。
あとはサラダを作って、ケーキは少し遠い店だが、美味しいと評判の物を予約した。
プレゼントは車のキーケースがくたびれてきたと言っていたから、将仁さんの好きなセレクトショップで、渋い皮の物を。
そしてさらにサプライズプレゼントも用意してあった。
誕生日の夜、サプライズプレゼントを受け取った将仁さんのリアクションを想像し、一人でにやにやしている俺を、この頃将仁さんが気持ち悪そうに見ていた。
今年の11月22日はたまたま土曜日だった。
ちょうど将仁さんは夜まで仕事があるということなので、俺は笑顔で将仁さんを送り出すと、準備に取り掛かった。
まずスーパーに買い出しに行き、肉やら野菜やらを買い込んで家に戻った。
「なになに…よく煮込むことが大切か。ふうん」
俺は鍋に不格好ながらもなんとか切ったジャガイモ、ニンジンを放りこんだ。
煮こんだ後で隠し味としていれる高級赤ワインも準備済みだ。隠し味だからと言って手抜きしたくなかったから、デパ地下で一本一万する赤ワインを二本も買ってある。
レシピに書いてある「適量」が分からず、俺は本当に適当な分量で調味料を入れていった。
「あっ、もうこんな時間じゃん。ケーキ取りに行かなきゃ」
俺は鍋の火を消し、走ってケーキ屋へ向かった。
猛ダッシュで帰って来て、冷蔵庫の中にケーキをしまうと、シチューの仕上げに取りかかった。
玄関の開く音が聞こえた時、タイミングよく料理が完成した。
「おかえりなさい。夕飯できてますよ」
「ただいま。おっ、美味そうな匂いしてるな」
将仁さんがネクタイを緩めながら、笑顔で入ってくる。
自分の誕生日にあれほどのことをしてもらったんだ。
俺も見合うくらいのお返しがしたかった。
しかし給料も将仁さんと比べると、だいぶ低いうえに、実家に結構な額仕送りしている俺は、ぶっちゃけ金がなかった。
将仁さんみたいに高いディナーを予約したり、高級ブランドを買うのは無理なので、その分アイデア勝負でいこうと決めた。
まず、手料理。
この日のために、ネットで色々調べ、牛肉のシチューを作ることに決めた。そう難しくなく、本格的な味を楽しめ、ワインにも合うと実際に作った人がコメントを寄せていた。
あとはサラダを作って、ケーキは少し遠い店だが、美味しいと評判の物を予約した。
プレゼントは車のキーケースがくたびれてきたと言っていたから、将仁さんの好きなセレクトショップで、渋い皮の物を。
そしてさらにサプライズプレゼントも用意してあった。
誕生日の夜、サプライズプレゼントを受け取った将仁さんのリアクションを想像し、一人でにやにやしている俺を、この頃将仁さんが気持ち悪そうに見ていた。
今年の11月22日はたまたま土曜日だった。
ちょうど将仁さんは夜まで仕事があるということなので、俺は笑顔で将仁さんを送り出すと、準備に取り掛かった。
まずスーパーに買い出しに行き、肉やら野菜やらを買い込んで家に戻った。
「なになに…よく煮込むことが大切か。ふうん」
俺は鍋に不格好ながらもなんとか切ったジャガイモ、ニンジンを放りこんだ。
煮こんだ後で隠し味としていれる高級赤ワインも準備済みだ。隠し味だからと言って手抜きしたくなかったから、デパ地下で一本一万する赤ワインを二本も買ってある。
レシピに書いてある「適量」が分からず、俺は本当に適当な分量で調味料を入れていった。
「あっ、もうこんな時間じゃん。ケーキ取りに行かなきゃ」
俺は鍋の火を消し、走ってケーキ屋へ向かった。
猛ダッシュで帰って来て、冷蔵庫の中にケーキをしまうと、シチューの仕上げに取りかかった。
玄関の開く音が聞こえた時、タイミングよく料理が完成した。
「おかえりなさい。夕飯できてますよ」
「ただいま。おっ、美味そうな匂いしてるな」
将仁さんがネクタイを緩めながら、笑顔で入ってくる。
0
お気に入りに追加
666
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
壁穴奴隷No.19 麻袋の男
猫丸
BL
壁穴奴隷シリーズ・第二弾、壁穴奴隷No.19の男の話。
麻袋で顔を隠して働いていた壁穴奴隷19番、レオが誘拐されてしまった。彼の正体は、実は新王国の第二王子。変態的な性癖を持つ王子を連れ去った犯人の目的は?
シンプルにドS(攻)✕ドM(受※ちょっとビッチ気味)の組合せ。
前編・後編+後日談の全3話
SM系で鞭多めです。ハッピーエンド。
※壁穴奴隷シリーズのNo.18で使えなかった特殊性癖を含む内容です。地雷のある方はキーワードを確認してからお読みください。
※No.18の話と世界観(設定)は一緒で、一部にNo.18の登場人物がでてきますが、No.19からお読みいただいても問題ありません。
食事届いたけど配達員のほうを食べました
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
なぜ自転車に乗る人はピチピチのエロい服を着ているのか?
そう思っていたところに、食事を届けにきたデリバリー配達員の男子大学生がピチピチのサイクルウェアを着ていた。イケメンな上に筋肉質でエロかったので、追加料金を払って、メシではなく彼を食べることにした。
受け付けの全裸お兄さんが店主に客の前で公開プレイされる大人の玩具専門店
ミクリ21 (新)
BL
大人の玩具専門店【ラブシモン】を営む執事服の店主レイザーと、受け付けの全裸お兄さんシモンが毎日公開プレイしている話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる