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何とか指定された時間ギリギリに将仁さんの実家に着くことができた。
インターホンを鳴らすと、お義母さんの声が聞こえ、入口の門を解錠してくれる。
玄関を開けるとそこに立っていたのは、男の人だった。
男性は日に焼けた真っ黒な肌で小太りな体型だった。頭髪は薄く背は低い。濁った白目で俺をじっと見据えてきた。
不躾なほどの視線に晒され、俺はたじろいだ。
「初めまして。将仁の父です」
「はっ、初めまして。野々原春です」
俺は頭を直角よりも下げながら内心驚いていた。
お義父さんの外見は将仁さんに似たところが全くなかった。
本物だよな?
失礼な感想を持ちつつ、お義父さんに言われるがまま俺は靴を脱ぎ、リビングについて行った。
そこにはお義母さんもいて、俺を見ると小さく微笑んでくれた。夏風邪でもひいたのか、お義母さんは顔色が酷く悪かった。
あれ、でも待って。お義母さんって今、将仁さんと会ってるんじゃ…なんでここにいるんだ?
そんな疑問を持ちながらも、気軽に口に出すことはできなかった。
「野々原さん。紅茶でいい?」
お義母さんが小さな声で問う。
「茶など必要ない。どうせすぐ帰ってもらうんだ」
お義父さんはそう言うと、「書斎で話そう」と歩き始めた。
俺は泣きだす寸前のような表情をしているお義母さんに軽く頭を下げ、その後ろ姿を追った。
書斎は10畳ほどの広さがあった。
壁一面本棚が並び、その前にどっしりとした机と椅子が置いてある。
本好きなところは将仁さんに似ているかも。
俺がそんなことを思っているあいだに、お義父さんは机を挟んでむかいの椅子に座った。
机に両肘を立て、指を絡めるとその上に顎を置き、俺を見た。
俺はお義父さんのまるで観察するような視線の前でただ馬鹿みたいに立ちつくしていた。俺が座る椅子などそこには用意されていなかった。
先ほど言っていたように、俺を長居させるつもりはないんだろう。
インターホンを鳴らすと、お義母さんの声が聞こえ、入口の門を解錠してくれる。
玄関を開けるとそこに立っていたのは、男の人だった。
男性は日に焼けた真っ黒な肌で小太りな体型だった。頭髪は薄く背は低い。濁った白目で俺をじっと見据えてきた。
不躾なほどの視線に晒され、俺はたじろいだ。
「初めまして。将仁の父です」
「はっ、初めまして。野々原春です」
俺は頭を直角よりも下げながら内心驚いていた。
お義父さんの外見は将仁さんに似たところが全くなかった。
本物だよな?
失礼な感想を持ちつつ、お義父さんに言われるがまま俺は靴を脱ぎ、リビングについて行った。
そこにはお義母さんもいて、俺を見ると小さく微笑んでくれた。夏風邪でもひいたのか、お義母さんは顔色が酷く悪かった。
あれ、でも待って。お義母さんって今、将仁さんと会ってるんじゃ…なんでここにいるんだ?
そんな疑問を持ちながらも、気軽に口に出すことはできなかった。
「野々原さん。紅茶でいい?」
お義母さんが小さな声で問う。
「茶など必要ない。どうせすぐ帰ってもらうんだ」
お義父さんはそう言うと、「書斎で話そう」と歩き始めた。
俺は泣きだす寸前のような表情をしているお義母さんに軽く頭を下げ、その後ろ姿を追った。
書斎は10畳ほどの広さがあった。
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本好きなところは将仁さんに似ているかも。
俺がそんなことを思っているあいだに、お義父さんは机を挟んでむかいの椅子に座った。
机に両肘を立て、指を絡めるとその上に顎を置き、俺を見た。
俺はお義父さんのまるで観察するような視線の前でただ馬鹿みたいに立ちつくしていた。俺が座る椅子などそこには用意されていなかった。
先ほど言っていたように、俺を長居させるつもりはないんだろう。
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