楽園の在処

まめ太郎

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 痛くないはずがない。辛くないはずがないんだ。
 誰にも癒されなかった傷を俺が少しでも軽くしてやれるなら、何度でもそこに口づけたい気持ちだった。
 
 俺は目を閉じると、硝の頬にキスをし、胸に顔を伏せた。
 女のように柔らかくない、固い胸板についている淡い尖りに唇を寄せる。
 吸いついて、齧ってやると、硝が下半身をもじもじと動かし始めた。
 自分で股間をいじろうとする硝の手を俺は叩き、根元を両手でぎゅっと握ると、先端だけ舌で舐めまくった。

「うっ、うう」
 喘ぎながら腰を浮かす硝を見ていると楽しくて仕方ない。
 先ほどのシリアスもどこへやら、硝をイカせず散々嬲った俺は、自分で後ろを慣らし、硝の屹立の上に腰を降ろした。

「んっ」
 眉を寄せて耐える俺に、硝が慌てて上半身を起こす。
「海。性急すぎだよ。痛かったんだろ?待って、今抜くから」
 首を振り、両足を硝の腰に絡め、ぎゅっと奥まで押しこむ。
「海…」
「早くお前と繋がりたいだけだから、こんなの別に平気だ」
 たまには俺も素直になるかと思って言ってみたが、恥ずかしいことこの上ない。
 言わなきゃ良かったと硝の顔を覗きこむと、奴は綺麗な顔にほろほろと涙を零していた。

「何で泣くんだよ?」
 ぎょっとして聞くと、硝は涙を拭いもせずに、俺をじっと見つめた。
「だって、海がそんな可愛いこと言ってくれるなんて、嬉しくて。本当に俺が一方的に好きなわけじゃないんだって実感したら…ごめん」
 硝はいつまでもくすんくすんと泣き止まず、俺ははあっと息を吐いて天井を見つめた。
「両想いセックスだってお前が言ったんだろ?ちゃんと傍にいるから、泣き止めよ」
 涙を親指で拭ってやると、硝がより一層泣きだした。
「海、何でそんなにかっこいいの?これ以上俺を惚れさせないでよ」
「お前どんだけ泣くんだよっ。もう、今日は止めるか?」 
 そう言って俺が抜こうとすると、硝が俺の腰を両手で握った。
「冗談でしょ?」
 下からズンと突き上げる。
 長大な熱に奥まで満たされ俺は「かはっ」と息を吐いた。
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