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「っ、あ、バカ」
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(あ、エロい)
このままイケると思った成留は、首を伸ばした。キスができる距離まで顔を近づけ、声を低めてねだる。
「ねえ、先輩」
ゴクリと奏の喉が鳴った。嫌われているわけではないと、成留はホッとする。偽の出張をでっちあげてよかった。これでキスができたら、奏とひと月も離れなければならない計画のなぐさめになる。
「キス、してください」
呼気がかかるほど唇を寄せているくせに、あとすこしを詰めてこない成留に奏は困った。ものすごくキスがしたい。けれど自分からするのには抵抗がある。コイツはこうやって女と駆け引きをしてきたのか。相手に選択権をゆだねて、自分への気持ちを確かめてきたのか。
――なんて、ずるいヤツだ。
自分も成留を試してきたくせに、奏は不機嫌になった。わずかに伏せられたまつ毛の隙間から、甘える瞳が見えている。心の奥をくすぐる視線に、奏は負けた。
「んっ」
軽く唇を重ねれば、成留がグイッと顔を寄せる。舌を伸ばされ受け入れて、口腔をまさぐられた奏は股間を熱くした。そこを成留の太ももが押してくる。
「んっ、んぅ」
鼻にかかった奏の声に、成留も熱くなる。太ももに確かな存在を感じて、成留はほくそ笑んだ。先輩ってばもしかして、乱れたのが恥ずかしくて俺を避けていたのかも?
「先輩、かわいい」
「っ、あ、バカ」
成留の手が奏の胸元に伸びる。的確に服の上から乳首を探られ、奏は思わず成留にしがみついた。ニヤニヤしながら成留は奏の首に吸いつこうとし――。
「ぐふっ」
腹部に重い衝撃を受けて、よろめいた。
「せ、先輩」
腹を押さえて涙目で見上げると、真っ赤な奏がわなわなとこぶしを握りしめていた。
(うあ、かわいい)
痛みにうめきながら、そんなことを思う成留の横をすり抜けて、奏はカートを掴むと玄関に出した。
このままイケると思った成留は、首を伸ばした。キスができる距離まで顔を近づけ、声を低めてねだる。
「ねえ、先輩」
ゴクリと奏の喉が鳴った。嫌われているわけではないと、成留はホッとする。偽の出張をでっちあげてよかった。これでキスができたら、奏とひと月も離れなければならない計画のなぐさめになる。
「キス、してください」
呼気がかかるほど唇を寄せているくせに、あとすこしを詰めてこない成留に奏は困った。ものすごくキスがしたい。けれど自分からするのには抵抗がある。コイツはこうやって女と駆け引きをしてきたのか。相手に選択権をゆだねて、自分への気持ちを確かめてきたのか。
――なんて、ずるいヤツだ。
自分も成留を試してきたくせに、奏は不機嫌になった。わずかに伏せられたまつ毛の隙間から、甘える瞳が見えている。心の奥をくすぐる視線に、奏は負けた。
「んっ」
軽く唇を重ねれば、成留がグイッと顔を寄せる。舌を伸ばされ受け入れて、口腔をまさぐられた奏は股間を熱くした。そこを成留の太ももが押してくる。
「んっ、んぅ」
鼻にかかった奏の声に、成留も熱くなる。太ももに確かな存在を感じて、成留はほくそ笑んだ。先輩ってばもしかして、乱れたのが恥ずかしくて俺を避けていたのかも?
「先輩、かわいい」
「っ、あ、バカ」
成留の手が奏の胸元に伸びる。的確に服の上から乳首を探られ、奏は思わず成留にしがみついた。ニヤニヤしながら成留は奏の首に吸いつこうとし――。
「ぐふっ」
腹部に重い衝撃を受けて、よろめいた。
「せ、先輩」
腹を押さえて涙目で見上げると、真っ赤な奏がわなわなとこぶしを握りしめていた。
(うあ、かわいい)
痛みにうめきながら、そんなことを思う成留の横をすり抜けて、奏はカートを掴むと玄関に出した。
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