夜で止まり、明日は来ない

秋乃晃

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ヒトリボッチ

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 ナイトハルトが女の背後にまわって、付けているブラを外す。露わになった乳頭を両手でなで回すと、女が『あっ……』と切なげな声を出して、カメラから目線を逸らした。その乳房はナイトハルトの手のひらでは収まりきらないサイズで、ぽよんぽよんと跳ねせている。

「またやってる」

 配信を見ているのは何も野次馬どもだけではない。キサキもまた、ふたりの住処の、リビングのソファーの上にて、ナイトハルトから与えられている個人のスマートフォンで配信を見ていた。テスト会場から帰ってきて、シャワーを浴びたばかりの頃合いである。師匠が倫理的なあれこれをぶっちぎってこのような行為に及んでいるとはまったく知らないで、単に外で引っかけた股のゆるい女と遊んでいるだけだと思って、ため息をついた。過去に性病をもらったこともあるのに、懲りない男だ。
 ちなみに女とはテスト会場ですれ違っているのだが、キサキは顔と名前を覚えるのがすこぶる苦手なので覚えていない。

『んっ……!』

 黒っぽい乳首をいじられて、女の目線が天井を向く。太ももに指を這わせて、ショーツを取り払った。配信には秘部が映るとコメント欄の流速が早くなる。

「……ん」

 ナイトハルトからは〝乳バンド〟とディスられる、付けていてもいなくとも大して変わらない、ただ巻いてあるだけのブラの隙間から人差し指をねじ込んで、画面上の女がされているように突起部を摘まんだり、こねくり回したりする。

『やぁっ……あっ……』

 穴に指を突っ込まれて、嬌声と共にピチャピチャという音が配信に乗っかった。女は顔を赤らめて、腕で目を覆い隠している。ナイトハルトは配信の中心に女がいるようにして、自らはあまり映らないような場所から女の肉体をもてあそんでいた。

「んあ、あっ……ぴりぴりすりゅ……っ!」

 キサキはスマートフォンをローテーブルに投げ出し、ソファーで開脚して外陰部をこすっている。ぴりぴりして、頭の中が真っ白になりそうになる感覚があった。画面の中のナイトハルトには届かないし、リビングにはキサキしかいない。が、声に出すと余計に興奮する。

「イく……ひとりえっちでイっちゃう……!」

 本当はしてほしいのに。
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