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Bar18本目:Arriving
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「ああ、お2人は守衛さんだね。オオカミの魔物の群れに襲われたんだって? お疲れ様だったね」
王都の馬車降車場で乗車券を渡すと、係のお姉さんはそう言って笑った。
魔製オオカミの襲撃以降、不意に訪れるいざと云う時の為に順番に寝る事にはしていたが、それ以降馬車が止まったのは途中で小さな村に休憩で寄った時くらいで至ってのんびりとした旅路だった。
「……あの、あーしは……」
七妃が口を開いた。
「どうしたんだい、お嬢さん」
「あーし、オオカミに襲われた時、武器を忘れて役に立てなくて……」
……ああ、そうか。守衛として何も出来なかった事を、気に病んでいるのか。乗車賃も変わって来るしな。
だけど――。
「お姉さんも、お兄さんの応援を頑張ってたんだって?」
口を挟もうとしたが、その前にお姉さんがそう言ってくれた。
「お兄さんも、お姉さんの応援で普段以上の力を発揮出来たんでしょ? ありがとね」
「そうなの?」
そんな純粋な瞳で見られると恥ずかしいけど、ここは正直に言うしかない場面だろうな。
「ああ。高茶屋が応援してくれたから、自分の力以上のパフォーマンスが出来たと思う。ありがとう、高茶屋」
「……う、どういたましまして……」
どうしたものか、言葉がおかしくなっているぞ。
急にモジモジし出した七妃を置いておいて、お姉さんに耳打ちする。
(本来なら元の乗車賃を払わなきゃいけないと思うんですが、どうして?)
(ああ。御者と、さっき降りた守衛さんが言ってくれたんだよ。『あのお姉さんも頑張ってくれてたから、このままの料金で済ませてやって欲しいって)
チラリと移ったお姉さんの視線を追うと、俺達以外に守衛として乗っていた2組が、こっちが見ているのに気付きヒラヒラと手を振ってくれた。
「因みに、王様が募集した魔王を倒しに行く人達とお城で謁見するのは明日の昼だからね。今日の内に、一度お堀の前の立て札を確認しておいた方が良いかも。じゃあ、良い旅を!」
「う、うん、ありがとっ! あーし、頑張るっ!」
「ありがとうございます、そうしてみます」
笑顔で見送ってくれたお姉さんに、2人で手を振って離れる。
もう少し話していたい気もしたけど、まだ降りようと待っている人も居るので、俺達で時間を使い過ぎても宜しくないからな。
降車場のお姉さんと別れた俺達は、守衛として乗っていた2組の所に向かった。
「あの、ありがとうございます」
「良いって。俺達もそれを見て元気づけて貰っていたからな」
そう言って、立派なマントを見に付けている男性が笑う。
……この人と言えば。
「でも発車前に話した時、『この馬車が王都に着けるか』って言ってましたけど、どう云う意味だったんですか?」
「ん? ……ああ、そんな事も言ったっけ。実際オオカミの群れに馬が襲われて進めなくなった事も有ったみたいだけど、気合を入れて貰おうとちょっと脅かそうとしただけだよ。尤も、俺達ともう1組――こいつらも元々の知り合いなんだが――が居れば、もう少し苦戦したかも知れないが全く問題無かったけどな」
「……そうだったんですね」
不服が無いと言えば嘘になる。……けど、実際オオカミが襲って来るまでは緩みっ放しだったから何も言い返せない。この中で一番硬い武器を持っているのは、俺だと思うけどなっ!
「もう、あの時アルーズがいきなり脅かすんだもの、笑いを堪えるので必死だったのよ」
もう1組のリーダーっぽいローブに身を包んだ女性が、笑いながら言った。
これは、如何にも魔法使いと云った風貌だけど。
このお姉さんが戦っていたのは多分馬車の反対側だったろうから実際の戦闘シーンは見ていないけど、この世界にも、魔法と云う物が有るのだろうか。
いや、魔力が有るのだから有っても全くおかしく無いけど、俺のあずきボーや七妃のかき氷機なんかは、転移時に貰ったボーナスの様な物だと思うし。
……少しばかり、ウズウズと中二病の血が騒ぐ。
何処かで調べる事は出来ないだろうか。
「いや、申し訳無い。……ああ、そうだ。僕達はこれから一応立て札を確認しに行くけど、一緒に行くかい?」
「良いんですかっ?! あーしら、この街初めてでっ!」
「ははっ、そうじゃ無いかと思ったよ。じゃあ皆、行こうか」
「ええ」
こうして俺達3組は、挙って遠くに頭だけが見える城の方に向かって行った。
//////
【魔王に挑む者らを募る 皇紀273年8月17日正午、橋の前に集まられたし】
縦にも横にもその存在感を主張する城の周りの、堀を渡す橋の手前に立てられた木製の札には、そう書かれていた。
皇紀とかは分からないけど、この【8月17日】と云うのが、明日の事らしい。
そう言えば西暦や日本の元号なんかは、宗教や社会制度の関係だったっけ。
「ふむ。明日の昼に、ここに集まれば良いんだな。じゃあ皆、宿に向かおうか」
「そうね。……私達はあらかじめ連絡して宿を取ってあるけど、あなた達は?」
アルーズさんに相槌を打ったローブの女性、ヴィヴィさんに訊かれてハッとした。
そんな事には、全く思い至っていなかったからだ。
「いえ、全然……」
「そう。空いていれば良いのだけど、取り敢えず私達と一緒に行ってみる?」
「是非っ! お姉さん良い人ねっ!」
「ふふっ、そんなに人を信用すると、損するかもね?」
「そうなんですかっ?」
「……ちょっとあなたは、騙す気にはならないわね」
「ありがとうございますっ!」
……何だ、この遣り取り。
兎にも角にも俺達は、ヴィヴィさん達について宿に向かった。
アルーズさん一行は、別の宿らしい。
因みにオオカミと対敵していた時に隣に居たスキンヘッドのお兄さん――グァルドさんは、ヴィヴィさんと同じグループだ。
//////
「良かったわね、部屋が空いていて。じゃあ、また明日ね。それ迄に街中で会うかも知れないけど、良かったら話し掛けてね」
俺達の部屋の手配が終わると、ヴィヴィさん達は階段を上がって自分達の部屋に向かって行った。
そして俺達は……。
「ヘ、ヘヘ……オナジヘヤダネ、ヨロシクネ……」
カクカクと動きながら、七妃はぎこちなく言った。
「ダ、ダイジョウブ……。ヒロイヘヤ、ラシイカラ……」
……俺も人の事は言えないが。
ヴィヴィさん達が連れて来てくれた宿で部屋が空いていたには空いていたのだが、ツインの部屋が1部屋しか空いていなかったのだ。
念の為に周りの宿が空いていないか訊いたのだが、明日の御触れの為にどこの宿もいっぱいで、この部屋も偶々キャンセルが出た為に空いているに過ぎないとの事だった。
宿代の前払いをし、鍵を受け取る。
「ジャア、イコウカ……」
「ウン……、アーシ、マドガワ……」
流石のギャルモードと言えども、この状況には対処出来ないらしい。
この宿では、フロントの脇を抜けた1階にも部屋が有るらしく、俺達の部屋は、その1番奥だった。
ガチャッ。
キレの良い音がして、部屋の鍵が開いた。
ノブを回して引くと、ギィィィと鈍い音を立てて扉が開いた。
1面に大きな窓が有るその部屋は日当たりも良く、宿の庭も良く見えた。
ローテーブルを挟んでベッドが少し離れているのを見て、心が少し落ち着いた。
「じゃあ高茶屋、1本行っとく?」
「ヨロシク……」
窓から離れた方のベッドに腰掛けて言うと、まだ少し動きがおかしい七妃は、ゆっくりと頷いた。
あずきボーを2本出して1本を渡すと、七妃は窓側のベッド、俺の向かいに座って、暫くその香りを楽しんだ後、程良くなったあずきボーを口の中に入れた。
「美味しーっ! 善哉、ありがとうっ!」
――いやはや、あずきボーの力は偉大だ。
王都の馬車降車場で乗車券を渡すと、係のお姉さんはそう言って笑った。
魔製オオカミの襲撃以降、不意に訪れるいざと云う時の為に順番に寝る事にはしていたが、それ以降馬車が止まったのは途中で小さな村に休憩で寄った時くらいで至ってのんびりとした旅路だった。
「……あの、あーしは……」
七妃が口を開いた。
「どうしたんだい、お嬢さん」
「あーし、オオカミに襲われた時、武器を忘れて役に立てなくて……」
……ああ、そうか。守衛として何も出来なかった事を、気に病んでいるのか。乗車賃も変わって来るしな。
だけど――。
「お姉さんも、お兄さんの応援を頑張ってたんだって?」
口を挟もうとしたが、その前にお姉さんがそう言ってくれた。
「お兄さんも、お姉さんの応援で普段以上の力を発揮出来たんでしょ? ありがとね」
「そうなの?」
そんな純粋な瞳で見られると恥ずかしいけど、ここは正直に言うしかない場面だろうな。
「ああ。高茶屋が応援してくれたから、自分の力以上のパフォーマンスが出来たと思う。ありがとう、高茶屋」
「……う、どういたましまして……」
どうしたものか、言葉がおかしくなっているぞ。
急にモジモジし出した七妃を置いておいて、お姉さんに耳打ちする。
(本来なら元の乗車賃を払わなきゃいけないと思うんですが、どうして?)
(ああ。御者と、さっき降りた守衛さんが言ってくれたんだよ。『あのお姉さんも頑張ってくれてたから、このままの料金で済ませてやって欲しいって)
チラリと移ったお姉さんの視線を追うと、俺達以外に守衛として乗っていた2組が、こっちが見ているのに気付きヒラヒラと手を振ってくれた。
「因みに、王様が募集した魔王を倒しに行く人達とお城で謁見するのは明日の昼だからね。今日の内に、一度お堀の前の立て札を確認しておいた方が良いかも。じゃあ、良い旅を!」
「う、うん、ありがとっ! あーし、頑張るっ!」
「ありがとうございます、そうしてみます」
笑顔で見送ってくれたお姉さんに、2人で手を振って離れる。
もう少し話していたい気もしたけど、まだ降りようと待っている人も居るので、俺達で時間を使い過ぎても宜しくないからな。
降車場のお姉さんと別れた俺達は、守衛として乗っていた2組の所に向かった。
「あの、ありがとうございます」
「良いって。俺達もそれを見て元気づけて貰っていたからな」
そう言って、立派なマントを見に付けている男性が笑う。
……この人と言えば。
「でも発車前に話した時、『この馬車が王都に着けるか』って言ってましたけど、どう云う意味だったんですか?」
「ん? ……ああ、そんな事も言ったっけ。実際オオカミの群れに馬が襲われて進めなくなった事も有ったみたいだけど、気合を入れて貰おうとちょっと脅かそうとしただけだよ。尤も、俺達ともう1組――こいつらも元々の知り合いなんだが――が居れば、もう少し苦戦したかも知れないが全く問題無かったけどな」
「……そうだったんですね」
不服が無いと言えば嘘になる。……けど、実際オオカミが襲って来るまでは緩みっ放しだったから何も言い返せない。この中で一番硬い武器を持っているのは、俺だと思うけどなっ!
「もう、あの時アルーズがいきなり脅かすんだもの、笑いを堪えるので必死だったのよ」
もう1組のリーダーっぽいローブに身を包んだ女性が、笑いながら言った。
これは、如何にも魔法使いと云った風貌だけど。
このお姉さんが戦っていたのは多分馬車の反対側だったろうから実際の戦闘シーンは見ていないけど、この世界にも、魔法と云う物が有るのだろうか。
いや、魔力が有るのだから有っても全くおかしく無いけど、俺のあずきボーや七妃のかき氷機なんかは、転移時に貰ったボーナスの様な物だと思うし。
……少しばかり、ウズウズと中二病の血が騒ぐ。
何処かで調べる事は出来ないだろうか。
「いや、申し訳無い。……ああ、そうだ。僕達はこれから一応立て札を確認しに行くけど、一緒に行くかい?」
「良いんですかっ?! あーしら、この街初めてでっ!」
「ははっ、そうじゃ無いかと思ったよ。じゃあ皆、行こうか」
「ええ」
こうして俺達3組は、挙って遠くに頭だけが見える城の方に向かって行った。
//////
【魔王に挑む者らを募る 皇紀273年8月17日正午、橋の前に集まられたし】
縦にも横にもその存在感を主張する城の周りの、堀を渡す橋の手前に立てられた木製の札には、そう書かれていた。
皇紀とかは分からないけど、この【8月17日】と云うのが、明日の事らしい。
そう言えば西暦や日本の元号なんかは、宗教や社会制度の関係だったっけ。
「ふむ。明日の昼に、ここに集まれば良いんだな。じゃあ皆、宿に向かおうか」
「そうね。……私達はあらかじめ連絡して宿を取ってあるけど、あなた達は?」
アルーズさんに相槌を打ったローブの女性、ヴィヴィさんに訊かれてハッとした。
そんな事には、全く思い至っていなかったからだ。
「いえ、全然……」
「そう。空いていれば良いのだけど、取り敢えず私達と一緒に行ってみる?」
「是非っ! お姉さん良い人ねっ!」
「ふふっ、そんなに人を信用すると、損するかもね?」
「そうなんですかっ?」
「……ちょっとあなたは、騙す気にはならないわね」
「ありがとうございますっ!」
……何だ、この遣り取り。
兎にも角にも俺達は、ヴィヴィさん達について宿に向かった。
アルーズさん一行は、別の宿らしい。
因みにオオカミと対敵していた時に隣に居たスキンヘッドのお兄さん――グァルドさんは、ヴィヴィさんと同じグループだ。
//////
「良かったわね、部屋が空いていて。じゃあ、また明日ね。それ迄に街中で会うかも知れないけど、良かったら話し掛けてね」
俺達の部屋の手配が終わると、ヴィヴィさん達は階段を上がって自分達の部屋に向かって行った。
そして俺達は……。
「ヘ、ヘヘ……オナジヘヤダネ、ヨロシクネ……」
カクカクと動きながら、七妃はぎこちなく言った。
「ダ、ダイジョウブ……。ヒロイヘヤ、ラシイカラ……」
……俺も人の事は言えないが。
ヴィヴィさん達が連れて来てくれた宿で部屋が空いていたには空いていたのだが、ツインの部屋が1部屋しか空いていなかったのだ。
念の為に周りの宿が空いていないか訊いたのだが、明日の御触れの為にどこの宿もいっぱいで、この部屋も偶々キャンセルが出た為に空いているに過ぎないとの事だった。
宿代の前払いをし、鍵を受け取る。
「ジャア、イコウカ……」
「ウン……、アーシ、マドガワ……」
流石のギャルモードと言えども、この状況には対処出来ないらしい。
この宿では、フロントの脇を抜けた1階にも部屋が有るらしく、俺達の部屋は、その1番奥だった。
ガチャッ。
キレの良い音がして、部屋の鍵が開いた。
ノブを回して引くと、ギィィィと鈍い音を立てて扉が開いた。
1面に大きな窓が有るその部屋は日当たりも良く、宿の庭も良く見えた。
ローテーブルを挟んでベッドが少し離れているのを見て、心が少し落ち着いた。
「じゃあ高茶屋、1本行っとく?」
「ヨロシク……」
窓から離れた方のベッドに腰掛けて言うと、まだ少し動きがおかしい七妃は、ゆっくりと頷いた。
あずきボーを2本出して1本を渡すと、七妃は窓側のベッド、俺の向かいに座って、暫くその香りを楽しんだ後、程良くなったあずきボーを口の中に入れた。
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