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ノアの有難い申し出に便乗したもののそこからどうしたら良いのかわからず、俯きながらノアの行動を待った。その間もアシュリーヌちゃんの声とマルクス様の荒い息が耳に届き、たいへん居た堪れない。
ちらりとノアを瞳だけで見上げる。頰が紅潮していること以外は、いたっていつも通りのノアだ。吊り目がちの鳶色の瞳はこんな時でも私を安心させてくれるけれど、いつもと変わらないからこそこの異様な雰囲気と相反してどこか覚束ない気持ちにもさせる。
「こっち見てるとやり辛いから、あっち向け」
くるりと体を反転させられる。たしかにこの方がマルクス様達を見ていられるし、ノアと面と向かわずに済む分照れずにいられるかもしれない。
なるほどとそのままぼんやりマルクス様達を見つめていると、距離を詰めたのか背中にノアの体温を感じた。途端に全身に緊張が走る。
落ち着け、私。これはオナニーの一環。長年の野望をより良いものにするために差し伸べられた有難い手を取っただけで、断じていけない性交渉をするわけではない。……たぶん。言い聞かせていると、そろりとノアの両手が胸元に伸びてきた。体が強張る。一瞬逡巡した様子を見せた後、ふに。と、大きくはない私の胸を優しく包み込んだ。数拍の後、やわやわと揉み始めた。胸を揉まれること自体然程快感は感じないのだが、ノアに揉まれているという事実がかなり腰にくる。任務が成功した時にハイタッチした豆だらけの手、私が凹んでいる時は優しく頭を撫でてくれる大きな手が、目下で私のおっぱいを撫で回し、もみもみと揉みしだいているのだ。背徳感がものすごい。
「んんッ……あっあぁああッッ」
一際大きなアシュリーヌちゃんの嬌声が聞こえて、ノアの動きが止まった。私も同時に体を硬ばらせる。ノアの手の方が気になってしまって観察が疎かになってしまっていた。いけない、集中集中……。
気を取り直して胸の快感とマルクス様達のまぐわいに意識を向けたが、耳元にぞくりとした快感が走ってまたもや意識が霧散した。
ノアが胸を揉む傍、舌で耳の裏から首筋をちろちろと舐めている。
「の、のあ、それ……」
くちゅり
「ゥんンッ……?!」
今度は耳介をぐるりと舐められ、おまけに優しくフッと息を吹きかけられた。腰元から背中にかけてぞくぞくとした快感が走り、鼻から抜けた声が漏れてしまい顔が熱くなった。なにこれ、なにこれ。私って耳弱かったのか……?!
ノアもその事に気付いたのか、重点的に耳を攻めてきた。まてまてまてまてマルクス様はそんなことしてなかったぞ?!
「のっのあ……! それ、変になるから、やめっ……ンンッッ、ひぁっん……」
ぴちゃぴちゃと直接耳に響く水温がひどくいやらしくて恥ずかしい。抑える間も無く、ひっきりなしに情けない声が出てしまい息も上がる。
ノアめ……一体どこでこんなテクを仕込んできたんだ……城下町の花町だろうか。
あまりにも大声を上げてアシュリーヌちゃん達に気付かれる訳にはいかない。腰に募る快感に思わず内腿になりながらも余所事を考えて耐えていると、ノアの手が徐に私のシャツのボタンへと伸び、一つ一つ外し始めた。あっという間に空色のブラが外気に晒されたかと思うと次いでノアの手によってブラまでも引き上げられ、ぷるんと収まりの良いサイズの私のおっぱいがこんにちはしてしまった。引き続き耳を舐められ快感に震える度、ふるふると桃色の乳首が揺れる。屋外で初めて見る自分の胸は現実感が無くひどく倒錯的で恥ずかしくてたまらない。
ノアの両手が生乳に恐る恐るといったように近付くと、意を決したように両指で桃色の乳首を摘み捻られた。
「んあっ?!」
瞬間背筋を快感が這い上がる。
乳首はそんなに感じない方なんだけど、人に摘まれるだけでこんなに違うなんて……。
中指と親指で両乳首を摘みクニクニと捻るように刺激しながら器用にも人差し指で突起のくぼみをほじるように弄られ、ジンジンと快感が募っていく。心なしかノアの息も上がっているようで、ハァハァと熱い吐息が耳を掠めて更に感じてしまう。
「あっあっ、ひゃぁンッ! んっ……んんッ!」
自分のものと思えない甘い声が止まらない。
恥ずかしくて両手で口を抑えるけれどその度に耳たぶを甘噛みされ、ちゅぷちゅぷとわざと音が鳴るように唾液を絡ませしゃぶってくるものだから、思わず情けない声が漏れてしまう。ノアってこんなにもいじわるだったっけ。
すっかりノアの愛撫に翻弄されてしまった私はアシュリーヌちゃん達の存在は念頭からぶっ飛んでしまっていて。ただただ目の前の快楽に身を委ねてしまっていた。
「ひぁあ……やぁっ、ふぁあんッ」
くるくると乳輪を指先でなぞられ、カリッと爪で乳首の先端を引っ掻かれる。
パンツの中は既にぐしょぐしょで、秘所からはとめどなく蜜が溢れていた。
乳首は気持ちいい。気持ちいいけれど、乳首だけじゃイけない。正直、下のお口を弄ってほしくてたまらなかった。
息も絶え絶えになりながら、事に及び始めてから初めてノアを振り返った。顔を見たら、いけないことをしている事実を直視することになるからずっと絶えていたけれど。限界だった。
「……ッ」
ちっとも声を発さないから気付かなかったけれどノアの顔は予想よりもずっと近くにいて、至近距離にあった見慣れた顔の見慣れない表情に、ドキリと心臓が跳ね上がった。
猫を思わせる吊り目の鳶色の瞳はとろんと熱を孕んでいて、情欲に満ちている。頰はこれでもかというほど上気しており、任務中とはまた違う余裕の無い顰めっ面だ。そんな顔が一瞬驚いたように硬直した後、バツが悪そうに私から視線を逸らした。方やおっぱい丸出し、方やその頂を摘んでおり、先ほどまでしていた行為を考えれば当然の反応ではあるだろう。なんとも居た堪れない。けれどそれと同時に、下腹部からゾクゾクとしたナニかも広がっていった。
あのぶっきらぼうながらも真面目で世話好きの第二のオカンのような、性欲なんて感じるどころかそんなもの存在しないようなノアと、雰囲気に流されてえっちなことをしてしまっている。この事実が、どうしようもなく私の興奮を煽り、そしてまた股間をしとどに濡らした。もしかしたら私は自分が思っているよりずっと不健全な性癖を持っているのかもしれない。
「の、ノア……あのね、そろそろ、」
話している間にもトロトロと溢れる蜜を感じてもじ、と内腿を擦り合わせる。
「下、も、弄ってほしいな……なんて」
恥ずかしさに頰がまた熱くなるのを感じて、思わず視線を外してしまった。とんでもない淫乱だと思われてしまうだろうか。だって乳首だけじゃイけないし……もっと気持ちよくなりたい。
暫しの沈黙にそろりと視線を上げようとしたが、視線が交わるより先に気付けば再びノアの手によってマルクス様達の方へ体を反転されてしまった。
「お前、もうこっち向くな」
「えっえぇ~??」
流石のノアも、私の感じ入る姿を見てげんなりしてしまったのだろうか。もしかしなくてもなんていやらしい女なんだと、幻滅されてしまったかもしれない。どうしよう、ノアに嫌われたら私ーー
「俺の顔見て萎えちまったら、元も子もねーだろうが」
杞憂だったようだ。萎えるとは、ノアの顔を見たら照れてしまってそれどころじゃなくなってしまうということだろうか。むしろ私は興奮してしまったのだけれど……。あわよくば正面からノアに見つめられながら、触ってほしいとさえ思っている。
まああっちを向いていれば弄ってくれると言うのなら、私はそれに従うしかあるまい。
本来の目的であるマルクス様達の観察が疎かになっている自覚はあった。新たな性癖の扉を開きそうになって、そちらに夢中になってしまったから。これではいけないとマルクス様達の行為に改めて意識を向ける。
マルクス様は気付けば庭園の中心に備え付けられた小ぶりな噴水の淵に腰掛け、その膝の上にアシュリーヌちゃんを座らせて相変わらず激しい手マンを繰り返していた。器用なことに片手は乳首を捏ねくり回し、口はアシュリーヌちゃんの唇を貪り啜っている。端正な顔は雄そのもので、二次元でその御姿を拝んでいた時よりもリアルな分、いっそ恐ろしさすらあった。
先ほどまでは慎ましやかに股間を隠していたアシュリーヌちゃんの愛らしいショーツは既に意味を成しておらず、足首に引っかかるただの布切れと化している。膝の上で開脚させられその中心からとめどなく愛液を撒き散らすアシュリーヌちゃんのエロさたるや、私の痴態なんておままごとのように思えてしまう。あ、またイッた。じゅぅんと、またもや自身の秘所から蜜が溢れるのを感じる。
「ンッ」
ジンと再び乳首に刺激が走った。既に弄られまくって真っ赤に熟れた左乳首をノアが左指で押し潰し、捏ねている。アシュリーヌちゃんのものを見た後では私の胸のささやかさにしょんもりしそうになるけれど、ノアの手によって形を変えられ、悦びを与えられている様を見ているとこんなおっぱいでも女としての快楽を得ることができるのだなぁとしみじみと感じてしまう。
ノアの右手がゆっくりと寝間着用のスカートの腰部分に伸び、中へと侵入してきた。豆だらけのひんやりとした手に内腿をさわさわと撫ぜられるだけでゾクゾクとしたものが下腹部に灯る。
「はぅっ」
腿から股間に手が移動して下着越しに溝をなぞられ、足腰の力が抜けた。下着に触れた瞬間、ノアの腕も強張った気がしたけれどすぐに何度か溝を往復したのち、トントンと敏感な芽の部分をノックされる。その度にビクンビクンと腰が跳ねてしまい、じゅわっとまた下着の中にぬめりが溢れた。
既に下着の中はおもらしもびっくりなほどに愛液でぐちゃぐちゃなのだけれど、下着越しに触れても分かってしまっただろうか。自分の快感がノアに赤裸々に暴かれたような気がしてカッと顔が熱くなる。
下着の股間部分の隙間から、指が割り込んできた。またもや背後のノアが息を呑む気配を感じる。は、恥ずかしい……濡れすぎだよね、承知しておりますともええ。下着の中に指を入れただけでノアの手は愛液まみれになってしまったに違いない。だって推しカプの情事をこの目で拝んで、尚且つ先程まで初めての他人から与えられる快感にビクンビクンしていたのだ。半分はノアのせいなんだからね。
蜜壺に愛液をからませるように塗りたくると、ノアは割れ目に指を滑らせてきた。
「ぁあッ……やっ、あっ、ぁあっ」
ぬちゅぬちゅ中指が溝をスライドする度に小さなぽっちりに指先が掠め、激しい快感が腰を突き抜ける。中指で溝をスライドするのはそのまま、人差し指でひときわ強くクリを引っ掻かれた。
「はぁあんッ!」
漸く与えられた下半身への大好きな快感に、腰が融けてしまいそうだった。そのまま重点的にクリを抓られ、転がされ、弾かれながらくちゅくちゅと割れ目全体を愛液ごとかき混ぜられる。
同時に左手では乳首をくにくに捏ねられ、耳殻もじゅるじゅる吸われてそこかしこから快感の波が襲ってくる。
「はッ……あっ、あっ、やぁあ……ンンッ……のあ、のあァ……」
気が付けば背後から抱きすくめる形になっているノアの腕を掴んでいた。あまりにも気持ち良すぎて、何かにしがみついていないと立っていられない。
びくりとノアの腕が跳ねた気がしたが、数拍の後、またすぐに愛撫を再開した。
くちゅんという音ともに、股間に細くて硬い異物感を感じた。スライドさせていた中指が、ゆっくりと膣内へと挿入されたのだ。
一人エッチの時二本までなら自分で挿入したことがあるので破瓜の痛みはなかったが、自分の預かり知らないものでナカを探られるのは初めてで。膣壁を擦られながら引き続き人差し指でクリを弾かれ、それだけでイッてしまいそうになった。すごい、人にアソコを弄られる快感、すごい。それがノアの指であるから尚更だ。いつもは槍を持ち、時にはデッキブラシを持って私を助けてくれるノアのあの指が、私のナカで蠢いている……。
そう考えるとまたたっぷりと蜜が溢れて、ノアの指の出入りを潤滑にした。
二本目の薬指もすんなりと受け入れ、バラバラと中で動かされる。ぐちゅんぐちゅん度々イイ所に擦れて、その度に腰が跳ねた。
「ひぁあんッ! ひゃ、ぁあん……はぁ、んんッ」
膣内の肉壁が収縮を始めているのがわかる。ノアもそのことに気が付いたのか、二本の指の抽出を早めた。時折指を曲げて私の反応が明るい箇所を擦り上げ、人差し指でクリへの刺激も怠らない。激しいピストン運動と強すぎる刺激で私は先程のアシュリーヌちゃん宜しく、ノアの胸に身を預け、愛液をびちゃびちゃ滴らせながらだらしなく喘ぐだけの雌へと化していた。
「あぁあッ! ぁあッ、ぁっ……ぁっ……やぁあ、のあ、だめ、も、私ッッ、はぁあぅ」
いやらしい私の下のお口はドロドロに蕩けて、下着の隙間からはとめどなく愛液が腿を伝い落ちていた。
ぐちゅちゅちゅちゅちゅちゅ
一際イイところを何度も突かれると同時にクリを弾かれると、私はとうとう絶頂を迎えた。
「ぁぁあああああっっっ!!」
びくんびくんと絶頂の余波は続き、膣内に入ったままのノアの指を激しく締め付け、またその刺激で軽くイッてしまった。
荒い息を吐きながらノアの胸へ倒れ込む。
辺りは私達の荒い呼吸のみが響いている。行為に夢中になりすぎて気付かなかったけど、いつの間にやらマルクス様達は撤収していたようだ。本来の目的をそっちのけですっかり目の前の快感に溺れてしまっていた。私は一体何をしに来たんだ……というか、私達がいたことバレていないよな……?
いやそんなことよりめちゃくちゃきもちがよかった……単純にノアが上手いだけなのかもしれないけど、一人でする時の何百倍もいい。
不意に視線を感じてノアを見上げる。ノアも浅い呼吸を繰り返しながら、潤んだ瞳で私を見下ろしていた。見つめ合ったまま、暫しの沈黙が流れる。
私は依然としておっぱい丸出し、一方ノアは、私の股間にゆびを突っ込んだままである。
「ええと、ひとまず指を……」
「あ、ああ……」
くちゅんという水温と共に、ずるりとノアの指が引き抜かれ、名残惜しさと共にまたもや快感が走った。
「ふぅうンッ」
ノアを見上げながら思わず変な声が出てしまい、お互いにカーッと赤くなってしまった。オーガズムが過ぎて冷静になると、この状況、体を触られている時よりもとてつもなく居た堪れないし、恥ずかしい。
本来の目的であったマルクス様達もいなくなってしまったので、どちらからともなく後始末をして、私達はヨロヨロと寄宿舎へ帰って行った。
ちらりとノアを瞳だけで見上げる。頰が紅潮していること以外は、いたっていつも通りのノアだ。吊り目がちの鳶色の瞳はこんな時でも私を安心させてくれるけれど、いつもと変わらないからこそこの異様な雰囲気と相反してどこか覚束ない気持ちにもさせる。
「こっち見てるとやり辛いから、あっち向け」
くるりと体を反転させられる。たしかにこの方がマルクス様達を見ていられるし、ノアと面と向かわずに済む分照れずにいられるかもしれない。
なるほどとそのままぼんやりマルクス様達を見つめていると、距離を詰めたのか背中にノアの体温を感じた。途端に全身に緊張が走る。
落ち着け、私。これはオナニーの一環。長年の野望をより良いものにするために差し伸べられた有難い手を取っただけで、断じていけない性交渉をするわけではない。……たぶん。言い聞かせていると、そろりとノアの両手が胸元に伸びてきた。体が強張る。一瞬逡巡した様子を見せた後、ふに。と、大きくはない私の胸を優しく包み込んだ。数拍の後、やわやわと揉み始めた。胸を揉まれること自体然程快感は感じないのだが、ノアに揉まれているという事実がかなり腰にくる。任務が成功した時にハイタッチした豆だらけの手、私が凹んでいる時は優しく頭を撫でてくれる大きな手が、目下で私のおっぱいを撫で回し、もみもみと揉みしだいているのだ。背徳感がものすごい。
「んんッ……あっあぁああッッ」
一際大きなアシュリーヌちゃんの嬌声が聞こえて、ノアの動きが止まった。私も同時に体を硬ばらせる。ノアの手の方が気になってしまって観察が疎かになってしまっていた。いけない、集中集中……。
気を取り直して胸の快感とマルクス様達のまぐわいに意識を向けたが、耳元にぞくりとした快感が走ってまたもや意識が霧散した。
ノアが胸を揉む傍、舌で耳の裏から首筋をちろちろと舐めている。
「の、のあ、それ……」
くちゅり
「ゥんンッ……?!」
今度は耳介をぐるりと舐められ、おまけに優しくフッと息を吹きかけられた。腰元から背中にかけてぞくぞくとした快感が走り、鼻から抜けた声が漏れてしまい顔が熱くなった。なにこれ、なにこれ。私って耳弱かったのか……?!
ノアもその事に気付いたのか、重点的に耳を攻めてきた。まてまてまてまてマルクス様はそんなことしてなかったぞ?!
「のっのあ……! それ、変になるから、やめっ……ンンッッ、ひぁっん……」
ぴちゃぴちゃと直接耳に響く水温がひどくいやらしくて恥ずかしい。抑える間も無く、ひっきりなしに情けない声が出てしまい息も上がる。
ノアめ……一体どこでこんなテクを仕込んできたんだ……城下町の花町だろうか。
あまりにも大声を上げてアシュリーヌちゃん達に気付かれる訳にはいかない。腰に募る快感に思わず内腿になりながらも余所事を考えて耐えていると、ノアの手が徐に私のシャツのボタンへと伸び、一つ一つ外し始めた。あっという間に空色のブラが外気に晒されたかと思うと次いでノアの手によってブラまでも引き上げられ、ぷるんと収まりの良いサイズの私のおっぱいがこんにちはしてしまった。引き続き耳を舐められ快感に震える度、ふるふると桃色の乳首が揺れる。屋外で初めて見る自分の胸は現実感が無くひどく倒錯的で恥ずかしくてたまらない。
ノアの両手が生乳に恐る恐るといったように近付くと、意を決したように両指で桃色の乳首を摘み捻られた。
「んあっ?!」
瞬間背筋を快感が這い上がる。
乳首はそんなに感じない方なんだけど、人に摘まれるだけでこんなに違うなんて……。
中指と親指で両乳首を摘みクニクニと捻るように刺激しながら器用にも人差し指で突起のくぼみをほじるように弄られ、ジンジンと快感が募っていく。心なしかノアの息も上がっているようで、ハァハァと熱い吐息が耳を掠めて更に感じてしまう。
「あっあっ、ひゃぁンッ! んっ……んんッ!」
自分のものと思えない甘い声が止まらない。
恥ずかしくて両手で口を抑えるけれどその度に耳たぶを甘噛みされ、ちゅぷちゅぷとわざと音が鳴るように唾液を絡ませしゃぶってくるものだから、思わず情けない声が漏れてしまう。ノアってこんなにもいじわるだったっけ。
すっかりノアの愛撫に翻弄されてしまった私はアシュリーヌちゃん達の存在は念頭からぶっ飛んでしまっていて。ただただ目の前の快楽に身を委ねてしまっていた。
「ひぁあ……やぁっ、ふぁあんッ」
くるくると乳輪を指先でなぞられ、カリッと爪で乳首の先端を引っ掻かれる。
パンツの中は既にぐしょぐしょで、秘所からはとめどなく蜜が溢れていた。
乳首は気持ちいい。気持ちいいけれど、乳首だけじゃイけない。正直、下のお口を弄ってほしくてたまらなかった。
息も絶え絶えになりながら、事に及び始めてから初めてノアを振り返った。顔を見たら、いけないことをしている事実を直視することになるからずっと絶えていたけれど。限界だった。
「……ッ」
ちっとも声を発さないから気付かなかったけれどノアの顔は予想よりもずっと近くにいて、至近距離にあった見慣れた顔の見慣れない表情に、ドキリと心臓が跳ね上がった。
猫を思わせる吊り目の鳶色の瞳はとろんと熱を孕んでいて、情欲に満ちている。頰はこれでもかというほど上気しており、任務中とはまた違う余裕の無い顰めっ面だ。そんな顔が一瞬驚いたように硬直した後、バツが悪そうに私から視線を逸らした。方やおっぱい丸出し、方やその頂を摘んでおり、先ほどまでしていた行為を考えれば当然の反応ではあるだろう。なんとも居た堪れない。けれどそれと同時に、下腹部からゾクゾクとしたナニかも広がっていった。
あのぶっきらぼうながらも真面目で世話好きの第二のオカンのような、性欲なんて感じるどころかそんなもの存在しないようなノアと、雰囲気に流されてえっちなことをしてしまっている。この事実が、どうしようもなく私の興奮を煽り、そしてまた股間をしとどに濡らした。もしかしたら私は自分が思っているよりずっと不健全な性癖を持っているのかもしれない。
「の、ノア……あのね、そろそろ、」
話している間にもトロトロと溢れる蜜を感じてもじ、と内腿を擦り合わせる。
「下、も、弄ってほしいな……なんて」
恥ずかしさに頰がまた熱くなるのを感じて、思わず視線を外してしまった。とんでもない淫乱だと思われてしまうだろうか。だって乳首だけじゃイけないし……もっと気持ちよくなりたい。
暫しの沈黙にそろりと視線を上げようとしたが、視線が交わるより先に気付けば再びノアの手によってマルクス様達の方へ体を反転されてしまった。
「お前、もうこっち向くな」
「えっえぇ~??」
流石のノアも、私の感じ入る姿を見てげんなりしてしまったのだろうか。もしかしなくてもなんていやらしい女なんだと、幻滅されてしまったかもしれない。どうしよう、ノアに嫌われたら私ーー
「俺の顔見て萎えちまったら、元も子もねーだろうが」
杞憂だったようだ。萎えるとは、ノアの顔を見たら照れてしまってそれどころじゃなくなってしまうということだろうか。むしろ私は興奮してしまったのだけれど……。あわよくば正面からノアに見つめられながら、触ってほしいとさえ思っている。
まああっちを向いていれば弄ってくれると言うのなら、私はそれに従うしかあるまい。
本来の目的であるマルクス様達の観察が疎かになっている自覚はあった。新たな性癖の扉を開きそうになって、そちらに夢中になってしまったから。これではいけないとマルクス様達の行為に改めて意識を向ける。
マルクス様は気付けば庭園の中心に備え付けられた小ぶりな噴水の淵に腰掛け、その膝の上にアシュリーヌちゃんを座らせて相変わらず激しい手マンを繰り返していた。器用なことに片手は乳首を捏ねくり回し、口はアシュリーヌちゃんの唇を貪り啜っている。端正な顔は雄そのもので、二次元でその御姿を拝んでいた時よりもリアルな分、いっそ恐ろしさすらあった。
先ほどまでは慎ましやかに股間を隠していたアシュリーヌちゃんの愛らしいショーツは既に意味を成しておらず、足首に引っかかるただの布切れと化している。膝の上で開脚させられその中心からとめどなく愛液を撒き散らすアシュリーヌちゃんのエロさたるや、私の痴態なんておままごとのように思えてしまう。あ、またイッた。じゅぅんと、またもや自身の秘所から蜜が溢れるのを感じる。
「ンッ」
ジンと再び乳首に刺激が走った。既に弄られまくって真っ赤に熟れた左乳首をノアが左指で押し潰し、捏ねている。アシュリーヌちゃんのものを見た後では私の胸のささやかさにしょんもりしそうになるけれど、ノアの手によって形を変えられ、悦びを与えられている様を見ているとこんなおっぱいでも女としての快楽を得ることができるのだなぁとしみじみと感じてしまう。
ノアの右手がゆっくりと寝間着用のスカートの腰部分に伸び、中へと侵入してきた。豆だらけのひんやりとした手に内腿をさわさわと撫ぜられるだけでゾクゾクとしたものが下腹部に灯る。
「はぅっ」
腿から股間に手が移動して下着越しに溝をなぞられ、足腰の力が抜けた。下着に触れた瞬間、ノアの腕も強張った気がしたけれどすぐに何度か溝を往復したのち、トントンと敏感な芽の部分をノックされる。その度にビクンビクンと腰が跳ねてしまい、じゅわっとまた下着の中にぬめりが溢れた。
既に下着の中はおもらしもびっくりなほどに愛液でぐちゃぐちゃなのだけれど、下着越しに触れても分かってしまっただろうか。自分の快感がノアに赤裸々に暴かれたような気がしてカッと顔が熱くなる。
下着の股間部分の隙間から、指が割り込んできた。またもや背後のノアが息を呑む気配を感じる。は、恥ずかしい……濡れすぎだよね、承知しておりますともええ。下着の中に指を入れただけでノアの手は愛液まみれになってしまったに違いない。だって推しカプの情事をこの目で拝んで、尚且つ先程まで初めての他人から与えられる快感にビクンビクンしていたのだ。半分はノアのせいなんだからね。
蜜壺に愛液をからませるように塗りたくると、ノアは割れ目に指を滑らせてきた。
「ぁあッ……やっ、あっ、ぁあっ」
ぬちゅぬちゅ中指が溝をスライドする度に小さなぽっちりに指先が掠め、激しい快感が腰を突き抜ける。中指で溝をスライドするのはそのまま、人差し指でひときわ強くクリを引っ掻かれた。
「はぁあんッ!」
漸く与えられた下半身への大好きな快感に、腰が融けてしまいそうだった。そのまま重点的にクリを抓られ、転がされ、弾かれながらくちゅくちゅと割れ目全体を愛液ごとかき混ぜられる。
同時に左手では乳首をくにくに捏ねられ、耳殻もじゅるじゅる吸われてそこかしこから快感の波が襲ってくる。
「はッ……あっ、あっ、やぁあ……ンンッ……のあ、のあァ……」
気が付けば背後から抱きすくめる形になっているノアの腕を掴んでいた。あまりにも気持ち良すぎて、何かにしがみついていないと立っていられない。
びくりとノアの腕が跳ねた気がしたが、数拍の後、またすぐに愛撫を再開した。
くちゅんという音ともに、股間に細くて硬い異物感を感じた。スライドさせていた中指が、ゆっくりと膣内へと挿入されたのだ。
一人エッチの時二本までなら自分で挿入したことがあるので破瓜の痛みはなかったが、自分の預かり知らないものでナカを探られるのは初めてで。膣壁を擦られながら引き続き人差し指でクリを弾かれ、それだけでイッてしまいそうになった。すごい、人にアソコを弄られる快感、すごい。それがノアの指であるから尚更だ。いつもは槍を持ち、時にはデッキブラシを持って私を助けてくれるノアのあの指が、私のナカで蠢いている……。
そう考えるとまたたっぷりと蜜が溢れて、ノアの指の出入りを潤滑にした。
二本目の薬指もすんなりと受け入れ、バラバラと中で動かされる。ぐちゅんぐちゅん度々イイ所に擦れて、その度に腰が跳ねた。
「ひぁあんッ! ひゃ、ぁあん……はぁ、んんッ」
膣内の肉壁が収縮を始めているのがわかる。ノアもそのことに気が付いたのか、二本の指の抽出を早めた。時折指を曲げて私の反応が明るい箇所を擦り上げ、人差し指でクリへの刺激も怠らない。激しいピストン運動と強すぎる刺激で私は先程のアシュリーヌちゃん宜しく、ノアの胸に身を預け、愛液をびちゃびちゃ滴らせながらだらしなく喘ぐだけの雌へと化していた。
「あぁあッ! ぁあッ、ぁっ……ぁっ……やぁあ、のあ、だめ、も、私ッッ、はぁあぅ」
いやらしい私の下のお口はドロドロに蕩けて、下着の隙間からはとめどなく愛液が腿を伝い落ちていた。
ぐちゅちゅちゅちゅちゅちゅ
一際イイところを何度も突かれると同時にクリを弾かれると、私はとうとう絶頂を迎えた。
「ぁぁあああああっっっ!!」
びくんびくんと絶頂の余波は続き、膣内に入ったままのノアの指を激しく締め付け、またその刺激で軽くイッてしまった。
荒い息を吐きながらノアの胸へ倒れ込む。
辺りは私達の荒い呼吸のみが響いている。行為に夢中になりすぎて気付かなかったけど、いつの間にやらマルクス様達は撤収していたようだ。本来の目的をそっちのけですっかり目の前の快感に溺れてしまっていた。私は一体何をしに来たんだ……というか、私達がいたことバレていないよな……?
いやそんなことよりめちゃくちゃきもちがよかった……単純にノアが上手いだけなのかもしれないけど、一人でする時の何百倍もいい。
不意に視線を感じてノアを見上げる。ノアも浅い呼吸を繰り返しながら、潤んだ瞳で私を見下ろしていた。見つめ合ったまま、暫しの沈黙が流れる。
私は依然としておっぱい丸出し、一方ノアは、私の股間にゆびを突っ込んだままである。
「ええと、ひとまず指を……」
「あ、ああ……」
くちゅんという水温と共に、ずるりとノアの指が引き抜かれ、名残惜しさと共にまたもや快感が走った。
「ふぅうンッ」
ノアを見上げながら思わず変な声が出てしまい、お互いにカーッと赤くなってしまった。オーガズムが過ぎて冷静になると、この状況、体を触られている時よりもとてつもなく居た堪れないし、恥ずかしい。
本来の目的であったマルクス様達もいなくなってしまったので、どちらからともなく後始末をして、私達はヨロヨロと寄宿舎へ帰って行った。
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