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7つの断章編
第14話
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洞窟の奥に、また、人為的に作られたと思われる台座と、
その上に光る金属片があった。
ベアトリスが金属片をつまみ上げると、
それは光を失った。1つ目の断章とあまり大きさも形も変わりなく見える。
「これで2個目だな。」
ベアトリスは断章をそのまま私に手渡した。
私は念のため、レイリアに見られないうちに皮袋にしまい込んだ。
少し遅れて、レイリアとリスバートがやってくる。
「用事がすんだら、街へ戻ろうか。」
リスバートは、あえてなのか分からないが、
断章という言葉を使わなかった。
レイリアからの反応は特にないようだ。
彼女は、汚れたり傷ついた服が気になるのか、
私達の行動よりも、自分の服に関心があるようだった。
やっぱり、ベアトリスが言っていた、
ルザーフの使い魔かもしれないというのは、気にしすぎなのだろうか。
ベアトリスは自分の感が外れたのが気に食わないのか、
レイリアをしばらく見つめた後、少し不貞腐れながら
「あぁ。」とだけ返事をした。
ツヴァートの街に帰ると、宿をとって、休憩をした。
リスバートだけ別の部屋で、
私とベアトリス、レイリアが同じ部屋だ。
とはいえ、ベアトリスはすぐに外へ出ていってしまい、
私とレイリアだけが残された。
私は、沈黙を埋めるため、あのことを聞いてみることにした。
「そういえば、私も気になっていたんだけど、
どうしてあの洞窟にいたのか聞いてもいい?」
私はベアトリスと違い、優しくレイリアに尋ねた。
「私、家がないって言ったでしょ?
人間のお金を持ってないから、
泊まる場所もなくて・・・。
洞窟を見つけては、そこで寝泊まりしていたの。」
そして、良い洞窟を見つけたと思ったら、洞窟の奥であの悪魔に出くわしてしまい、
謝って出ていこうとしたが、執拗に追い掛け回されてしまったらしい。
敵も、既に断章を一つ私たちに奪われたことに気付いていたのだろうか。
ルザーフの使い魔も断章を奪われまいと躍起になっているみたいだ。
そんな時に、少女とはいえ断章の洞窟に立ち入るものがあれば、
排除もしたくなるに違いない。
レイリアも、タイミングの悪いときに迷い込んでしまったものだ。
言われてみれば、確かに、
私たちが洞窟の外へ退避したときもカマキリ型の悪魔は執拗に追い回してきた。
だからこそ、空からの奇襲攻撃に成功したわけだが・・・。
そして、その後、私は衝撃的な事実を聞いてしまった。
「私の母の名前は、ロスタートといいます。
つい先日、ようやく母のいるこの世界に来れたので、
母に会いに行く途中なんです。」
私は言葉を失った。
少女にどう言えばいいのだろう。
彼女の母親のロスタートが、あの十邪星のロスタートと同一なのだとしたら、
それを葬ってしまったのは、私だ。
「ロスタートって、十邪星の?」
私は恐る恐る聞いてみた。
少女は顔を輝かせて頷く。
まさか、ロスタートに娘がいただなんて・・・。
「母を知っているんですか?」
今までで一番うれしそうな声で少女が言う。
私は、ますますロスタートのことを話すわけにはいかなくなった。
「えぇ・・、人間達も十邪星のことは昔話でよく知ってるわ・・・。」
私は、当たり障りのない話をしてごまかした。
少女はもっと具体的な話を期待していたのだろう。
私の期待外れの言葉に心底がっかりしているようだ。
どうしよう・・・。
旅を続けていれば、
やがてロスタートを倒したフルトにも立ち寄ることになるかもしれない。
そのとき、ロスタートを倒した聖女様とでも呼ばれようものなら、
知られたくない真実が、彼女の耳に入ってしまうかもしれない。
フルトではガイツの石像が建つという話もしていたから、
私とガイツがロスタートを倒したことはフルトの街中に広まっていることだろう。
私は、その後レイリアとの話に身が入らず、
早々に切り上げて、ベッドに倒れ込んだ。
凄くまずいことになってしまった・・・。
その上に光る金属片があった。
ベアトリスが金属片をつまみ上げると、
それは光を失った。1つ目の断章とあまり大きさも形も変わりなく見える。
「これで2個目だな。」
ベアトリスは断章をそのまま私に手渡した。
私は念のため、レイリアに見られないうちに皮袋にしまい込んだ。
少し遅れて、レイリアとリスバートがやってくる。
「用事がすんだら、街へ戻ろうか。」
リスバートは、あえてなのか分からないが、
断章という言葉を使わなかった。
レイリアからの反応は特にないようだ。
彼女は、汚れたり傷ついた服が気になるのか、
私達の行動よりも、自分の服に関心があるようだった。
やっぱり、ベアトリスが言っていた、
ルザーフの使い魔かもしれないというのは、気にしすぎなのだろうか。
ベアトリスは自分の感が外れたのが気に食わないのか、
レイリアをしばらく見つめた後、少し不貞腐れながら
「あぁ。」とだけ返事をした。
ツヴァートの街に帰ると、宿をとって、休憩をした。
リスバートだけ別の部屋で、
私とベアトリス、レイリアが同じ部屋だ。
とはいえ、ベアトリスはすぐに外へ出ていってしまい、
私とレイリアだけが残された。
私は、沈黙を埋めるため、あのことを聞いてみることにした。
「そういえば、私も気になっていたんだけど、
どうしてあの洞窟にいたのか聞いてもいい?」
私はベアトリスと違い、優しくレイリアに尋ねた。
「私、家がないって言ったでしょ?
人間のお金を持ってないから、
泊まる場所もなくて・・・。
洞窟を見つけては、そこで寝泊まりしていたの。」
そして、良い洞窟を見つけたと思ったら、洞窟の奥であの悪魔に出くわしてしまい、
謝って出ていこうとしたが、執拗に追い掛け回されてしまったらしい。
敵も、既に断章を一つ私たちに奪われたことに気付いていたのだろうか。
ルザーフの使い魔も断章を奪われまいと躍起になっているみたいだ。
そんな時に、少女とはいえ断章の洞窟に立ち入るものがあれば、
排除もしたくなるに違いない。
レイリアも、タイミングの悪いときに迷い込んでしまったものだ。
言われてみれば、確かに、
私たちが洞窟の外へ退避したときもカマキリ型の悪魔は執拗に追い回してきた。
だからこそ、空からの奇襲攻撃に成功したわけだが・・・。
そして、その後、私は衝撃的な事実を聞いてしまった。
「私の母の名前は、ロスタートといいます。
つい先日、ようやく母のいるこの世界に来れたので、
母に会いに行く途中なんです。」
私は言葉を失った。
少女にどう言えばいいのだろう。
彼女の母親のロスタートが、あの十邪星のロスタートと同一なのだとしたら、
それを葬ってしまったのは、私だ。
「ロスタートって、十邪星の?」
私は恐る恐る聞いてみた。
少女は顔を輝かせて頷く。
まさか、ロスタートに娘がいただなんて・・・。
「母を知っているんですか?」
今までで一番うれしそうな声で少女が言う。
私は、ますますロスタートのことを話すわけにはいかなくなった。
「えぇ・・、人間達も十邪星のことは昔話でよく知ってるわ・・・。」
私は、当たり障りのない話をしてごまかした。
少女はもっと具体的な話を期待していたのだろう。
私の期待外れの言葉に心底がっかりしているようだ。
どうしよう・・・。
旅を続けていれば、
やがてロスタートを倒したフルトにも立ち寄ることになるかもしれない。
そのとき、ロスタートを倒した聖女様とでも呼ばれようものなら、
知られたくない真実が、彼女の耳に入ってしまうかもしれない。
フルトではガイツの石像が建つという話もしていたから、
私とガイツがロスタートを倒したことはフルトの街中に広まっていることだろう。
私は、その後レイリアとの話に身が入らず、
早々に切り上げて、ベッドに倒れ込んだ。
凄くまずいことになってしまった・・・。
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