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第一章 未来異星世界
029 未来異星世界の危機と依頼
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「世界が、滅ぶ?」
「そう。君達がこの時代この星を訪れるに至った元凶。時空間転移システムが暴走していることは知っているはずだ」
確認するように視線を向けてきたメタに、マグ達は戸惑いながら頷いた。
もっとも、マグ自身はそのおかげで死の淵から引き上げられたこともあり、今のところ元凶などと悪し様に言う程の悪感情は持っていなかったが。
「……それと世界の滅びに関係が?」
「うん。そもそも時空間転移システムというものはね。実のところ、物体を転移させる目的で作られた訳じゃないんだ。その機能はあくまで付随的なものさ」
問いに対する直接的な返答ではないが、恐らく前提として必要な情報なのだろう。
マグは続く言葉を黙って待った。
「本来それは、宇宙の種とでも言うべき特殊なエネルギー、原炎を異次元から取り出すためのもの。その際に時空に穴が開くことを利用して転移に応用していたんだ」
「原炎……」
超越現象の源。魔法における魔力のようなもの。
クリルからはそう聞いていたが、メタが説明した内容がそれの本質らしい。
「まあ、超文明の技術を失った私達には正確なところは分からないのだけどね」
少しバツが悪そうに苦笑いをするメタ。
文明の後退によって半ばオーパーツ化してしまっている訳だ。
「出土品や私達機人の動力であり、遺伝子操作や再構成によって超越現象を発現させるに至った者の力の根源。それ以上のことは、他の街で研究中だ」
彼女は言い訳するようにそうつけ加えると、表情を引き締め直してから続ける。
「重要なのは時空間転移を利用して植民した記録の残る惑星がいくつも爆発、消滅したこと。徐々にその規模が大きくなっていること。多量の原炎が観測されたこと」
一本。二本。三本とメタが指を立てる。
つまるところ、今までの話を総合すると――。
「時空間転移システムの暴走が原因でそうなっている、ということですか」
「うん。だから、時空間転移システムの暴走をとめなければならない。ただ、かの装置のこの星におけるコアユニットの場所が分からないんだよね」
メタは更に「近くに端末はあるんだけど操作できないし」とつけ加えた。
マグ達はその端末とやらに引き寄せられ、あそこに出現したのだろう。
「……そこまでは理解しましたが、結局それと私達に何の関係があるのですか?」
敵意の赤ではないが、警戒の黄色にディスプレイを染めて結論を急かすアテラ。
対してメタはマグ、アテラと順に真っ直ぐ目を合わせてから口を開く。
「二人には超文明の遺跡を探索して、コアユニットの場所を突きとめて欲しいんだ」
話の流れ的に途中から薄々予想できたが、それが呼び出しの用件だったようだ。
「勿論、君達にだけお願いしていることじゃない。何せ世界の危機だからね。多くの者がそのために遺跡を探索している。君達もそこに加わって欲しいということさ」
「…………ですが、それは危険ではないのですか?」
「危険だとも。簡易適性試験の機獣のようなガードロボットがうようよいるからね」
その返答で最も需要があるのが戦闘系の能力だという話を思い出し、合点がいく。
状況を考えれば、そうなるのも当然だ。理解できる。
だからと即座に彼女の要求を受け入れられる訳ではないが。しかし……。
「けれど、世界が滅びてしまったら危険も何もないだろう?」
そんなことを言われると断り辛くなってしまう。
「どうかな?」
だからメタの答えを促すような問いかけに、マグは思わず口を噤んでしまった。
「そう。君達がこの時代この星を訪れるに至った元凶。時空間転移システムが暴走していることは知っているはずだ」
確認するように視線を向けてきたメタに、マグ達は戸惑いながら頷いた。
もっとも、マグ自身はそのおかげで死の淵から引き上げられたこともあり、今のところ元凶などと悪し様に言う程の悪感情は持っていなかったが。
「……それと世界の滅びに関係が?」
「うん。そもそも時空間転移システムというものはね。実のところ、物体を転移させる目的で作られた訳じゃないんだ。その機能はあくまで付随的なものさ」
問いに対する直接的な返答ではないが、恐らく前提として必要な情報なのだろう。
マグは続く言葉を黙って待った。
「本来それは、宇宙の種とでも言うべき特殊なエネルギー、原炎を異次元から取り出すためのもの。その際に時空に穴が開くことを利用して転移に応用していたんだ」
「原炎……」
超越現象の源。魔法における魔力のようなもの。
クリルからはそう聞いていたが、メタが説明した内容がそれの本質らしい。
「まあ、超文明の技術を失った私達には正確なところは分からないのだけどね」
少しバツが悪そうに苦笑いをするメタ。
文明の後退によって半ばオーパーツ化してしまっている訳だ。
「出土品や私達機人の動力であり、遺伝子操作や再構成によって超越現象を発現させるに至った者の力の根源。それ以上のことは、他の街で研究中だ」
彼女は言い訳するようにそうつけ加えると、表情を引き締め直してから続ける。
「重要なのは時空間転移を利用して植民した記録の残る惑星がいくつも爆発、消滅したこと。徐々にその規模が大きくなっていること。多量の原炎が観測されたこと」
一本。二本。三本とメタが指を立てる。
つまるところ、今までの話を総合すると――。
「時空間転移システムの暴走が原因でそうなっている、ということですか」
「うん。だから、時空間転移システムの暴走をとめなければならない。ただ、かの装置のこの星におけるコアユニットの場所が分からないんだよね」
メタは更に「近くに端末はあるんだけど操作できないし」とつけ加えた。
マグ達はその端末とやらに引き寄せられ、あそこに出現したのだろう。
「……そこまでは理解しましたが、結局それと私達に何の関係があるのですか?」
敵意の赤ではないが、警戒の黄色にディスプレイを染めて結論を急かすアテラ。
対してメタはマグ、アテラと順に真っ直ぐ目を合わせてから口を開く。
「二人には超文明の遺跡を探索して、コアユニットの場所を突きとめて欲しいんだ」
話の流れ的に途中から薄々予想できたが、それが呼び出しの用件だったようだ。
「勿論、君達にだけお願いしていることじゃない。何せ世界の危機だからね。多くの者がそのために遺跡を探索している。君達もそこに加わって欲しいということさ」
「…………ですが、それは危険ではないのですか?」
「危険だとも。簡易適性試験の機獣のようなガードロボットがうようよいるからね」
その返答で最も需要があるのが戦闘系の能力だという話を思い出し、合点がいく。
状況を考えれば、そうなるのも当然だ。理解できる。
だからと即座に彼女の要求を受け入れられる訳ではないが。しかし……。
「けれど、世界が滅びてしまったら危険も何もないだろう?」
そんなことを言われると断り辛くなってしまう。
「どうかな?」
だからメタの答えを促すような問いかけに、マグは思わず口を噤んでしまった。
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