ガラスの世代

確定した命運

おれが知っている
連中でも
立身出世を
夢見ながらも
あえなくその夢を
果たすこと無く
無名のままで
終わってしまうことが
確定して
しまった
人たちが
たくさんいる

たとえ
その人が
死んだとしても
新聞記事にも
ならなければ
その死を
惜しむ声も
挙がらなければ
顧みる人も
ほとんどいない

それが運命だ

おれがもしも
ミュージシャンに
なることに
こだわっていたら
そんな連中と
同じ運命を
たどっていただろう

もう既に
この後の
運命が
決まってしまった
人たちが
世の中には
たくさんいる
そんな人たちの方が
世間では
ほとんど
なのかもしれない

しかし
おれはまだだ

まだ運命が
決まった
訳では無い
おれに託された
可能性だけは
まだ残されている

その一方で
夢も希望も
閉ざされてしまった
人たちが
たくさんいる

悪いけど
おれはそんな風には
なりたくない

片方で
運が悪い奴もいれば
もう片方で
運が良い奴もいる

何であれ
全ては運に
かかっている