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第1話 最弱召喚
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俺は大学3年生、公務員目指して頑張ってたはずなんだが目の前には中世ヨーロッパを彷彿とさせる様な王宮がそこにはあった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
俺がここに来る前、確か大学の図書館にいた。公務員試験の対策本を探しているときに突然足元が光りだしたんだ。そして気が付くとここにいた。
ちょっとよくわからないんだけど、この状況はいったい何なんだろうか。
「おお、最後の勇者が来たか」は
「へ?あの~誰でしょうか?」
「王様、まずは名乗らないとこの方もなにもわかってないですよ」
「すまんすまん、なにせ5人目となると慣れてきてしまっての」
「慣れてきて?」
「まずはわたくしから、私の名前ドール。この国の王の補佐官をやらせていただいてます」
「それでわしはこの【ベルレルト】という国の王のグリシャス=ロマノフだ」
そう語るこの二人。国王って名乗るぐらいだから異世界なのか?外国だったら大前提として日本語じゃ通じないはずだ。というより俺がわからん。
「それであなたの名前をお聞かせください」
「あ、俺は吉条斗真です」
「斗真様ですね、では今からあなたがなぜここにいるのかの説明をしますね」
補佐官のドールさんが言うには、この世界では今魔物の増加に伴い不安定の状態が続いているようでこのまま放置していくと火山の噴火や嵐の発生、
津波といった自然災害が引き起こされてしまうとのことだ。
ひいては人類では耐えられない数の魔物が増えてしまう可能性も現れるらしい。そこで異世界から勇者として人を召喚して魔物の数を減らして救ってほしい
ということだ。よくありテンプレ展開ってやつだな。
「でも俺なんかで救うことができるんですか?」
「そこは心配することはありません。すでに4人の勇者様方は神からの恩恵を授かっております。なので召喚された斗真様にもその恩恵による力が備わるはずです」
いわゆるチート能力が備わるってことかな。確かに日本にいたころの能力のまま戦えって言われても困るしな。
「それではこの水晶に触れてください」
「これはなんですか?」
「これは触れた対象の能力を照らし出すものです」
すごいハイテクな機能だな、さすが異世界というかなんというか。とりあえず手をかざしてみよう。
名前:吉条斗真
レベル:1
職業:テイマー
従魔:スライム【名無し】
従魔能力:不明
スキル:従魔鼓舞(低級)
「テイマー?しかもスライム?」
スライムって言ったらあの異世界ではテンプレのあのスライムか?レベルは仕方ないけどスキルが鼓舞だけ。というかこれって
「なんていうことだ、」
「えっとこれはどういうことですか?」
「私が聞きたいぐらいだ。なぜ貴様のステータスはこんなにも低いのだ」
もう名前すら呼ばなくなって貴様になってる。いくら何でもあからさますぎるでしょ。
「しかしほかの人先に来ているって言ってませんでしか?」
「ああ、確かに言った。だが私が説明するより直接見てもらったほうがはやいようだ」
そういうや否や後ろから4人ほど人がやってきた。その装飾日は煌びやかで華やかだ。
「そのかたが最後の勇者ですか?」
「いや、これはただのくずです。全く強くない。それで勇者様方にステータスをこの男に見せつけてほしいのです」
「そういうことね誰が行く?」
「ここは俺が行く。この中じゃ一番いい成績だったからな」
一人の金髪の男がさっき触れた水晶に手をかざす。
名前:翠明彰
レベル:1
職業:魔剣士
スキル:剣術【極】 敏捷向上 回避術 神の加護
「これが俺のステータスだ。どうだ、本物の勇者のステータスを見た感想は?」
男はあざ笑うかのようにそう言う。しかしぐうの音も出ないとはまさにこのこと、レベルは一律に1とはいえスキルが俺のとは明らかに違うのはわかった。
「極スキルはこの世界じゃあ最高レアリティなんだそうだ。まあ勇者として召喚されたんだ、当然のことだけどな」
「しかしあなたのステータス、ドールさんに聞いたけど全然強くないわね。本当にひどいわ」
「本当にあなたじゃなくてよかったわ」
「ああ、ちゃんと神様からの恩恵を授かれたのは大きかったぜ」
俺よりも先に召喚されたであろう4人が口々にそんなことを言い始める。俺のことを馬鹿にするように。
「まあ、気にすることはないさ。君の分は俺たち4人の勇者が頑張るだけさ。君がいても正直邪魔なだけだし」
反論したいが俺にはそれをするだけの資格、ステータスがない。おとなしく聞くことしかできない。
「そういうわけだ。頼むが速やかにここを出てくれないか?」
「なぜだ?俺が必要ないのなら元の世界に送り返せばいいじゃないか」
「それはできない」
「はあ!?」
ドールはそんなことを言ってきやがった。なんて無責任なことを。
「今回勇者たちに使った召喚魔法は一通で送り返すなんてできない。悪いが君にはこの世界で生きてもらうしかない」
「なんでだよ!」
「うるさいの。ドール、速やかにそのくずをこの王宮から出せ」
「かしこまりました、おい、兵士たち」
ドールが声をかけると近くで立っていた2人の兵士たちが俺のもとに近づき腕を取り始めた。
「おい、やめろ。くそ!はなせよ!お前ら!!絶対に見返してやるからな!!」
俺はこんな不条理な状況でただ、ただ叫ぶだけだった。
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俺がここに来る前、確か大学の図書館にいた。公務員試験の対策本を探しているときに突然足元が光りだしたんだ。そして気が付くとここにいた。
ちょっとよくわからないんだけど、この状況はいったい何なんだろうか。
「おお、最後の勇者が来たか」は
「へ?あの~誰でしょうか?」
「王様、まずは名乗らないとこの方もなにもわかってないですよ」
「すまんすまん、なにせ5人目となると慣れてきてしまっての」
「慣れてきて?」
「まずはわたくしから、私の名前ドール。この国の王の補佐官をやらせていただいてます」
「それでわしはこの【ベルレルト】という国の王のグリシャス=ロマノフだ」
そう語るこの二人。国王って名乗るぐらいだから異世界なのか?外国だったら大前提として日本語じゃ通じないはずだ。というより俺がわからん。
「それであなたの名前をお聞かせください」
「あ、俺は吉条斗真です」
「斗真様ですね、では今からあなたがなぜここにいるのかの説明をしますね」
補佐官のドールさんが言うには、この世界では今魔物の増加に伴い不安定の状態が続いているようでこのまま放置していくと火山の噴火や嵐の発生、
津波といった自然災害が引き起こされてしまうとのことだ。
ひいては人類では耐えられない数の魔物が増えてしまう可能性も現れるらしい。そこで異世界から勇者として人を召喚して魔物の数を減らして救ってほしい
ということだ。よくありテンプレ展開ってやつだな。
「でも俺なんかで救うことができるんですか?」
「そこは心配することはありません。すでに4人の勇者様方は神からの恩恵を授かっております。なので召喚された斗真様にもその恩恵による力が備わるはずです」
いわゆるチート能力が備わるってことかな。確かに日本にいたころの能力のまま戦えって言われても困るしな。
「それではこの水晶に触れてください」
「これはなんですか?」
「これは触れた対象の能力を照らし出すものです」
すごいハイテクな機能だな、さすが異世界というかなんというか。とりあえず手をかざしてみよう。
名前:吉条斗真
レベル:1
職業:テイマー
従魔:スライム【名無し】
従魔能力:不明
スキル:従魔鼓舞(低級)
「テイマー?しかもスライム?」
スライムって言ったらあの異世界ではテンプレのあのスライムか?レベルは仕方ないけどスキルが鼓舞だけ。というかこれって
「なんていうことだ、」
「えっとこれはどういうことですか?」
「私が聞きたいぐらいだ。なぜ貴様のステータスはこんなにも低いのだ」
もう名前すら呼ばなくなって貴様になってる。いくら何でもあからさますぎるでしょ。
「しかしほかの人先に来ているって言ってませんでしか?」
「ああ、確かに言った。だが私が説明するより直接見てもらったほうがはやいようだ」
そういうや否や後ろから4人ほど人がやってきた。その装飾日は煌びやかで華やかだ。
「そのかたが最後の勇者ですか?」
「いや、これはただのくずです。全く強くない。それで勇者様方にステータスをこの男に見せつけてほしいのです」
「そういうことね誰が行く?」
「ここは俺が行く。この中じゃ一番いい成績だったからな」
一人の金髪の男がさっき触れた水晶に手をかざす。
名前:翠明彰
レベル:1
職業:魔剣士
スキル:剣術【極】 敏捷向上 回避術 神の加護
「これが俺のステータスだ。どうだ、本物の勇者のステータスを見た感想は?」
男はあざ笑うかのようにそう言う。しかしぐうの音も出ないとはまさにこのこと、レベルは一律に1とはいえスキルが俺のとは明らかに違うのはわかった。
「極スキルはこの世界じゃあ最高レアリティなんだそうだ。まあ勇者として召喚されたんだ、当然のことだけどな」
「しかしあなたのステータス、ドールさんに聞いたけど全然強くないわね。本当にひどいわ」
「本当にあなたじゃなくてよかったわ」
「ああ、ちゃんと神様からの恩恵を授かれたのは大きかったぜ」
俺よりも先に召喚されたであろう4人が口々にそんなことを言い始める。俺のことを馬鹿にするように。
「まあ、気にすることはないさ。君の分は俺たち4人の勇者が頑張るだけさ。君がいても正直邪魔なだけだし」
反論したいが俺にはそれをするだけの資格、ステータスがない。おとなしく聞くことしかできない。
「そういうわけだ。頼むが速やかにここを出てくれないか?」
「なぜだ?俺が必要ないのなら元の世界に送り返せばいいじゃないか」
「それはできない」
「はあ!?」
ドールはそんなことを言ってきやがった。なんて無責任なことを。
「今回勇者たちに使った召喚魔法は一通で送り返すなんてできない。悪いが君にはこの世界で生きてもらうしかない」
「なんでだよ!」
「うるさいの。ドール、速やかにそのくずをこの王宮から出せ」
「かしこまりました、おい、兵士たち」
ドールが声をかけると近くで立っていた2人の兵士たちが俺のもとに近づき腕を取り始めた。
「おい、やめろ。くそ!はなせよ!お前ら!!絶対に見返してやるからな!!」
俺はこんな不条理な状況でただ、ただ叫ぶだけだった。
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