上 下
9 / 40
アステリア編

第8話仲間の証

しおりを挟む
俺たち『レデスト』が結成してからは、クエストの説明だった。

クエストは大きく分けて四つ、採集、討伐、護衛、調査から成り、場合によっては緊急クエストや昇格チャレンジクエストなどもある。

最初は採集が多く次第に討伐などになる。ここのギルドは大きい方なので、A級まで常設されている。

 「冒険者ランクは統一してFからです。」

これはランクで絡んでくる人たちと問題にならないようにした措置だ。

 「わかりました。」

 「パーティーの恩恵についてですが、経験値分配というのがありまして、基本的に貢献度に合わせてどんどん下がっていく方式です。報酬に関してはパーティー内の相談可能です。あと、パーティーランクというのがありまして、これは冒険者のランクの平均値で出されます。」

つまり俺たちはFランクか。

 「ただし、クエストのクリア状況によっては上がることもあります。」

主に緊急クエストや高難度討伐クエストや迷宮踏破などらしい。

 「これにて説明は以上になります。この後クエストの予定はありますか?」

 「いや、このあとは一度戻ります。」

俺たちは登録が完了したら戻ってきて欲しいと言われた。理由は聞かされなかっただけに気になる。

 「それでは今後ともよろしくお願いします。」

そして俺たちはギルドを後にして王宮へ戻ろうとしたが、

 「私パーティーの証みたいなものが欲しいです。」

ルナが突然聞いてきた。でも俺もなんかわかる。チームとか組んだ時そういうのある所は結束力強いしな。

 「ここでなんか見にいくか。」

防具屋だ。やはりアクセサリー系が一番しっくりくると思う。プルムもルナも賛成した。

ひとまず見て回る。すると目に付いたものがあった。

 「30分くらい待ってくれないか?」

 「良いですけど、なんかありましたか?」

 「それは後のお楽しみという事で。」

30分間俺たちは色々見ていた。そこで俺が、「この銀のペンダントルナと同じ髪色で可愛いな。」と呟いたとたんルナがそれを取って、俺の腕を掴んで店主まで行った。そして何故か俺の魔力を少し取られた。なんだと思ったら、なんとそのペンダントに探知性能をつけたそうだ。本人曰く、「フミヤさんから離れたくありませんからね。」と、多分探知用に俺の魔力を使ったんだろう。

そうして店主から「ご希望の品できたぜ!」と言われて俺たちはすぐに向かった。

 「おーできてる。」

俺が頼んだのは帽子と……

 「ルナにはこれを」

俺はルナの髪にカチューシャをつけた。

 「これは……しかもフミヤさんの帽子と同じ色。」

俺はこの『レデスト』の黒基調の金と銀色にしようと帽子とカチューシャにその色で頼んだ。これには色々付与をつけた。カチューシャには状態異常無効や魔法防壁をつけた。

 「あと俺の帽子は戦闘中プルムにかぶってもらうからね。」

戦闘中はプルムが危ないと思い、付与を物理耐性や魔法耐性の防御系をつけた。プルムも今や俺の頭ぐらいあるのだ。

 「ありがとうございます、ご主人様。」

うん、喜んでくれている。プルムには基本装備つけられないしこれなら良いだろう。通常なら俺がいるし。

俺たちは『仲間の証』を手に入れて王宮に戻るのだった。

--------------------------------------
Inエルナド

 「すごい子達が現れたね。」

 「あ、ギルドマスター。さすがヴィットリーさんの娘さんですよね。魔力量がすでに賢者クラスまでありますよ。」

 「たしかにあの娘もすごかったが、もう1人の彼は規格外だ。」

 「え、でも魔力量はルナリス様の方が多いですよ。」

 「あの子の本質に気づいたのは俺と副マスターぐらいだろう。わからなくても仕方ない。」

たしかに見た目はただの少年。だが魔力の質が違いすぎる。それに本来上位個体はテイムではなく召喚になるんだがな。

 「彼らは大物になる。注意をしておけ。」

「わかりました。」

念のため警戒させとかないと。ルナリスはまだしも彼は名も知れぬ少年。問題が起きないとは思えない。だれか1人は突っかかるかもしれない。


僕たちはそのためにここにいるのだ。いづれ満開の桜を咲かせる芽を潰させはしない。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界転移で無双したいっ!

朝食ダンゴ
ファンタジー
交通事故で命を落とした高校生・伊勢海人は、気が付くと一面が灰色の世界に立っていた。 目の前には絶世の美少女の女神。 異世界転生のテンプレ展開を喜ぶカイトであったが、転生時の特典・チートについて尋ねるカイトに対して、女神は「そんなものはない」と冷たく言い放つのだった。 気が付くと、人間と兵士と魔獣が入り乱れ、矢と魔法が飛び交う戦場のど真ん中にいた。 呆然と立ち尽くすカイトだったが、ひどい息苦しさを覚えてその場に倒れこんでしまう。 チート能力が無いのみならず、異世界の魔力の根源である「マナ」への耐性が全く持たないことから、空気すらカイトにとっては猛毒だったのだ。 かろうじて人間軍に助けられ、「マナ」を中和してくれる「耐魔のタリスマン」を渡されるカイトであったが、その素性の怪しさから投獄されてしまう。 当初は楽観的なカイトであったが、現実を知るにつれて徐々に絶望に染まっていくのだった。 果たしてカイトはこの世界を生き延び、そして何かを成し遂げることができるのだろうか。 異世界チート無双へのアンチテーゼ。 異世界に甘えるな。 自己を変革せよ。 チートなし。テンプレなし。 異世界転移の常識を覆す問題作。 ――この世界で生きる意味を、手に入れることができるか。 ※この作品は「ノベルアップ+」で先行配信しています。 ※あらすじは「かぴばーれ!」さまのレビューから拝借いたしました。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

悠々自適な転生冒険者ライフ ~実力がバレると面倒だから周りのみんなにはナイショです~

こばやん2号
ファンタジー
とある大学に通う22歳の大学生である日比野秋雨は、通学途中にある工事現場の事故に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。 それを不憫に思った女神が、異世界で生き返る権利と異世界転生定番のチート能力を与えてくれた。 かつて生きていた世界で趣味で読んでいた小説の知識から、自分の実力がバレてしまうと面倒事に巻き込まれると思った彼は、自身の実力を隠したまま自由気ままな冒険者をすることにした。 果たして彼の二度目の人生はうまくいくのか? そして彼は自分の実力を隠したまま平和な異世界生活をおくれるのか!? ※この作品はアルファポリス、小説家になろうの両サイトで同時配信しております。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

選ばれたのはケモナーでした

竹端景
ファンタジー
 魔法やスキルが当たり前に使われる世界。その世界でも異質な才能は神と同格であった。  この世で一番目にするものはなんだろうか?文字?人?動物?いや、それらを構成している『円』と『線』に気づいている人はどのくらいいるだろうか。  円と線の神から、彼が管理する星へと転生することになった一つの魂。記憶はないが、知識と、神に匹敵する一つの号を掲げて、世界を一つの言葉に染め上げる。 『みんなまとめてフルモッフ』 これは、ケモナーな神(見た目棒人間)と知識とかなり天然な少年の物語。  神と同格なケモナーが色んな人と仲良く、やりたいことをやっていくお話。 ※ほぼ毎日、更新しています。ちらりとのぞいてみてください。

おおぅ、神よ……ここからってマジですか?

夢限
ファンタジー
 俺こと高良雄星は39歳の一見すると普通の日本人だったが、実際は違った。  人見知りやトラウマなどが原因で、友人も恋人もいない、孤独だった。  そんな俺は、突如病に倒れ死亡。  次に気が付いたときそこには神様がいた。  どうやら、異世界転生ができるらしい。  よーし、今度こそまっとうに生きてやるぞー。  ……なんて、思っていた時が、ありました。  なんで、奴隷スタートなんだよ。  最底辺過ぎる。  そんな俺の新たな人生が始まったわけだが、問題があった。  それは、新たな俺には名前がない。  そこで、知っている人に聞きに行ったり、復讐したり。  それから、旅に出て生涯の友と出会い、恩を返したりと。  まぁ、いろいろやってみようと思う。  これは、そんな俺の新たな人生の物語だ。

退屈な人生を歩んでいたおっさんが異世界に飛ばされるも無自覚チートで無双しながらネットショッピングしたり奴隷を買ったりする話

菊池 快晴
ファンタジー
無難に生きて、真面目に勉強して、最悪なブラック企業に就職した男、君内志賀(45歳)。 そんな人生を歩んできたおっさんだったが、異世界に転生してチートを授かる。 超成熟、四大魔法、召喚術、剣術、魔力、どれをとっても異世界最高峰。 極めつけは異世界にいながら元の世界の『ネットショッピング』まで。 生真面目で不器用、そんなおっさんが、奴隷幼女を即購入!? これは、無自覚チートで無双する真面目なおっさんが、元の世界のネットショッピングを楽しみつつ、奴隷少女と異世界をマイペースに旅するほんわか物語です。

平凡冒険者のスローライフ

上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。 平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。 果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか…… ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

処理中です...