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第11章 テイマーの街
第187話 闘技場のカリスマ
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「それでは本日最後の試合となります。ゼノン対ザークの試合でございます。最後の試合も目一杯盛り上がっていきましょう!!」
闘技場のリングアナウンサーが観客を煽り、それに応えるように満員の観客席から大声が湧き上がる。さっきのダルトンさんの試合もこれ以上ないと言えるぐらいの盛り上がりだったが、やはりゼノンさんとなるとまた1段階あがってしまうようだ。
「悔しいが、今年も1番の注目はゼノンだな。決勝でもないのにこれだけ盛り上がることは近年でもなかなかない」
「ダルトンさん、それだけ注目度合いが違うのでしょうか?」
「ただ強いだけじゃない、ある種カリスマという要素も今までの闘士の中でも抜きん出ているからな。実力があるだけじゃない、観客の煽り方や魅せ方、パフォーマンスという部分においても歴代トップだろうな」
確かに、最初のバトルロワイヤル形式の試合の時もゼノンさんは余裕という理由もあったかもしれないが時折相手選手ではなく、観客席側にもアピールをしていた。
「あいつがこの闘技場でトップになってからもう何年も経っているが、まだまだあの人気は加速するだろうな。最近は他の都市からも観に来る人も多いみたいだしな」
「そうなんですか?確かにすごい見応えがある試合をしますが」
「とは言っても半分は国家関係者で、なんとか軍に取り込みたいって輩も少なくないけどな。純粋な気持ちで見にきている奴はどれだけいるのやら」
確かにゼノンさんの実力が高いのは、前のバトルロワイヤルの試合を見ても十分わかる。それに余裕なそぶりを見せいたことを考えれば、まだまだこんなものではないのだろう。
対人と対魔物では求められるものは違ってくるが、それでも今まで見てきた中、特に魔王幹部クラスにも匹敵しうる。それだけゼノンさんの力や魔力は違う。
「ゼノンさんはそういう勧誘には乗らないんですかね?多々刈ることが大好きそうですし、参加していてもおかしくないですけど」
「本人曰く『魔物を戦うのは性に合わん。やつらはただただ人間を食うことにしか興味ないからのう』だと、ゼノンとしてはバチバチな戦いが好みらしい」
なるほど、純粋なスポーツマンみたいな考え方だな。ビジネスとかを考えれば参加する方が何かとメリットがあるが。
「でもそういうところがゼノンさんらしいですし、そういうところに惹かれる人が多いんだと思います」
「そうだな、と話しているうちもう始まりそうだな」
中央の方に視線を向けると、すでにゼノンさんと対戦相手であるザークと呼ばれた男性と握手していた。ザークは右腰に短剣を携えている。
「剣士、にしてはかなり剣が短いですよね」
「おそらく機動力を活かす魔法剣士といったところかもしれないな。去年の大会にいたか記憶にないから断言はできないが」
この世界に来てから多くの剣士を見てきたが、短剣をメインに扱う人は初めて見る。ほとんどの剣士はスピードタイプでも一般的な長い剣を使っていた。
一体どんな戦術を見せるのか純粋に楽しみだし、それに対してゼノンさんがどう対応するのかも気になる。武器は何も持ってないから体術メインで応戦するのだろう。
「それでは、はじめ!!」
試合開始の合図と同時にザークは一直線にゼノンさんに急接近した。その速さは、アイシャさんにも匹敵するのではないかと思うほどである。
そして短剣を突き立てるが、ゼノンさんはあっさりと短剣を蹴りで弾く。
「意外と速いのう、少しは楽しめそうやな」
「これでもまだまだ本気じゃない、速度は全然上げられるぞ」
ザークは短剣を目にも止まらぬ速さで振るう、バトルロワイヤルに出場した選手のレベルではおそらく見切ることすらできないだろう。だが相手はゼノンさんだ、剣が当たるどころか掠る気さえしない。
闘技場のリングアナウンサーが観客を煽り、それに応えるように満員の観客席から大声が湧き上がる。さっきのダルトンさんの試合もこれ以上ないと言えるぐらいの盛り上がりだったが、やはりゼノンさんとなるとまた1段階あがってしまうようだ。
「悔しいが、今年も1番の注目はゼノンだな。決勝でもないのにこれだけ盛り上がることは近年でもなかなかない」
「ダルトンさん、それだけ注目度合いが違うのでしょうか?」
「ただ強いだけじゃない、ある種カリスマという要素も今までの闘士の中でも抜きん出ているからな。実力があるだけじゃない、観客の煽り方や魅せ方、パフォーマンスという部分においても歴代トップだろうな」
確かに、最初のバトルロワイヤル形式の試合の時もゼノンさんは余裕という理由もあったかもしれないが時折相手選手ではなく、観客席側にもアピールをしていた。
「あいつがこの闘技場でトップになってからもう何年も経っているが、まだまだあの人気は加速するだろうな。最近は他の都市からも観に来る人も多いみたいだしな」
「そうなんですか?確かにすごい見応えがある試合をしますが」
「とは言っても半分は国家関係者で、なんとか軍に取り込みたいって輩も少なくないけどな。純粋な気持ちで見にきている奴はどれだけいるのやら」
確かにゼノンさんの実力が高いのは、前のバトルロワイヤルの試合を見ても十分わかる。それに余裕なそぶりを見せいたことを考えれば、まだまだこんなものではないのだろう。
対人と対魔物では求められるものは違ってくるが、それでも今まで見てきた中、特に魔王幹部クラスにも匹敵しうる。それだけゼノンさんの力や魔力は違う。
「ゼノンさんはそういう勧誘には乗らないんですかね?多々刈ることが大好きそうですし、参加していてもおかしくないですけど」
「本人曰く『魔物を戦うのは性に合わん。やつらはただただ人間を食うことにしか興味ないからのう』だと、ゼノンとしてはバチバチな戦いが好みらしい」
なるほど、純粋なスポーツマンみたいな考え方だな。ビジネスとかを考えれば参加する方が何かとメリットがあるが。
「でもそういうところがゼノンさんらしいですし、そういうところに惹かれる人が多いんだと思います」
「そうだな、と話しているうちもう始まりそうだな」
中央の方に視線を向けると、すでにゼノンさんと対戦相手であるザークと呼ばれた男性と握手していた。ザークは右腰に短剣を携えている。
「剣士、にしてはかなり剣が短いですよね」
「おそらく機動力を活かす魔法剣士といったところかもしれないな。去年の大会にいたか記憶にないから断言はできないが」
この世界に来てから多くの剣士を見てきたが、短剣をメインに扱う人は初めて見る。ほとんどの剣士はスピードタイプでも一般的な長い剣を使っていた。
一体どんな戦術を見せるのか純粋に楽しみだし、それに対してゼノンさんがどう対応するのかも気になる。武器は何も持ってないから体術メインで応戦するのだろう。
「それでは、はじめ!!」
試合開始の合図と同時にザークは一直線にゼノンさんに急接近した。その速さは、アイシャさんにも匹敵するのではないかと思うほどである。
そして短剣を突き立てるが、ゼノンさんはあっさりと短剣を蹴りで弾く。
「意外と速いのう、少しは楽しめそうやな」
「これでもまだまだ本気じゃない、速度は全然上げられるぞ」
ザークは短剣を目にも止まらぬ速さで振るう、バトルロワイヤルに出場した選手のレベルではおそらく見切ることすらできないだろう。だが相手はゼノンさんだ、剣が当たるどころか掠る気さえしない。
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