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第10章 新たなる街への旅路編
第142話 うちのスライムがドラゴンを蹂躙するのですが...
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「キュー!」
アクアはブリザードドラゴンの腕を振り払うと、いったん距離をとった。ブリザードドラゴンはアクアを追撃しない。
「グルル」
今の1発で感じ取ったのだ、こいつは侮れない存在だと。ブリザードドラゴンの体内の魔力がどんどん高まっていく。臨戦態勢に入ったようだ。
ブリザードドラゴンは口から氷塊ブレスを吐き出す。大きさは人一人は確実に覆えるほどの大きさ、しかしアクアは正面突破するように氷塊に向かって跳ねた。
「キュー!!」
氷塊はアクアがぶつかったところからきれいにひびが入り簡単に壊れてしまった。しかしブリザードドラゴンはそれを予想していたのかすでに大きな腕を振る準備をしていた。
「氷塊はその準備を隠すための死角としての役目もあったのか」
さすがにそこらのモンスターとは違い、単調な攻撃はせずに2手3手と連続して攻撃をしている。
「だが、アクアもそこらのモンスターとは違うぞ」
アクアは見えてなかったであろうブリザードドラゴンの腕をきれいに避けた。おそらく見えてたのではなく、見てからすぐに動いたんだろう。
「グル!?」
ただのスライムではないと警戒していたブリザードドラゴンは今の攻撃まで避けるのかとうろたえた。
「キュ!!」
アクアは今が勝機と見たのか、今日1番速く、鋭い突進をブリザードドラゴンに食らわせる。鈍い音を出しながらブリザードドラゴンはアクアの突進の威力に耐えられずに倒れてしまう。
固そうな竜燐がいとも簡単に割れてしまい、仲間のブリザードドラゴンの顔色が変わってきた。
「キュー」
アクアは攻撃の手を緩めることなく倒れたブリザードドラゴンの上から特大の溶解液を飛ばした。ブリザードドラゴンはなんとか最後の力を振り絞り氷のブレスを吐く。
「あれ、溶解液ってことは凍るのか?」
アクア、レジェンダリースライムが吐き出す溶解液が超強力なのは知ってるが、さすがにこれは凍らされるのか。
しかし、ブレスを受け続ける溶解液が氷となることはなくブリザードドラゴンに着弾した。あまりの火力になすすべもなくブリザードドラゴンは絶命してしまった。
それに続くようにリーン、テイロがそれぞれの得意な属性、リーンは猛吹雪に負けないぐらいの突風、テイロは土魔法で地面を隆起させてブリザードドラゴンを翻弄する。
そして溶解液をアクアと同じようにブリザードドラゴンに吐き出す。あまりの強力な魔法に動けなくなったブリザードドラゴン達は溶解液をもらってしまい倒された。
「改めてレジェンダリースライムがすごいと思ったな」
「当たり前ですよ、伝承に載るモンスターというのはそれだけ異常な能力を持ってるということですからね」
毎度のことだが、性格に見ため、動きが実力とはかなり印象が違うせいで分からなくなることが多いが本来の実力はこんなものじゃないか。
「なんせ魔王幹部を破ったやつらだもんな」
かなりぎりぎりだったとは言え魔王幹部を倒したのは事実であるからな。その潜在能力は計り知れない。ブリザードドラゴンについてまた今度調べてどのくらいの差があるか確認しておくか。
「ひとまずここの掃除からだな」
アクアを筆頭にミニスライムたちも俺の前にいた。おそらくブリザードドラゴンの死骸の処理だろう。野生のスライムも死骸を食べることが多いらしく、これはそんなスライムの本能が出てきたんだろう。
アクア、リーン、テイロはブリザードドラゴンの解体を行い、ミニスライムは溶解液の影響で飛び散った血の掃除をしていた。血の掃除とは言っても結局その上を通れば吸収して綺麗になっていくから跳ねてるだけだが。
「本当に働き者ですよね。さっきまでブリザードドラゴンの相手をしていたというのに後処理までやるなんて」
「それだけブリザードドラゴンはそこまで強くなかったってことだろうな」
本当に心強い。だけどもしこいつらが歯向かってきたらと考えると背筋が凍ってしまう。それだけの得体のしれないなにかを感じ取ってしまう。
「あ、溶解液が凍らなかったのはなんでだろう。シルわかる?」
「いえ、私にもよくわからないです。そもそも溶解液は凍らないのでしょうか?」
結局わからずじまいとなってしまった。しかもアクアは1匹倒したのに対してリーンとテイロは残りの5匹全て倒しちゃったし。
その後テキパキと掃除をしてくれたアクアたちをねぎらいつつも解体したブリザードドラゴンの部位や魔石などを調べた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
アクアたちレジェンダリースライムの溶解液が凍らなかった理由についてですが、これは吐き出された溶解液の周りに魔力がまとわりついており、その魔力が凍るのを防いだのです。しかしシンジたちは気づかず、またアクアたちも感覚で放っているため判明するのしばらく先になります。
アクアはブリザードドラゴンの腕を振り払うと、いったん距離をとった。ブリザードドラゴンはアクアを追撃しない。
「グルル」
今の1発で感じ取ったのだ、こいつは侮れない存在だと。ブリザードドラゴンの体内の魔力がどんどん高まっていく。臨戦態勢に入ったようだ。
ブリザードドラゴンは口から氷塊ブレスを吐き出す。大きさは人一人は確実に覆えるほどの大きさ、しかしアクアは正面突破するように氷塊に向かって跳ねた。
「キュー!!」
氷塊はアクアがぶつかったところからきれいにひびが入り簡単に壊れてしまった。しかしブリザードドラゴンはそれを予想していたのかすでに大きな腕を振る準備をしていた。
「氷塊はその準備を隠すための死角としての役目もあったのか」
さすがにそこらのモンスターとは違い、単調な攻撃はせずに2手3手と連続して攻撃をしている。
「だが、アクアもそこらのモンスターとは違うぞ」
アクアは見えてなかったであろうブリザードドラゴンの腕をきれいに避けた。おそらく見えてたのではなく、見てからすぐに動いたんだろう。
「グル!?」
ただのスライムではないと警戒していたブリザードドラゴンは今の攻撃まで避けるのかとうろたえた。
「キュ!!」
アクアは今が勝機と見たのか、今日1番速く、鋭い突進をブリザードドラゴンに食らわせる。鈍い音を出しながらブリザードドラゴンはアクアの突進の威力に耐えられずに倒れてしまう。
固そうな竜燐がいとも簡単に割れてしまい、仲間のブリザードドラゴンの顔色が変わってきた。
「キュー」
アクアは攻撃の手を緩めることなく倒れたブリザードドラゴンの上から特大の溶解液を飛ばした。ブリザードドラゴンはなんとか最後の力を振り絞り氷のブレスを吐く。
「あれ、溶解液ってことは凍るのか?」
アクア、レジェンダリースライムが吐き出す溶解液が超強力なのは知ってるが、さすがにこれは凍らされるのか。
しかし、ブレスを受け続ける溶解液が氷となることはなくブリザードドラゴンに着弾した。あまりの火力になすすべもなくブリザードドラゴンは絶命してしまった。
それに続くようにリーン、テイロがそれぞれの得意な属性、リーンは猛吹雪に負けないぐらいの突風、テイロは土魔法で地面を隆起させてブリザードドラゴンを翻弄する。
そして溶解液をアクアと同じようにブリザードドラゴンに吐き出す。あまりの強力な魔法に動けなくなったブリザードドラゴン達は溶解液をもらってしまい倒された。
「改めてレジェンダリースライムがすごいと思ったな」
「当たり前ですよ、伝承に載るモンスターというのはそれだけ異常な能力を持ってるということですからね」
毎度のことだが、性格に見ため、動きが実力とはかなり印象が違うせいで分からなくなることが多いが本来の実力はこんなものじゃないか。
「なんせ魔王幹部を破ったやつらだもんな」
かなりぎりぎりだったとは言え魔王幹部を倒したのは事実であるからな。その潜在能力は計り知れない。ブリザードドラゴンについてまた今度調べてどのくらいの差があるか確認しておくか。
「ひとまずここの掃除からだな」
アクアを筆頭にミニスライムたちも俺の前にいた。おそらくブリザードドラゴンの死骸の処理だろう。野生のスライムも死骸を食べることが多いらしく、これはそんなスライムの本能が出てきたんだろう。
アクア、リーン、テイロはブリザードドラゴンの解体を行い、ミニスライムは溶解液の影響で飛び散った血の掃除をしていた。血の掃除とは言っても結局その上を通れば吸収して綺麗になっていくから跳ねてるだけだが。
「本当に働き者ですよね。さっきまでブリザードドラゴンの相手をしていたというのに後処理までやるなんて」
「それだけブリザードドラゴンはそこまで強くなかったってことだろうな」
本当に心強い。だけどもしこいつらが歯向かってきたらと考えると背筋が凍ってしまう。それだけの得体のしれないなにかを感じ取ってしまう。
「あ、溶解液が凍らなかったのはなんでだろう。シルわかる?」
「いえ、私にもよくわからないです。そもそも溶解液は凍らないのでしょうか?」
結局わからずじまいとなってしまった。しかもアクアは1匹倒したのに対してリーンとテイロは残りの5匹全て倒しちゃったし。
その後テキパキと掃除をしてくれたアクアたちをねぎらいつつも解体したブリザードドラゴンの部位や魔石などを調べた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
アクアたちレジェンダリースライムの溶解液が凍らなかった理由についてですが、これは吐き出された溶解液の周りに魔力がまとわりついており、その魔力が凍るのを防いだのです。しかしシンジたちは気づかず、またアクアたちも感覚で放っているため判明するのしばらく先になります。
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