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第9章 温泉街リリーシア

第117話 まとめられた結果

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 「それじゃあ行こうか。」

筋肉痛に悩まされてから1晩、なんとか筋肉痛はなくなり動ける状態になってたのでギルドに行ってこの前のことについて色々と聞きに行くつもりだ。結局リーンは筋肉痛に効く薬を作ることが出来ず朝からスライムボディに張りがなくちょっとぶにゅぶにゅだ。

 「ピュー...」

 「元気出せって、一応一晩寝たら筋肉痛も回復したしそんなに気にするなよ。」

一応声をかけるもあまり効果が無いようだ。色々と世話になってるからこれぐらい別に気にしなくてもいいのにな。昨日は結局晩御飯とか全部任せちゃったし。アクアも手伝ったらしいけどなんかミスしかなくてリーンにつまみ出されたらしい。リーンががんばって作ってる間テイロになだめられてた。

 「どうなってますかね?魔王幹部にブートたちの処理となかなか大変なことだらけですよね。」

 「うん、全部終わってるといいけど。」

ワーグさん本人も厳しいとは言ってたし最悪今日じゃなくても別の日にまた向かえばいいだけだし。もちろん早いに越したことは無い。今魔王が来てしまえば俺は歯が立たないかもしれない。早くレベルを上げて倒せるぐらいに、みんなを守れるぐらいに強くならないと。

 「王国軍に手を貸すつもりは無いが。」

 「なんかおっしゃいましたか?」

 「いや、急ごう。」

ちいさい呟きを普通に聞かれかけた。早く心持をしっかりしないとな。いつまでも王国に対してぐずぐず考えてる暇はないし義理もない。

~~~~~~~~~~~~~~~

 「すいません、ギルドマスターにようがあるんですけど。」

 「あ、シンジさんのパーティーですね。お話はすでに伺ってます。こちらへどうぞ。」

どうやら俺の用件をわかってたようですぐに案内してくれた。しかも聞きに行ってないあたりもうすべての処理が終わってるのかな?

 「ギルドマスター、シンジさん一行が来ました。」

 「ん、ご苦労。後はこっちでやっとくから戻っておいて。」

 「わかりました。」

受付さんはぺこりとおじぎするとすたすたと部屋を出て行った。

 「とりあえず、君が今日来た理由は先日の件のことだろう?」

 「はい、その様子だと全部終わりましたか?」

 「ああ、昨日は地獄だったよ。これだったら冒険者やってたほうがましとも思ったよ。」

うう、すいません。やっぱり俺のせいだよな。頑張っていたのに俺は筋肉痛だーとか言ってまったくなんもやってなかったのに。

 「気にするな。そもそも君が倒せてなかったら本当にまずいことになってたかもしれない。俺は直接見てないしよくわからないがあの魔石の含有していた魔力量から下手すればこの街を吹き飛ばすんじゃ無いかとも思った。」

 「そんなにやつは強いんですか?」

 「もちろんあいつの戦闘スタイルによるから断言は出来ないがもし慈悲が一切なくその上魔力操作がうまかったらふっ飛ばしててもおかしくない。」

戦闘スタイル、か。確かにあいつは格闘技を主軸にしていたから魔法を使っては無かったが打撃だけでもあれだけ強かった。もし魔法もばしばし撃つやつだったらワーグさんが言ってることも十分当てはまる。

 「ええとあいつの死体に関してはここら数国のなかで管理することになった。君が腐敗作用を抑える措置を施してくれたおかげでかなり順調に進んだ。」

あれはミニスライム達の能力のおかげなんだけどな。とりあえず着ているスライムローブに入ってるミニスライムをなでる。服がぷるぷると震える。

 「後このことに関しては緘口令がしかれた。他のやつには絶対言うなよ。君のことだから無いとは思うが一応釘は刺してもらうな。」

 「はい、もちろんです。」

結果フリースは厳重に保管されることになった。魔石や血液など魔力が関与されてるものに関してはこの後研究が行われるそうだ。

 「そしてブートに関しては辺境地で処刑だ。なるべく人の目に付かないように配慮はした。罪状を合計するとブート2人ぶんの処刑になるが一人しかいないからその分は辺境地の発展のためにブートの全財産から支給することになった。」

もともとブートの全財産は被害者の俺達に支払われることになっていたが俺はべつにお金に困ってないからせめて発展の手助けの足しにしてもらった。

 「最初聞いたときは驚いたけどな。重役の奴らも驚いてたそうだ。」

ブートの金を使うのは嫌だと思った。仮にもらってもどうにかして別の使い方をすると思う。スライムをバカにした相手なんてどうとも思わない。どっかでのたれ死んでも構わない。処刑という言葉には多少驚いたがあいつの行為は俺らを殺そうとしたのと同義。後悔はない。

 「それであとは今回のクエストと魔王幹部の討伐によるランクアップだが、」

そう、これが今回の1番重要なところだ。当初の目的はシルの冒険者ランクを上げることだ。ブートだったりフリースだったりといろんな事件か巻き起こってしまったがシルのランク上げがとにかく聞きたい。

 「シルのランクはDランクだ。」

 「え!?そんなにあがってるんですか?」

シル本人もこの報告に驚きを隠せず声を発してしまった。最低ランクからいきなりDまで上がるとは流石に思わない。

 「そうだねー、やっぱりまずは君という存在が大きいかな。ただの人間ならいいけど君の場合は特殊だしね。申し訳ないけど魔王幹部を倒したリーダーの仲間ってことで手を打ったから大丈夫だよ。」

 「そうですが、」

 「ズルした気分かもしれないがこうしないとまた同じことが起こるかもしれないからね。」

 「っ!?」

ワーグさんは今回の件がブートがランクが低いと俺たちを陥れようとしてたのをしってたのか!?

 「そんなわけでシルはDランクでシンジはBランクね。」

 「え?俺がランクアップするには少なくとも昇格試験を受けないと、」

 「そうなんだけど魔王幹部を倒しちゃってるからね。委員会からも問題ないと言われたし上げといたよ。」

 「そ、そうですか。」

 「これが新しいギルドカードね。Bランクは色が銀色になるんだ。」

今までただの紙だったのが銀で装飾されている。

 「これで終わりかな?わたしはちょっと疲れたから休ませてもらう。このあとはどうするつもり?」

 「シルのランク上げの必要が無くなったので例の都市に向かうつもりです。」

 「そうか、わかった。では陰ながら応援させてもらうよ。」

こうしてリリーシアで起きた緊急クエストおよびフリースの事件は幕を閉じた。
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