105 / 195
第9章 温泉街リリーシア
第104話 いらつき
しおりを挟む
「何か俺に目的があるんですか?」
「いや、特に無い。なるべく君に干渉するなと言われている。」
よかった、やはりあの国王はまだ話のわかる人だった。
「ただ、リド宰相がいなかったな。それが少し不自然だった気が……」
……ピキ、、
「……すまない、何か地雷を踏んでしまったようだね。」
「いえ、お気になさらず。」
いかん、リドという言葉に少し過敏に反応してしまった。こうなった元凶でもある男、だ。
「とりあえず俺がギルドマスターとして話すことはない。だが個人的に聞きたいことが1つある。そこの2人、いや1人と1匹、いや1匹と1匹か?」
!?まさかシルが天使って気づいたのか!?見た目は人間そっくりだが。
「魔力の性質が違うんだ。えーと、シルって言ったね。君は天使だね。」
「はい。」
「しかもただの天使じゃない、『アークエンジェル』ってところかな。」
「アークエンジェル!?」
「はい、シンジ様のスキルによって強くなったときに同時に進化したと思います。」
これがテイムスキルの真骨頂なのか。確かに当初ゴブリンしか倒せなかったけど今ではDランクのモンスターも普通に倒せるようになってきているし。
「そしてそこのハーピーは神鳥種かな。最初は信じられなかったけどね。」
「ピイ♪」
ルーだけはなぜか嬉しそうだ。やっぱ子供と言う感じかな。どうしても能力が高すぎるせいで時々見間違えるけど。
「だからといって特に言うことはない。ただ確認しておきたかった。俺の名前はワーグだ。よろしくな。」
「はい、よろしくお願いします。」
俺たちは部屋を出た後、クエストの依頼完了の報告をしにいった。一日ですべてクリアしたのがなぜか驚かれた。
~~~~~~~~~~
翌日、昨日と同じように朝食をすませてギルドに向かった。向かったんだが、
「なんか、すごい騒いでますね。」
そう、昨日はそれなりだったが今日は本当に騒がしい。なにがあったのかわからないがとりあえず入ろう。
「あ、シンジじゃないか。」
「あ、ヨーグさん!おはようございます。」
入ると、ヨーグさんたちがいた。そしてその中の女性冒険者がまっさきにルーの元に向かい羽を触っていた。ルーは「ピイー♪」と嬉しそうに鳴く。
「これはなにがあったんですか。」
「ああ、実はモンスターの大量出現があったらしくそのための緊急クエストだ。」
「なるほど、そこにヨーグさんたちも参加するんですか?」
「ああ、そのつもりだ。そうだ、シンジたちも参加しないか。」
「え、入れるんですか?」
「緊急クエストだから制限は無い。それに昨日早くランク上げたいって言ってたな。緊急クエストはそれにもってこいなんだ。」
「そうなんですか。シルはどう思う?」
「私はシンジ様が参加されるのであれば断りはしません。」
「そうか、俺たちも参加します。」
「わかった、それじゃあこっちの部屋が召集場所だから着いて来い。」
そういわれ俺たちはヨーグさんの後をついて行く。
キイーーー
「!?お前は!?」
「あ!!あのスライムテイマーか!?」
扉を開けるとそこには温泉にいたあの忌まわしき男がいた。
「おいおい、まじかよ。お前みたいなやつがここに来ていいとおも...おお!」
俺の目の前に立ちはだかり勝手に話し始めるが急に目線と声のトーンが変わった。
「いい女じゃねえか。」
シルに下品な顔をしながら男は声をかけ始める。
「やめろ、」
俺はシルと男の間に立ちはだかりその下品な目を変える。
「シンジ様...」
「お前の女ってのがもったいないよな。こんなスライムテイマーなんかの仲間とはな。」
「おい、ブート。そこまでにしておけ。それにシンジも。」
ヨーグさんが腕で俺とこの男を離す。ヨーグさんはこの男と知り合いなようだ。
「こいつはブート、ランクCの冒険者だ。」
Cか、意外とあるんだな。マロのあの溶解液を普通に避けていたし実力者のようだ。
「そしてこっちはシンジで、冒険者ランクは...」
「ふん、こいつのことはどうでもいい。どうせ覚えたところですぐ死ぬだろうしな。」
「っつ!」
「噛み付くのもいい加減にしろ。それじゃあ俺たちパーティーとシンジたちで動くからそっちはそっちで何とかしてくれ。」
「ああ、そうだな。」
シュン!!
「シンジ!?危ない!」
ブートがいきなり後ろから酒瓶を投げつけてきた。
パシン!
「こいつはありがたくいただくよ。」
後ろ向きのままブートが投げてきた瓶をキャッチする。
「ちっ!せいぜい泣くんじゃねえぞ。」
ブートは怒りに満ちたような顔と声でそう反応した。
「すまないな、一応あれでもかなりの実力者だ。女癖は悪いしいい噂は聞かない。あいつの行動には十分に気をつけてくれよ。」
「ええ、もともとそのつもりです。」
手の骨を鳴らしながら闘志を燃やす。いや本当に腹立った。スライムのことを馬鹿にするはシルのことをあんな下品な目で見やがって。
「それじゃあ、役割についてある程度相談したほうがいいな。」
「そうですね、俺は近接から中距離、シルとルーは中、遠距離です。あとスライムについては臨機応変な対応をすると思います。」
「わかった、俺は近接、こっちのシュリーは魔法の遠距離、ライザも近距離、タンク役だ。」
「わかりました。」
クエスト開始時刻まで作戦会議を行っていた。
「いや、特に無い。なるべく君に干渉するなと言われている。」
よかった、やはりあの国王はまだ話のわかる人だった。
「ただ、リド宰相がいなかったな。それが少し不自然だった気が……」
……ピキ、、
「……すまない、何か地雷を踏んでしまったようだね。」
「いえ、お気になさらず。」
いかん、リドという言葉に少し過敏に反応してしまった。こうなった元凶でもある男、だ。
「とりあえず俺がギルドマスターとして話すことはない。だが個人的に聞きたいことが1つある。そこの2人、いや1人と1匹、いや1匹と1匹か?」
!?まさかシルが天使って気づいたのか!?見た目は人間そっくりだが。
「魔力の性質が違うんだ。えーと、シルって言ったね。君は天使だね。」
「はい。」
「しかもただの天使じゃない、『アークエンジェル』ってところかな。」
「アークエンジェル!?」
「はい、シンジ様のスキルによって強くなったときに同時に進化したと思います。」
これがテイムスキルの真骨頂なのか。確かに当初ゴブリンしか倒せなかったけど今ではDランクのモンスターも普通に倒せるようになってきているし。
「そしてそこのハーピーは神鳥種かな。最初は信じられなかったけどね。」
「ピイ♪」
ルーだけはなぜか嬉しそうだ。やっぱ子供と言う感じかな。どうしても能力が高すぎるせいで時々見間違えるけど。
「だからといって特に言うことはない。ただ確認しておきたかった。俺の名前はワーグだ。よろしくな。」
「はい、よろしくお願いします。」
俺たちは部屋を出た後、クエストの依頼完了の報告をしにいった。一日ですべてクリアしたのがなぜか驚かれた。
~~~~~~~~~~
翌日、昨日と同じように朝食をすませてギルドに向かった。向かったんだが、
「なんか、すごい騒いでますね。」
そう、昨日はそれなりだったが今日は本当に騒がしい。なにがあったのかわからないがとりあえず入ろう。
「あ、シンジじゃないか。」
「あ、ヨーグさん!おはようございます。」
入ると、ヨーグさんたちがいた。そしてその中の女性冒険者がまっさきにルーの元に向かい羽を触っていた。ルーは「ピイー♪」と嬉しそうに鳴く。
「これはなにがあったんですか。」
「ああ、実はモンスターの大量出現があったらしくそのための緊急クエストだ。」
「なるほど、そこにヨーグさんたちも参加するんですか?」
「ああ、そのつもりだ。そうだ、シンジたちも参加しないか。」
「え、入れるんですか?」
「緊急クエストだから制限は無い。それに昨日早くランク上げたいって言ってたな。緊急クエストはそれにもってこいなんだ。」
「そうなんですか。シルはどう思う?」
「私はシンジ様が参加されるのであれば断りはしません。」
「そうか、俺たちも参加します。」
「わかった、それじゃあこっちの部屋が召集場所だから着いて来い。」
そういわれ俺たちはヨーグさんの後をついて行く。
キイーーー
「!?お前は!?」
「あ!!あのスライムテイマーか!?」
扉を開けるとそこには温泉にいたあの忌まわしき男がいた。
「おいおい、まじかよ。お前みたいなやつがここに来ていいとおも...おお!」
俺の目の前に立ちはだかり勝手に話し始めるが急に目線と声のトーンが変わった。
「いい女じゃねえか。」
シルに下品な顔をしながら男は声をかけ始める。
「やめろ、」
俺はシルと男の間に立ちはだかりその下品な目を変える。
「シンジ様...」
「お前の女ってのがもったいないよな。こんなスライムテイマーなんかの仲間とはな。」
「おい、ブート。そこまでにしておけ。それにシンジも。」
ヨーグさんが腕で俺とこの男を離す。ヨーグさんはこの男と知り合いなようだ。
「こいつはブート、ランクCの冒険者だ。」
Cか、意外とあるんだな。マロのあの溶解液を普通に避けていたし実力者のようだ。
「そしてこっちはシンジで、冒険者ランクは...」
「ふん、こいつのことはどうでもいい。どうせ覚えたところですぐ死ぬだろうしな。」
「っつ!」
「噛み付くのもいい加減にしろ。それじゃあ俺たちパーティーとシンジたちで動くからそっちはそっちで何とかしてくれ。」
「ああ、そうだな。」
シュン!!
「シンジ!?危ない!」
ブートがいきなり後ろから酒瓶を投げつけてきた。
パシン!
「こいつはありがたくいただくよ。」
後ろ向きのままブートが投げてきた瓶をキャッチする。
「ちっ!せいぜい泣くんじゃねえぞ。」
ブートは怒りに満ちたような顔と声でそう反応した。
「すまないな、一応あれでもかなりの実力者だ。女癖は悪いしいい噂は聞かない。あいつの行動には十分に気をつけてくれよ。」
「ええ、もともとそのつもりです。」
手の骨を鳴らしながら闘志を燃やす。いや本当に腹立った。スライムのことを馬鹿にするはシルのことをあんな下品な目で見やがって。
「それじゃあ、役割についてある程度相談したほうがいいな。」
「そうですね、俺は近接から中距離、シルとルーは中、遠距離です。あとスライムについては臨機応変な対応をすると思います。」
「わかった、俺は近接、こっちのシュリーは魔法の遠距離、ライザも近距離、タンク役だ。」
「わかりました。」
クエスト開始時刻まで作戦会議を行っていた。
47
お気に入りに追加
11,419
あなたにおすすめの小説
公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)
音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。
魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。
だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。
見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。
「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。
追放されたテイマー半年後に従魔が最強になったのでまた冒険する
Miiya
ファンタジー
「テイマーって面白そうだったから入れてたけど使えんから出ていって。」と言われ1ヶ月間いたパーティーを追放されてしまったトーマ=タグス。仕方なく田舎にある実家に戻りそこで農作業と副業をしてなんとか稼いでいた。そんな暮らしも半年が経った後、たまたま飼っていたスライムと小鳥が最強になりもう一度冒険をすることにした。そしてテイマーとして覚醒した彼と追放したパーティーが出会い彼の本当の実力を知ることになる。
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます
ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう
どんどん更新していきます。
ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。
おばあちゃん(28)は自由ですヨ
七瀬美緒
ファンタジー
異世界召喚されちゃったあたし、梅木里子(28)。
その場には王子らしき人も居たけれど、その他大勢と共にもう一人の召喚者ばかりに話し掛け、あたしの事は無視。
どうしろっていうのよ……とか考えていたら、あたしに気付いた王子らしき人は、あたしの事を鼻で笑い。
「おまけのババアは引っ込んでろ」
そんな暴言と共に足蹴にされ、あたしは切れた。
その途端、響く悲鳴。
突然、年寄りになった王子らしき人。
そして気付く。
あれ、あたし……おばあちゃんになってない!?
ちょっと待ってよ! あたし、28歳だよ!?
魔法というものがあり、魔力が最も充実している年齢で老化が一時的に止まるという、謎な法則のある世界。
召喚の魔法陣に、『最も力――魔力――が充実している年齢の姿』で召喚されるという呪が込められていた事から、おばあちゃんな姿で召喚されてしまった。
普通の人間は、年を取ると力が弱くなるのに、里子は逆。年を重ねれば重ねるほど力が強大になっていくチートだった――けど、本人は知らず。
自分を召喚した国が酷かったものだからとっとと出て行き(迷惑料をしっかり頂く)
元の姿に戻る為、元の世界に帰る為。
外見・おばあちゃんな性格のよろしくない最強主人公が自由気ままに旅をする。
※気分で書いているので、1話1話の長短がバラバラです。
※基本的に主人公、性格よくないです。言葉遣いも余りよろしくないです。(これ重要)
※いつか恋愛もさせたいけど、主人公が「え? 熟女萌え? というか、ババ專!?」とか考えちゃうので進まない様な気もします。
※こちらは、小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
異世界巻き込まれ転移譚~無能の烙印押されましたが、勇者の力持ってます~
影茸
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれ異世界に転移することになった僕、羽島翔。
けれども相手の不手際で異世界に転移することになったにも関わらず、僕は巻き込まれた無能と罵られ勇者に嘲笑され、城から追い出されることになる。
けれども僕の人生は、巻き込まれたはずなのに勇者の力を使えることに気づいたその瞬間大きく変わり始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる