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第8章 なびく銀色の風
第88話 silver angel
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温かい。ここは、天国?もしかして私はあのあと死んでしまったのかしら。
「でも、もう解放されたんだ。」
もう無能だって言われなくて済む。自分の弱さに悩む必要もないんだ。
ピカーーーン、
「っ、な、何?この光。もしかして、神さま?」
目の前にとんでもなく眩しい光が見える。あまりに神々しい光だ。
「きゅ?」
「え、エンジェルスライム!?」
そこから夢の内容がわからなくなった。
~~~~~~~~
「家ができるまでの間どうしようかな。」
テイロに急ピッチで進めてもらってるが、流石にすぐできるわけじゃない。マロに結界魔法をかけてもらっているから、モンスターに襲われはしないからいいけど。
「なんでテイムできたんだろう。あ、テイムできたってことはステータスが見れるかな。」
でも種族だけにしておこう。勝手にステータスを見るのはちょっと忍びないな。
種族:天使
「天使!?」
嘘でしょ!?見た目は完全に人間だし、天使特有のあの変なわっかも頭にないし。
「でもリーンはわかったんだよな。」
なんでだろう。さすがレジェンダリースライムと言ったところなのかな。
「しかし、天使がなんでこんなところにいるんだ?」
エレノアさんの言っていたことの1つに『天界』って言うキーワードがあったからおそらくそこの人なんだろうけど。詳しいことは起きてから聞くか。
~~~~~~~~
テイロが家づくりを完成させた。
「寝ている間に何かご飯作るか。」
病人かわからないが滋養のある料理を作るか。とは言っても俺が作れるのはせいぜいおかゆぐらいだ。
鍋にアクアの水を入れてもらい、その水でおかゆを作る。アクアが衰弱しているって言ったしリーンも『魔力切れですね。すぐには起きないでしょう』と言ってたからな。そのためのアクアの水だ。魔力切れには効果覿面だ。
あとは溶き卵を入れ、キエハナで手に入れた魚のダシを入れてなるべく薄味で作る。
この間あの子はリーンによって介抱されている。とは言うが額に乗せてるタオルを変えるぐらいだが。
「そういえば、普通にベッドを見るの久しぶりな気がするな。」
最近は木のベッドにアクアたちが布団の形になってくれるから、普通の布のベッドを見るのがなんか新鮮。王宮の時にも一度見たけど、こうしてリーンが作ったのは初めてじゃないか?
「よし、これで完成だ。」
アクアの水を使った特製おかゆの完成だ。アクアやテイロも完成したのを見て腕を揺らして『おめでとう』と言ってくれた。
「そういえばマロはどこにいる?」
いつもなら頭の上で寝るなり、俺の行動をじっと見るなりしているマロが珍しくいない。アクアに聞いてみると『あの天使の子のところにいるよー。』と教えてくれた。
「なんか近しいものでもあるのかな。」
マロは一応エンジェルスライムという種族だし天使繋がりがあったりするかな。
「う、、う、」
「ピューー!」「きゅー!!」
「お、起きたか。みんなあんまり慌てるなよ。驚かせちゃダメだ。」
ちょうど天使の子が起きたようだ。おかゆを持ってベッドに近づく。
「、、ここは、どこ?」
「やあ、もう平気かな?」
「ひっ、だ、誰ですか!?」
「え!?あ、えーと。」
そうだ、いきなり起きたら知らない場所で知らない人に声かけられたら何かしら疑うよな。
「きゅー、」
マロがベッドにぴょんと跳び乗り、『こんにちわ!』と挨拶するように腕を伸ばす。
「これは、エンジェルスライム?しかもこんなに感情持った子がいるの?」
「きゅー♪」
マロは天使の子に腕を伸ばして頭を撫でる。そしてその腕を天使の子は掴み握手する。
「わ、柔らかい!?それになんか温かい。いや、それ以上にこの神々しさは何?」
「もう大丈夫そうですね。先ほど、グリズリーに襲われてたところを助けました。」
年がわからんからひとまず敬語を使い、なるべく丁寧で優しい口調で話す。
「あ、この度は助けてくれてありがとうございます。」
「とりあえずこれを食べて。きっと元気になる。」
「これ、ですか?」
おかゆを差し出すもイマイチな表情。あ、これ日本の料理だから知らないのか。たしかにドロドロな料理だし何が何だかわからんよな。
「きゅー、」
マロが腕を伸ばしてひょいとすくって食べてみせる。いつもなら行儀悪いと怒るところだが、今は大丈夫だと安心させるためだったので黙認した。
「大丈夫なの?それじゃあ。……ん!?美味しい。美味しいです。……ヒック、」
「ええちょ何かあった!?」
突然泣き出してしまった。
「ああ、いえ。美味しくて素直に感動したんです。ここ最近まともに食べれてなかったんで。」
「あ、そういうことか。」
涙を流しながらも綺麗におかゆを食べてる。これだけ泣くっていうことは何かがあったに違いない。
「にしても、」
やっぱり綺麗な髪色だな。最近は金髪やら緑やらいるから慣れてきたけどここまで綺麗な銀色は見たことがない。輝きがある感じだ。
-----------------------------------------------
風邪をひいてしまってすこし投稿が遅れました。
近況ボードにも載せましたがついにお気に入り登録者9000人突破しました!!
「でも、もう解放されたんだ。」
もう無能だって言われなくて済む。自分の弱さに悩む必要もないんだ。
ピカーーーン、
「っ、な、何?この光。もしかして、神さま?」
目の前にとんでもなく眩しい光が見える。あまりに神々しい光だ。
「きゅ?」
「え、エンジェルスライム!?」
そこから夢の内容がわからなくなった。
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「家ができるまでの間どうしようかな。」
テイロに急ピッチで進めてもらってるが、流石にすぐできるわけじゃない。マロに結界魔法をかけてもらっているから、モンスターに襲われはしないからいいけど。
「なんでテイムできたんだろう。あ、テイムできたってことはステータスが見れるかな。」
でも種族だけにしておこう。勝手にステータスを見るのはちょっと忍びないな。
種族:天使
「天使!?」
嘘でしょ!?見た目は完全に人間だし、天使特有のあの変なわっかも頭にないし。
「でもリーンはわかったんだよな。」
なんでだろう。さすがレジェンダリースライムと言ったところなのかな。
「しかし、天使がなんでこんなところにいるんだ?」
エレノアさんの言っていたことの1つに『天界』って言うキーワードがあったからおそらくそこの人なんだろうけど。詳しいことは起きてから聞くか。
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テイロが家づくりを完成させた。
「寝ている間に何かご飯作るか。」
病人かわからないが滋養のある料理を作るか。とは言っても俺が作れるのはせいぜいおかゆぐらいだ。
鍋にアクアの水を入れてもらい、その水でおかゆを作る。アクアが衰弱しているって言ったしリーンも『魔力切れですね。すぐには起きないでしょう』と言ってたからな。そのためのアクアの水だ。魔力切れには効果覿面だ。
あとは溶き卵を入れ、キエハナで手に入れた魚のダシを入れてなるべく薄味で作る。
この間あの子はリーンによって介抱されている。とは言うが額に乗せてるタオルを変えるぐらいだが。
「そういえば、普通にベッドを見るの久しぶりな気がするな。」
最近は木のベッドにアクアたちが布団の形になってくれるから、普通の布のベッドを見るのがなんか新鮮。王宮の時にも一度見たけど、こうしてリーンが作ったのは初めてじゃないか?
「よし、これで完成だ。」
アクアの水を使った特製おかゆの完成だ。アクアやテイロも完成したのを見て腕を揺らして『おめでとう』と言ってくれた。
「そういえばマロはどこにいる?」
いつもなら頭の上で寝るなり、俺の行動をじっと見るなりしているマロが珍しくいない。アクアに聞いてみると『あの天使の子のところにいるよー。』と教えてくれた。
「なんか近しいものでもあるのかな。」
マロは一応エンジェルスライムという種族だし天使繋がりがあったりするかな。
「う、、う、」
「ピューー!」「きゅー!!」
「お、起きたか。みんなあんまり慌てるなよ。驚かせちゃダメだ。」
ちょうど天使の子が起きたようだ。おかゆを持ってベッドに近づく。
「、、ここは、どこ?」
「やあ、もう平気かな?」
「ひっ、だ、誰ですか!?」
「え!?あ、えーと。」
そうだ、いきなり起きたら知らない場所で知らない人に声かけられたら何かしら疑うよな。
「きゅー、」
マロがベッドにぴょんと跳び乗り、『こんにちわ!』と挨拶するように腕を伸ばす。
「これは、エンジェルスライム?しかもこんなに感情持った子がいるの?」
「きゅー♪」
マロは天使の子に腕を伸ばして頭を撫でる。そしてその腕を天使の子は掴み握手する。
「わ、柔らかい!?それになんか温かい。いや、それ以上にこの神々しさは何?」
「もう大丈夫そうですね。先ほど、グリズリーに襲われてたところを助けました。」
年がわからんからひとまず敬語を使い、なるべく丁寧で優しい口調で話す。
「あ、この度は助けてくれてありがとうございます。」
「とりあえずこれを食べて。きっと元気になる。」
「これ、ですか?」
おかゆを差し出すもイマイチな表情。あ、これ日本の料理だから知らないのか。たしかにドロドロな料理だし何が何だかわからんよな。
「きゅー、」
マロが腕を伸ばしてひょいとすくって食べてみせる。いつもなら行儀悪いと怒るところだが、今は大丈夫だと安心させるためだったので黙認した。
「大丈夫なの?それじゃあ。……ん!?美味しい。美味しいです。……ヒック、」
「ええちょ何かあった!?」
突然泣き出してしまった。
「ああ、いえ。美味しくて素直に感動したんです。ここ最近まともに食べれてなかったんで。」
「あ、そういうことか。」
涙を流しながらも綺麗におかゆを食べてる。これだけ泣くっていうことは何かがあったに違いない。
「にしても、」
やっぱり綺麗な髪色だな。最近は金髪やら緑やらいるから慣れてきたけどここまで綺麗な銀色は見たことがない。輝きがある感じだ。
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