38 / 195
第4章 北の鉱山街バーム
第37話 一触即発
しおりを挟む
「痛えな!おい、どういうことだこれは。」
「お、おいシンジ。」
シンジ、おまえなんつー膨大な量の魔力を持ってるんだよ。スライム達と変わらないぐらいあるぞ。
「すいません、ミラノさん。」
「え、?」
「報酬取られたりとかならまだ我慢はできましたが、うちのスライムに手を出したやつは絶対に許すことはできない。」
目がやばい、さっきまでの冷静さが欠けて今にも殺すような、それこそドラゴンのような気迫さえ感じる。
「そんなことしていいのか?手を出したらどうなるかぐらいはわかるだろう。」
なんでおまえはわからないんだよ、この殺気が。いい加減気づいてくれ。
「それに20匹もいるうちの1匹だ、もらって何が悪い?別いい…ぐば!」
「黙れ!」
シンジが、シャルケの言葉を遮るように鋭い蹴りを顔面に入れたようだ。ようだ、と言うのは俺自身何が起こったのか見えなかったからだ。シャルケの傷が顔にあったのと、シンジが足を上げてるから判断できるが、全く見えなかった。
「な、なんだおまえのそのスピードは、おまえは弱者のスライムテイマーじゃ、、ねえのか、、」
「だからなんだ、」
シンジが歯をギリギリ言わせながらしゃべる。
「俺の怒りはこんなもんじゃないぞ。」
「ひっ!」
シャルケの顔はもう貴族という余裕などなくなり、青ざめてただただシンジを見上げている。
シンジはただ冷酷な目、顔でシャルケを見下ろす。
「ちっ!でやー!」
カキン!
「な、なんで……」
シャルケが振った剣をシンジは回し蹴り1発で折ってしまった。当たった場所は剣の峰の真ん中あたり、綺麗に折ってしまった。
「………」
「こ、この化け物め!どうせ人間の皮を被った魔物だろ!」
「だから?」
「へっ、、」
「だからなんだって聞いてるんだよ。俺が化け物だから何?魔物だからなに?そんなことは関係ない。おまえは俺の大切なスライムに手を出したんだ。」
もうシンジの殺気も、燃えるような怒りの赤色ではなく、冷酷非道で周りを凍らせそうな青色に変わっていた。
「もう話は終わりだ、おまえはこの地で沈むだけだ。」
「お、俺を殺してみろ!俺の父上が黙っていないぞ。すぐにおまえを殺しに来るぞ。」
「だったらそいつも殺すだけだ。簡単な話だろう。そんなことで俺を説得しても無駄だぞ。」
確かに今のシンジなら、やりかねない。それほど怒りに満ちている。もう俺たちじゃあ手をつけられない。
ガラゴロゴロゴロゴロ!!
洞窟が一部崩れた。おそらくシンジの殺気染みた魔力による破壊だろう。さっきのスライムが壊したのと同じ現象だが、スライムは能動的に壊したが、シンジは拡散した魔力で壊した、無意識にだ。つまり一つに集まった時の恐ろしさたるや、。
するとシャルケがこの隙に、
「ちっ、絶対後悔させてやるからな。このスライムテイマーめ。」
シャルケが来た道を急いで走って逃げた。逃げ足だけは速いやつだな。
「おい、待ちやが……!?」
シンジが逃げたシャルケを追いかけようとしたが、1匹のスライムが止める。
「ミニスラ……あ!?」
先ほど手を出されかけたスライムだ。小さな触手をめいいっぱい伸ばして、シンジを止める。それに反応したシンジは周り囲んでいるスライム達を見る。
「あ、、あ、。もう大丈夫だ。すまなかったみんな。お前ももう大丈夫か?」
シンジはさっきのスライムを両手で掴み、持ち上げて撫で始める。そのスライムはなぜか触手をゆらゆらと揺らしている。
「そうかそうか、もう大丈夫か、よかった。あ、ミラノさん達すいませんでした。こんな醜態を見せてしまった上勝手に手を出してしまい。」
「いや、俺たちは気にしてないぞ。それにテイムモンスターを了承なしで取ることは禁じられているからな、もう気にするな。」
「はい、ありがとうございます。」
なんとかシンジのスライム達のおかげで最悪の事態は抑えられたな。とりあえずあいつのことは置いておこう。俺らの仕事をしないとな。
~~~~~~~~
さっきのシンジの魔力によって破壊された壁からはさまざまな鉱石が出てきた。魔金鉱石は発掘するだけでいいのにシンジのスライム達は平気で仕分けする。
「なあ、魔金鉱石って加工難しいはずだよな。」
「ああ、本来なら特殊な設備の上、専門職が一個終わらせるのに30分かかる代物だぞ。」
目の前では、金色に光る魔金鉱石がひょいとスライムに取り込まれ、わずか30秒でポンと二つに分かれる。支給された特別製のツルハシも意味のない道具になってしまった。
しかもシンジはそんな様子を見て「本当にすごいねー!」と言うだけで声の調子や顔はどう見ても驚いてない。
「みんな焦らずゆっくりやってけばいいんだよ、『シンジ様の先ほどの勇姿を見て今我らスライム族は活気に満ち溢れており、最大限に発揮したいのです。』だって!?本当にさっきはごめんな。」
本当になにもわかってないのかな。
「ミラノ隊長、俺たちもやりますか?」
「あ、ああ。仕分けはともかく、発掘ぐらいなら手助けできるか。」
シンジの行動は本当にやばいな。さっきまであんな冷酷だったのが、今はスライムに対して温厚になってるし。これからのことを考えると胃が痛くなる。なんでミスリルがあるんだよ。
「お、おいシンジ。」
シンジ、おまえなんつー膨大な量の魔力を持ってるんだよ。スライム達と変わらないぐらいあるぞ。
「すいません、ミラノさん。」
「え、?」
「報酬取られたりとかならまだ我慢はできましたが、うちのスライムに手を出したやつは絶対に許すことはできない。」
目がやばい、さっきまでの冷静さが欠けて今にも殺すような、それこそドラゴンのような気迫さえ感じる。
「そんなことしていいのか?手を出したらどうなるかぐらいはわかるだろう。」
なんでおまえはわからないんだよ、この殺気が。いい加減気づいてくれ。
「それに20匹もいるうちの1匹だ、もらって何が悪い?別いい…ぐば!」
「黙れ!」
シンジが、シャルケの言葉を遮るように鋭い蹴りを顔面に入れたようだ。ようだ、と言うのは俺自身何が起こったのか見えなかったからだ。シャルケの傷が顔にあったのと、シンジが足を上げてるから判断できるが、全く見えなかった。
「な、なんだおまえのそのスピードは、おまえは弱者のスライムテイマーじゃ、、ねえのか、、」
「だからなんだ、」
シンジが歯をギリギリ言わせながらしゃべる。
「俺の怒りはこんなもんじゃないぞ。」
「ひっ!」
シャルケの顔はもう貴族という余裕などなくなり、青ざめてただただシンジを見上げている。
シンジはただ冷酷な目、顔でシャルケを見下ろす。
「ちっ!でやー!」
カキン!
「な、なんで……」
シャルケが振った剣をシンジは回し蹴り1発で折ってしまった。当たった場所は剣の峰の真ん中あたり、綺麗に折ってしまった。
「………」
「こ、この化け物め!どうせ人間の皮を被った魔物だろ!」
「だから?」
「へっ、、」
「だからなんだって聞いてるんだよ。俺が化け物だから何?魔物だからなに?そんなことは関係ない。おまえは俺の大切なスライムに手を出したんだ。」
もうシンジの殺気も、燃えるような怒りの赤色ではなく、冷酷非道で周りを凍らせそうな青色に変わっていた。
「もう話は終わりだ、おまえはこの地で沈むだけだ。」
「お、俺を殺してみろ!俺の父上が黙っていないぞ。すぐにおまえを殺しに来るぞ。」
「だったらそいつも殺すだけだ。簡単な話だろう。そんなことで俺を説得しても無駄だぞ。」
確かに今のシンジなら、やりかねない。それほど怒りに満ちている。もう俺たちじゃあ手をつけられない。
ガラゴロゴロゴロゴロ!!
洞窟が一部崩れた。おそらくシンジの殺気染みた魔力による破壊だろう。さっきのスライムが壊したのと同じ現象だが、スライムは能動的に壊したが、シンジは拡散した魔力で壊した、無意識にだ。つまり一つに集まった時の恐ろしさたるや、。
するとシャルケがこの隙に、
「ちっ、絶対後悔させてやるからな。このスライムテイマーめ。」
シャルケが来た道を急いで走って逃げた。逃げ足だけは速いやつだな。
「おい、待ちやが……!?」
シンジが逃げたシャルケを追いかけようとしたが、1匹のスライムが止める。
「ミニスラ……あ!?」
先ほど手を出されかけたスライムだ。小さな触手をめいいっぱい伸ばして、シンジを止める。それに反応したシンジは周り囲んでいるスライム達を見る。
「あ、、あ、。もう大丈夫だ。すまなかったみんな。お前ももう大丈夫か?」
シンジはさっきのスライムを両手で掴み、持ち上げて撫で始める。そのスライムはなぜか触手をゆらゆらと揺らしている。
「そうかそうか、もう大丈夫か、よかった。あ、ミラノさん達すいませんでした。こんな醜態を見せてしまった上勝手に手を出してしまい。」
「いや、俺たちは気にしてないぞ。それにテイムモンスターを了承なしで取ることは禁じられているからな、もう気にするな。」
「はい、ありがとうございます。」
なんとかシンジのスライム達のおかげで最悪の事態は抑えられたな。とりあえずあいつのことは置いておこう。俺らの仕事をしないとな。
~~~~~~~~
さっきのシンジの魔力によって破壊された壁からはさまざまな鉱石が出てきた。魔金鉱石は発掘するだけでいいのにシンジのスライム達は平気で仕分けする。
「なあ、魔金鉱石って加工難しいはずだよな。」
「ああ、本来なら特殊な設備の上、専門職が一個終わらせるのに30分かかる代物だぞ。」
目の前では、金色に光る魔金鉱石がひょいとスライムに取り込まれ、わずか30秒でポンと二つに分かれる。支給された特別製のツルハシも意味のない道具になってしまった。
しかもシンジはそんな様子を見て「本当にすごいねー!」と言うだけで声の調子や顔はどう見ても驚いてない。
「みんな焦らずゆっくりやってけばいいんだよ、『シンジ様の先ほどの勇姿を見て今我らスライム族は活気に満ち溢れており、最大限に発揮したいのです。』だって!?本当にさっきはごめんな。」
本当になにもわかってないのかな。
「ミラノ隊長、俺たちもやりますか?」
「あ、ああ。仕分けはともかく、発掘ぐらいなら手助けできるか。」
シンジの行動は本当にやばいな。さっきまであんな冷酷だったのが、今はスライムに対して温厚になってるし。これからのことを考えると胃が痛くなる。なんでミスリルがあるんだよ。
92
お気に入りに追加
11,419
あなたにおすすめの小説
公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)
音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。
魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。
だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。
見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。
「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。
追放されたテイマー半年後に従魔が最強になったのでまた冒険する
Miiya
ファンタジー
「テイマーって面白そうだったから入れてたけど使えんから出ていって。」と言われ1ヶ月間いたパーティーを追放されてしまったトーマ=タグス。仕方なく田舎にある実家に戻りそこで農作業と副業をしてなんとか稼いでいた。そんな暮らしも半年が経った後、たまたま飼っていたスライムと小鳥が最強になりもう一度冒険をすることにした。そしてテイマーとして覚醒した彼と追放したパーティーが出会い彼の本当の実力を知ることになる。
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます
ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう
どんどん更新していきます。
ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。
おばあちゃん(28)は自由ですヨ
七瀬美緒
ファンタジー
異世界召喚されちゃったあたし、梅木里子(28)。
その場には王子らしき人も居たけれど、その他大勢と共にもう一人の召喚者ばかりに話し掛け、あたしの事は無視。
どうしろっていうのよ……とか考えていたら、あたしに気付いた王子らしき人は、あたしの事を鼻で笑い。
「おまけのババアは引っ込んでろ」
そんな暴言と共に足蹴にされ、あたしは切れた。
その途端、響く悲鳴。
突然、年寄りになった王子らしき人。
そして気付く。
あれ、あたし……おばあちゃんになってない!?
ちょっと待ってよ! あたし、28歳だよ!?
魔法というものがあり、魔力が最も充実している年齢で老化が一時的に止まるという、謎な法則のある世界。
召喚の魔法陣に、『最も力――魔力――が充実している年齢の姿』で召喚されるという呪が込められていた事から、おばあちゃんな姿で召喚されてしまった。
普通の人間は、年を取ると力が弱くなるのに、里子は逆。年を重ねれば重ねるほど力が強大になっていくチートだった――けど、本人は知らず。
自分を召喚した国が酷かったものだからとっとと出て行き(迷惑料をしっかり頂く)
元の姿に戻る為、元の世界に帰る為。
外見・おばあちゃんな性格のよろしくない最強主人公が自由気ままに旅をする。
※気分で書いているので、1話1話の長短がバラバラです。
※基本的に主人公、性格よくないです。言葉遣いも余りよろしくないです。(これ重要)
※いつか恋愛もさせたいけど、主人公が「え? 熟女萌え? というか、ババ專!?」とか考えちゃうので進まない様な気もします。
※こちらは、小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる