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第3章 次の街へ編
第25話 風呂が欲しいなー
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異世界に来て約1カ月が経った。ここでの生活は思ったより苦ではなかった。
食料に関しては、野菜やパンは普通に流通していたため特に問題なく、肉はうちのスライム達が完璧な処理をしてくれる。本来解体の際、血抜き作業がしっかりできてないと臭みが取れないのだが、スライムはもともとなんでも吸収、消化するモンスターであるので、肉以外の部分を綺麗に吸収するため血抜きがとてつもなく上手い。
また、加工技術も素晴らしく、薄切りやぶつ切り、ブロックにしてほしいと頼めば、ほぼ満点回答のような状態の肉が届く。このおかげで食料は充実してたと言ってもいい。
睡眠に関しても良好だ。バームへ行く途中、テントで寝る時に「寝るから毛布みたいなの作れる?」とリーンに聞いたところ、『でしたら私とアクアが形を変えてベッドになりますので、そこでお眠りください。』と腕を震わせて伝え、変形してベッドになったので仕方なく入ってみるととんでもなく気持ちよかった。寝起きも最高だった。
このように生活は苦労してないが、ひとつだけ言及したいことがある。
それは風呂だ!!
人生で常に入浴して来た。だからここに来てから1カ月丸々風呂に入れないのはキツイ。体臭や汚れは生活魔法やアクア達の洗浄作用の溶解液を染み込ませたタオルで拭くので常に清潔ではあるが、やはりあのあったかい湯に浸かりたい。
「うーん、風呂に入りたいなー。」
歩いてる途中でそう呟くと、リーンが突然『それはなんでしょうか!?』とすごい勢いで聞こうとしてくる。
「え、ええと。風呂っていうのは、長方形の縦が2メートルぐらい?の大きな石造りに温かい湯を入れて体をあっためると同時に体を清潔にする物なんだ。」
俺が話すと、リーンはすごい熱心に聞いてくれて途中からミニスライム達も聞きに来てた。
その日の夜。ようやくバームまで半分が経ったぐらいで、今日はここまでとテントを張ると、リーンを主体にミニスライム達がせわしなく動いてた。
時々俺のカバンから以前鉱石脈のあった洞窟で採った石や少量の金属も持っていった。何をしてるのかと思ったが、20分後何をしていたかがわかった。
風呂を作っていたのだ。
しかも家の風呂じゃなく、大浴場のような物を作っていた。俺なんかは余裕で入りそうだ。
リーンが腕を揺らしてミニスライム達に指示を出して、ミニスライム達はその指示通りに石を置いたり、切ったり、加工したりする。
パーズが主力となっていた。使える属性が土というのもあり一番作業効率が良かった。もちろん他のミニスライム達も鉱石を仕分けできるほど器用な存在ではある。
石を切るのも腕を細め溶解液を纏って行っているため綺麗に切っている。切った石も一度体の中に取り込んで、ザラザラな表面を一面ツルツルにして当たっても痛く無いように舗装されてる。
石の中に一部金粉が入っており、光をあてると綺麗にキラキラと光るためとても幻想的だ。つなぎ目の部分も薄い溶解液によって接着されてるため全く問題がなかった。
出来上がると、リーンとミニスライム達がぴょんぴょんと俺の元に駆け寄って褒めて欲しそうに跳ねる。撫でてやるととても嬉しそうに震える。
しかし、アクアが突然リーンに何かを話す。(体を動かしているのであって言葉を喋ってるわけではない。)するとリーンは何かに気づいたようで急いでラルに指示を出す。
すると何か魔法を唱えて木を出す。するとその木を切って加工する。浴槽の周りに壁を作った。確かにここは夜で外だ。丸見えで見つかってしまえばまずい。アクアは基本マイペースだがこういう時にすごい賢さを出してくるな。
完全に出来上がった。木の壁は扉も付いており、開けるとなかなか広い。人が3人は入れる浴槽。木の風呂も結構有名な気はするけど、あれはいい木じゃないとあまりいい風呂にはならない。なのでむしろこういう石造りの方が良いな。ところどころ大理石のような部分もあって驚いた。
「お風呂のお湯はどうするの?」
と、聞いたところ『水はファイに出してもらって、ルビに火魔法で温めてもらいます。』とリーンが答えた。ちゃんと考えはあったようだ。アクアではいけないの?と聞いたところ『アクアの水は魔力が強すぎるのでルビの力ではまだ火魔法が通りづらいのです。』と問題点も指摘して答えた。ファイとルビによるお風呂はとても良かった。ちゃんと湯気も出ている。
「ありがとうみんな!よし入るぞー!」
着替える。ついでに籠も用意されてたのでそこに脱いだ衣類を入れる。上の服畳んで入れると、リーンがズボンを畳んでくれてた。そんなにしなくて良いのに。
「あーー、気持ちいい。」
いい湯加減だ。大きく作られているから足を思い切り伸ばしても全然端に届かない。すごいゆったりできる。
「アクア達も入らないの?」
そう呼びかけると、アクアが腕を伸ばしてそっと湯に入れてみる。
「キュ!?」
どうやら驚いたようだ。他のスライム達もその反応に少しビクビクするが、俺が抱き上げて入れてやると、途端に落ち着いてゆったりとし始めた。ミニスライム達は沈んだりぷかぷか浮かんだり泳いだりして遊んでる。リーンに怒られて少ししょんぼりするが、俺が別にいいよと言うとミニスライム達は元気を取り戻す。アクアは相変わらずマイペースで、ゆっくりと湯に浸かってる。
「今度石鹸作ってもらおうかな。」
今日は生活魔法で体を洗った。やっぱ風呂はいいね。心も安らぐ。タオルはリーンが作ってくれたのでそれで拭く。スライム達も拭いとこうとしたら濡れてなかった。吸収したようだ。それでも拭いて欲しいと懇願して来たので拭いてやった。すごいキラキラと輝いて見える。
着替えをどうするかと思ったらリーンが新しい服を畳んで持って来てくれた。『即席なのであまりいいものではありませんが、よければこれをお使いください。また後日丹精込めた服を作りますね。』と伝えて服をくれた。こうして異世界で始めて風呂に入った。
食料に関しては、野菜やパンは普通に流通していたため特に問題なく、肉はうちのスライム達が完璧な処理をしてくれる。本来解体の際、血抜き作業がしっかりできてないと臭みが取れないのだが、スライムはもともとなんでも吸収、消化するモンスターであるので、肉以外の部分を綺麗に吸収するため血抜きがとてつもなく上手い。
また、加工技術も素晴らしく、薄切りやぶつ切り、ブロックにしてほしいと頼めば、ほぼ満点回答のような状態の肉が届く。このおかげで食料は充実してたと言ってもいい。
睡眠に関しても良好だ。バームへ行く途中、テントで寝る時に「寝るから毛布みたいなの作れる?」とリーンに聞いたところ、『でしたら私とアクアが形を変えてベッドになりますので、そこでお眠りください。』と腕を震わせて伝え、変形してベッドになったので仕方なく入ってみるととんでもなく気持ちよかった。寝起きも最高だった。
このように生活は苦労してないが、ひとつだけ言及したいことがある。
それは風呂だ!!
人生で常に入浴して来た。だからここに来てから1カ月丸々風呂に入れないのはキツイ。体臭や汚れは生活魔法やアクア達の洗浄作用の溶解液を染み込ませたタオルで拭くので常に清潔ではあるが、やはりあのあったかい湯に浸かりたい。
「うーん、風呂に入りたいなー。」
歩いてる途中でそう呟くと、リーンが突然『それはなんでしょうか!?』とすごい勢いで聞こうとしてくる。
「え、ええと。風呂っていうのは、長方形の縦が2メートルぐらい?の大きな石造りに温かい湯を入れて体をあっためると同時に体を清潔にする物なんだ。」
俺が話すと、リーンはすごい熱心に聞いてくれて途中からミニスライム達も聞きに来てた。
その日の夜。ようやくバームまで半分が経ったぐらいで、今日はここまでとテントを張ると、リーンを主体にミニスライム達がせわしなく動いてた。
時々俺のカバンから以前鉱石脈のあった洞窟で採った石や少量の金属も持っていった。何をしてるのかと思ったが、20分後何をしていたかがわかった。
風呂を作っていたのだ。
しかも家の風呂じゃなく、大浴場のような物を作っていた。俺なんかは余裕で入りそうだ。
リーンが腕を揺らしてミニスライム達に指示を出して、ミニスライム達はその指示通りに石を置いたり、切ったり、加工したりする。
パーズが主力となっていた。使える属性が土というのもあり一番作業効率が良かった。もちろん他のミニスライム達も鉱石を仕分けできるほど器用な存在ではある。
石を切るのも腕を細め溶解液を纏って行っているため綺麗に切っている。切った石も一度体の中に取り込んで、ザラザラな表面を一面ツルツルにして当たっても痛く無いように舗装されてる。
石の中に一部金粉が入っており、光をあてると綺麗にキラキラと光るためとても幻想的だ。つなぎ目の部分も薄い溶解液によって接着されてるため全く問題がなかった。
出来上がると、リーンとミニスライム達がぴょんぴょんと俺の元に駆け寄って褒めて欲しそうに跳ねる。撫でてやるととても嬉しそうに震える。
しかし、アクアが突然リーンに何かを話す。(体を動かしているのであって言葉を喋ってるわけではない。)するとリーンは何かに気づいたようで急いでラルに指示を出す。
すると何か魔法を唱えて木を出す。するとその木を切って加工する。浴槽の周りに壁を作った。確かにここは夜で外だ。丸見えで見つかってしまえばまずい。アクアは基本マイペースだがこういう時にすごい賢さを出してくるな。
完全に出来上がった。木の壁は扉も付いており、開けるとなかなか広い。人が3人は入れる浴槽。木の風呂も結構有名な気はするけど、あれはいい木じゃないとあまりいい風呂にはならない。なのでむしろこういう石造りの方が良いな。ところどころ大理石のような部分もあって驚いた。
「お風呂のお湯はどうするの?」
と、聞いたところ『水はファイに出してもらって、ルビに火魔法で温めてもらいます。』とリーンが答えた。ちゃんと考えはあったようだ。アクアではいけないの?と聞いたところ『アクアの水は魔力が強すぎるのでルビの力ではまだ火魔法が通りづらいのです。』と問題点も指摘して答えた。ファイとルビによるお風呂はとても良かった。ちゃんと湯気も出ている。
「ありがとうみんな!よし入るぞー!」
着替える。ついでに籠も用意されてたのでそこに脱いだ衣類を入れる。上の服畳んで入れると、リーンがズボンを畳んでくれてた。そんなにしなくて良いのに。
「あーー、気持ちいい。」
いい湯加減だ。大きく作られているから足を思い切り伸ばしても全然端に届かない。すごいゆったりできる。
「アクア達も入らないの?」
そう呼びかけると、アクアが腕を伸ばしてそっと湯に入れてみる。
「キュ!?」
どうやら驚いたようだ。他のスライム達もその反応に少しビクビクするが、俺が抱き上げて入れてやると、途端に落ち着いてゆったりとし始めた。ミニスライム達は沈んだりぷかぷか浮かんだり泳いだりして遊んでる。リーンに怒られて少ししょんぼりするが、俺が別にいいよと言うとミニスライム達は元気を取り戻す。アクアは相変わらずマイペースで、ゆっくりと湯に浸かってる。
「今度石鹸作ってもらおうかな。」
今日は生活魔法で体を洗った。やっぱ風呂はいいね。心も安らぐ。タオルはリーンが作ってくれたのでそれで拭く。スライム達も拭いとこうとしたら濡れてなかった。吸収したようだ。それでも拭いて欲しいと懇願して来たので拭いてやった。すごいキラキラと輝いて見える。
着替えをどうするかと思ったらリーンが新しい服を畳んで持って来てくれた。『即席なのであまりいいものではありませんが、よければこれをお使いください。また後日丹精込めた服を作りますね。』と伝えて服をくれた。こうして異世界で始めて風呂に入った。
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