スライムと異世界冒険〜追い出されたが実は強かった

第2章 成長と訓練編

第13話 ダンジョン攻略楽しい

ご飯を食べ終えて、また攻略を進めて行く。コボルトの動きにもかなり慣れてきて、剣で攻撃をうまくいなし、側頭部めがけて蹴りを入れるというかなりお手軽な攻撃で進めていった。

アクアも剣をぴょんとうまく横に避けながら溶解液で一気に仕留めている。スライム相手だと舐めていたコボルトたちが、今ではアクアに対して恐怖心を抱いてるほどだ。

 「キュー♪」

当の本人は必死さなど皆無、鼻歌歌ってるような雰囲気さえある。

そんなこんなで2フロア目もあっさりと攻略していった。普通なら苦労しそうな分かれ道や罠だったりは、全てアクアが教えてくれるおかげでかなり楽だった。

 「ここから3フロア目か。でも今日はここで一旦切り上げるか。」

次のフロアに繋がる階段に来たが、これ以上進むのはやめようと思う。楽とは言っても、コボルト合計75体は相手にしたと思うし。というわけで、買ったばかりのテントを出す。

日本でテントを張ったことは無かったから、少し心配したが、置くだけでテントが張られた。よかった。店ですでに内部から魔力を同期させといたから、中にちゃんと入れる。アクアも興味津々なのか、すごい勢いでぴょんぴょんしながら中に入る。

上についてるランプに魔力を注いで点ける。

 「思ったより快適だなー。」

腕や足を伸ばしても全然平気だ。アクアも一緒に体を伸ばす。ずっと歩いてたから結構疲れたな。前の平原と違ってモンスターがかなりいたから、かなり飛んだり、走ったりもしたし。

アクアが腕を伸ばして俺に何か訴えかける。これは水が欲しいサインだ。カバンからアクア特製コップを取り出し、そこに水を注ぐ。

 「キュ～♪」

水が飲めてご満悦なようだ。プルプル震えながらごくごく飲んでいる。

 「アクア結構器用だよなー。」

最初コップを作った時のアクアは、うまく持ち上げれなかったな。でも今では簡単に持ち上げて、自分の方に持ってこれる。これもスキルか？

 「さて、そろそろ寝るか。」

寝転がると、思ったより固い。下が地面だから仕方ないのだが、毛布でも買ってくればよかった。

 「キュー、キュー。」
 「アクア、どうした？って何だこれ！？」

目の前には薄く広がったアクアがいた。どういうことだ。すると、アクアが腕を俺の方に伸ばし、自分の体の上に乗せる。

 「もしかして、ここで寝てくれってことか？」
 「キュー♪」
 「本当か！？ありがとうなー。」

それなりに弾力があって低反発もする。スベスベだから肌触りもいい。とか考えてたら、この圧倒的な心地よさに襲われ、寝てしまってた。

 「うーーーん。あ！？アクア大丈夫か？」
 「キュー！」
 「そうか、大丈夫か。」

ベット形態から、いつものボール型に戻る。そして嬉しそうにぴょんぴょんと跳ねる。それでも気になって、アクアを抱き上げくまなくチェックする。
 
 「よし、問題ないな。気持ちよかったよ。」
 「キュー！」

テントを折りたたんでカバンにしまい、朝ごはんの準備をする。なるべく食べやすいパンとスープを中心に作る。

 「ふー、お腹いっぱい。それじゃあ、次のフロアに行くか。」
 「キュー♪キュー！」

アクアも朝ごはんを食べて満足して、やる気に満ち溢れている。それじゃあ3フロア目に突入だ。



3フロア目に入ると、そこは大広間だった。そしてそこにはモンスターが大量にいた。奥に大きな扉が見える。つまり前哨戦のようなところだな。

 「よし、アクア一気に倒すぞ。」
 「キュー！！」

俺とアクアは一気にモンスターに駆け寄り、倒していく。1、2フロアで出現したモンスターだった。

 「ほいっと！」

ゴブリンは攻撃に合わせて避け、首を斬る。モグラは出て来るところを一気に蹴る。コボルトは魔法で一気に倒す。

 「『フレイムアロー』」

どんどん新しい魔法も使えるようになってきた。ダンジョン攻略し終わったら調べよう。ん？囲まれたか。

 「喰らえ！『グラウンドフレイム』」

飛んで、空中から地面に一気に炎を撃ってあたり一面を火の海にする。これは大勢に使えるな。さて、アクアの方はどうかな。

 「キュ！」

溶解液を高速で飛ばしている。当たったモンスターは顔が一気に溶けてドロドロになって倒れていく。また、アクアはモンスターに接近して腕を伸ばし硬化させて、剣のように振る。するとモンスター達がどんどん斬られていく。どうやら溶解液を微量に纏っており、それで斬っているように見える。

コボルトの剣も、受け止めた瞬間、シューと煙を上げて剣が溶けていった。アクアの溶解液はどこまで溶かれるのだろうか。

 「これで終わりかな。」
 「キュ～♪」

周りは何も無い空間になった。思ったより早く終わった気がするな。もちろんアクアの協力あってこそだが。それじゃあ、装備を確認して、扉を開けますか。

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