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第1章 異世界召喚

第9話 モンスター倒しまくったら疑われた。

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 「お前のとこのスライムは本当にどうなってるんだ。はぁ、まぁいいや。」

アクアのゴブリンの討伐数に驚いてたようだ。でも、吸収や解体に時間を割いてたから、倒すだけなら多分もっとできたんだろうな。アクアも全然疲れてなさそうだし。

 「それじゃあ解体作業に移るぞー。各自解体道具は持ってるな。」

ナイルさんの掛け声で、モンスターの解体が集まる。俺たちの場合はアクアはとっくに終わってるから、俺の分だけだな。

 「シンジは大丈夫か?」
 「こっちは大丈夫。」

一斉に解体の作業が始まった。

 「それじゃあアクア、俺たちはいつものようにやるか。」
 「キュ!」

アクアは自分だけでも解体できるが、大きいモンスターだと、一度に取り込めない可能性もある。その時は少しずつ溶かしてから取り込む。だから俺が部位を切っていって、アクアはどんどん取り込み、血抜きと解体をする。

この世界の解体というのはそこまで重要でもないそうだ。金がある冒険者達は、大きさ関係なしで、吸い込まれるマジックバックを持っており、そのまま持っていくことも可能らしい。しかし、低ランクの冒険者はそんなものは持ってないので、こうやって解体するらしい。

俺の持っているものはあの召喚者によれば最高級品で、先ほどの能力もある。だが、解体料がかかるし、この方法だと、道中でも使えるし、何よりアクアがやりたがる。けど経験値効率は良くない。栄養価、おいしさが影響するらしい。

 「おい、シンジ早すぎだろ。」
 「え、あれ、そうかな?」
 「キュー?」

俺たちが一番解体量が多かったが、アクアの解体技術がかなり高かったからかすぐに終わった。俺も解体しようかと思ったら、アクアが「やりたい!」というふうにユラユラ腕を揺らしたから譲ったが。

 「それなら少し手伝おうか?」
 「おお、それは助かる。それじゃあ、俺のところを少し手伝ってくれ。リーダーだが、あまり解体技術は良くないんだ。」

意外だったが、他を見てると、たしかに遅れをとっている。特に二人組が速い。

 「それじゃ、アクアこっちからやってくぞー。」
 「キュー♪」
 「おいおい、スライムじゃあ吸収するだけだぞ。」
 「いやいや、うちのアクアを舐めちゃ困るなー。あ、一応解体したら全部吐き出してね。」

俺は骨とかは使う気がないから吸収させてたけど、他の人のじゃあ失礼だからな。アクアも了解してくれた。

 「おい、どうなってるんだ。なんでスライムが取り込んでも無くならずに、しかもこんな綺麗に捌けるなんて。血抜きも完璧じゃねえか。」

んー?スライムって解体とか得意じゃないのかな?アクアに解体教えたわけじゃないのに簡単にやってのけたし。

少しスッキリしないまま今日の討伐も終わった。そして、ギルドにもどる。

 「お、スライムテイマーだぜ。」
 「今日はどうせ寄生してただけだろ。」
 「く、あいつら、シンジの凄さを知らないくせして。」
 「まぁまぁ俺は気にしてないから。」

周りからの野次にナイルさん、それに他の人達も苛立ちを覚えた。他の3人もあのあと解体シーンを見せたら、唖然としてたな。本当にどうしてだろうか。スキルのせいか?

 「それじゃあ、各自自分が討伐した分の素材を持ったな。」

ナイルさんの言葉に一同が頷く。

 「それじゃあそれぞれ換金してこい。それと、シンジありがとうな。今日は助かったぜ、また組もうな。」
 「ああ、こっちも勉強になった。」

最後に挨拶をし、俺も換金しに行く。いってみると昨日の人ではない。しかも俺の姿を見るや否や少し見下すような目で対応してきた。

 「これが、今日の戦果です。」

ひとまず素材をあらかた出す。すると、

 「はーー、寄生して、レベル上げるならいいけど、素材までもらっちゃいけないよ。君どう見てもこんだけ倒せないでしょ。」

な、なにを言ってるんだ。

 「なんでそんなことを言うんですか?」
 「だって、まだGランクでしかも優遇職でもないのに、ゴブリンが70体はありえないわよ。」
 「だからそれは俺が、、、」
 「いいからいいから、さっさと本当の数を教えなさい。さもないと詐称の罪にも訴えられるわよ。」
 「く、だから違うっていってんだろ。」

この女、全然俺の言うことを聞かねえ、しかも順番待ちして、もうさっきのパーティもいないから説明できねえし。

 「おい!!なんの騒ぎだ。」

カウンターの後ろからいきなり厳ついおっさんが出てくる。

 「あ、ギルドマスター。実はこの冒険者が虚言を発しまして。」
 「だから違う、」
 「まぁ、一旦落ち着け。それで数はどのくらいだ。」
 「ゴブリン70、オーク10、オーガ4です。」
 「なるほどなー、うん。」

何を考えてやがる。

 「よし、そこの冒険者、名前は?」
 「シンジです。」
 「そうか、シンジか。ではシンジ、今から話したいことがあるからギルドマスター室まで行く。ついてこい。」


すると、もう1人の付き添いのような女性が案内する。

 「どうぞ、こちらの道です。」
 「さて、なぜ俺がお前をギルドマスター室に連れてくかわかるか?」
 「俺は断じて嘘を付いてない。」
 「まぁ、まて。俺はお前のことなんか疑ってない。」
 「な、でもあの受付は俺のことを一切、」
 「ではシリア、なぜ俺がシンジがあのモンスターの討伐数が嘘でないと思ってる。」

横にいる女性に問いかけた。

 「それはシンジさんの肩にスライムが乗っているからでは?」
 「え?」
 「うん、その通りだ。」
 「え、えーーーーーーー?」
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