29 / 37
斉藤さん
しおりを挟む
斉藤さんというアプリをご存知だろうか。
そのアプリでは見知らぬ誰かにランダムで電話をかけることができる。
もちろん相手も斉藤さんを持っていて、通話のアクションを起こす必要がある。
通話アクションを起こした2つのスマホが斉藤さんを通じて繋がるのだ。
一時期流行っていた記憶がある。
大抵は男が女を求めて使用して、外れの相手が出れば通話を切る。
そんな使われ方。
しばらくしてブームは去り、今では使う人もほとんど居ないだろう。
「うわ~ホントに繋がったよ」
僕のスマートフォンから通話越しにそんな声が聞こえてきた。
声の主は男で、通話が繋がったことに驚き、喜んでいるようだった。
「え、女ですか?男ですか?斉藤さんまだやってる人居るんだ」
声だけで、男がニヤニヤと不気味な笑みをしてるのが分かる。
僕はただただ困惑して、
「え、誰ですか」
とだけ、言う。
「あ~何だよ男かよ~」
わかりやすく落胆したように男は通話を切った。
ツーツーツーと、鳴り響くスマートフォン。
やはり、僕は動けないでいた。
斉藤さんなんてアプリ入れていないし、何より今の電話は非通知からかかってきた。
アプリなんかじゃなく、普通の電話だった。
そのアプリでは見知らぬ誰かにランダムで電話をかけることができる。
もちろん相手も斉藤さんを持っていて、通話のアクションを起こす必要がある。
通話アクションを起こした2つのスマホが斉藤さんを通じて繋がるのだ。
一時期流行っていた記憶がある。
大抵は男が女を求めて使用して、外れの相手が出れば通話を切る。
そんな使われ方。
しばらくしてブームは去り、今では使う人もほとんど居ないだろう。
「うわ~ホントに繋がったよ」
僕のスマートフォンから通話越しにそんな声が聞こえてきた。
声の主は男で、通話が繋がったことに驚き、喜んでいるようだった。
「え、女ですか?男ですか?斉藤さんまだやってる人居るんだ」
声だけで、男がニヤニヤと不気味な笑みをしてるのが分かる。
僕はただただ困惑して、
「え、誰ですか」
とだけ、言う。
「あ~何だよ男かよ~」
わかりやすく落胆したように男は通話を切った。
ツーツーツーと、鳴り響くスマートフォン。
やはり、僕は動けないでいた。
斉藤さんなんてアプリ入れていないし、何より今の電話は非通知からかかってきた。
アプリなんかじゃなく、普通の電話だった。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
【実体験アリ】怖い話まとめ
スキマ
ホラー
自身の体験や友人から聞いた怖い話のまとめになります。修学旅行後の怖い体験、お墓参り、出産前に起きた不思議な出来事、最近の怖い話など。個人や地域の特定を防ぐために名前や地名などを変更して紹介しています。
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
本当にあった怖い話
邪神 白猫
ホラー
リスナーさんや読者の方から聞いた体験談【本当にあった怖い話】を基にして書いたオムニバスになります。
完結としますが、体験談が追加され次第更新します。
LINEオプチャにて、体験談募集中✨
あなたの体験談、投稿してみませんか?
投稿された体験談は、YouTubeにて朗読させて頂く場合があります。
【邪神白猫】で検索してみてね🐱
↓YouTubeにて、朗読中(コピペで飛んでください)
https://youtube.com/@yuachanRio
※登場する施設名や人物名などは全て架空です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる