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第4章
第60話
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第60話
「はぁはぁはぁ、な、何が望みだ?
女が望みは分かる。何人必要なんだ」
先程まで武器を振り続けて疲れ切って座り込んだ冒険者が、俺の事をまだゴブオークだと思っているのか俺の望みを聞いてきた。
「望みをあえていうなら、このまま関所を通りたいんだけど」
「そんな事を許したら俺達がもうこの関所の町に居られなくなっちまう。それどころか立ち入り禁止になっちまううえ、ギルド証も取り上げられちまう。女ならこの中の冒険者のパーティの中から連れて行けよ」
この冒険者は未だに俺の事をオークだと思い込んでいる様子で話が通じない。すぐ近くにいる魔法を得意とする杖を上に掲げたままの三人の冒険者の近づいた。
「ねぇ、君たちも俺がオークに見えるかい?」
「は、はい。ぼ、僕にはオークにしか見えません」
「俺は魔物か人かどっちだろうと悩んでる」
「私には太った人に見えます」
三人のうち二人は魔物に見えると言い、一人は太った人に見えるという。その一人に近づいくと残りの二人はのけ反って避けた。
「ねぇ、人だと思ってて攻撃していたの?
なんで他の人に人間だって言わなかったんだい?」
「ご、ごめんなさい。他の人がオークだって騒いでいたのと、私からは遠かったので遠くから見ると緑色だったしゴブオークに見えたんです」
「え、え?え?人だったのか?オークの亜種じゃなくて?」
近くにいる二人が驚いて俺の身体を至近距離で見つめ出した所で、復活したシーバスが俺と二人の間に入って来た。
「この人の素性は俺が保証する。
だから門が開くまでは近寄るな」
「おいおいおい『ファミリー』のシーバスさんよ。あんたが保証したって大したランクじゃないだろうがよ。ファミリーの末端であるあんたの保証じゃ、信用出来ないんだよ!」
「なにぃ、ふざけんなよ!俺は末端なんかじゃねぇ!元々ファミリーは俺とアイツで作ったパーティだぞ」
「だけど今じゃあ、あんたとあの人の弟は完全にお荷物だろうがよ。あんたの妹達はまだ冒険者になって、そう日が経ってないから実力は分からんが、何なら俺が貰ってやっても良いぜ」
「シーバス?そのファミリーって何?」
完全にシーバスと先程俺に何が望みか聞いて来た冒険者と口喧嘩になっていた事から、会話の中で聞こえるファミリーについてシーバスに聞いた。
「ああ、ミーツさん。悪かった。しばらくここで静かに待っていよう。そしたら門も開くだろう。ファミリーは俺の所属しているパーティ名だよ。元々はガガモの兄貴と一緒に作ってやっていたんだが、次第にメンバーが増えて行きファミリーのパーティ名はそのままにファミリーS、A、B、Cとグループ分けしてだして実力主義の集まりになってしまった」
「そうなんだ。シーバスとガガモの兄貴が結成したパーティなのに何でシーバスが外されるんだい?」
「ハハハ、これだからオークの亜種は、やっぱり魔物だから何も知らなくて当然だな。こいつは自分の弟に追い出されたんだよ。あいつは実力があったのにしばらく無名でいたなんて、今でも信じられないぜ。でもあいつの情けで足手まといのあんたをファミリーの一番下に落として、妹達とあの人の弟のギルドランクとレベル上げの教育係にされたんだろうがよ」
「違うもん!何勝手に兄ちゃんの事を悪く言っているのさ」
「ですです。兄様を悪く言う人は許しません!」
アマとアミがいつの間にか、シーバスの事を馬鹿にしている冒険者の前に現れ、杖の先を冒険者に向けて魔法の詠唱を唱えていた。
「待て待て待て、お前達!この人の言っているのはデマだ。お前達まで本気にするな」
シーバスはアマとアミの杖の先の前に立ち、魔法を放てないように冒険者の前に立ち塞がった。
「チッ、クソが。ファミリーのゴミパーティでも、ファミリーの一員で身内でもあるやつから攻撃してくれてたらファミリーSからも治療費を取れたのによ」
「だろうと思ったよ。アマ、アミ、絶対こういう奴らには手を出すなよ。今後この手の奴らは俺に任せておけ」
「別に俺にとって、妹達じゃなくても暴力振るってくれるのはシーバスあんたでも良いんだぜククク」
「クズが!俺は絶対手を出さない」
俺は完全に蚊帳の外の状態だが、何となくシーバスが置かれている状況を察した。シーバス達がこのクズのような冒険者に手を出せないなら俺が手を出してやろうと、親指と小指でのデコピンの姿勢をとって、クズ冒険者の額を弾いた。
額を弾かれた冒険者は後方に飛んで行き、関所の外壁に頭をぶつけて気を失った。
殺してしまったかも知れないと思って、冒険者に駆け寄って状態を確認すると脈はあって気を失っているだけで安心した。
「ミーツさん、ありがとう。
でも、やり過ぎだ。あいつ絶対死んだだろ?」
「シーバス達が手を出してはいけないんだったら、この中で唯一のよそ者の俺がやるしかないでしょ。それに脈も心臓も動いていたし、死んでないよ。仮に後遺症があったとしたら仕方ないさ、魔物にでも襲われたとでも皆んなが証言してくれるさ。ね?皆んな」
シーバス同様に最初に気絶した冒険者達も今の俺の行動を一部始終見ていた為、後方で見ていた冒険者の方に笑顔で振り向くと、冒険者達は首が取れるんじゃないかと思うくらい首を縦に振り続けた。
「ね?シーバスも黙っていたら良いだけなんだよ。俺は関所を抜けると大和に行くだけだからさ」
「あ、あぁ、そうだな。ミーツさん、俺達の為に済まなかった」
シーバスとも話が終わり、他の冒険者達とも魔物だという事の誤解は解けて、俺を恐れて近寄らない冒険者を除いて沢山の冒険者達と楽しい会話が出来た。
他の冒険者との会話中に関所の門が開き、中から漆黒の鎧に大斧を持った男を先頭に数人の同じ漆黒の鎧から軽装を着込んだ男達が出てきた。
「はぁはぁはぁ、な、何が望みだ?
女が望みは分かる。何人必要なんだ」
先程まで武器を振り続けて疲れ切って座り込んだ冒険者が、俺の事をまだゴブオークだと思っているのか俺の望みを聞いてきた。
「望みをあえていうなら、このまま関所を通りたいんだけど」
「そんな事を許したら俺達がもうこの関所の町に居られなくなっちまう。それどころか立ち入り禁止になっちまううえ、ギルド証も取り上げられちまう。女ならこの中の冒険者のパーティの中から連れて行けよ」
この冒険者は未だに俺の事をオークだと思い込んでいる様子で話が通じない。すぐ近くにいる魔法を得意とする杖を上に掲げたままの三人の冒険者の近づいた。
「ねぇ、君たちも俺がオークに見えるかい?」
「は、はい。ぼ、僕にはオークにしか見えません」
「俺は魔物か人かどっちだろうと悩んでる」
「私には太った人に見えます」
三人のうち二人は魔物に見えると言い、一人は太った人に見えるという。その一人に近づいくと残りの二人はのけ反って避けた。
「ねぇ、人だと思ってて攻撃していたの?
なんで他の人に人間だって言わなかったんだい?」
「ご、ごめんなさい。他の人がオークだって騒いでいたのと、私からは遠かったので遠くから見ると緑色だったしゴブオークに見えたんです」
「え、え?え?人だったのか?オークの亜種じゃなくて?」
近くにいる二人が驚いて俺の身体を至近距離で見つめ出した所で、復活したシーバスが俺と二人の間に入って来た。
「この人の素性は俺が保証する。
だから門が開くまでは近寄るな」
「おいおいおい『ファミリー』のシーバスさんよ。あんたが保証したって大したランクじゃないだろうがよ。ファミリーの末端であるあんたの保証じゃ、信用出来ないんだよ!」
「なにぃ、ふざけんなよ!俺は末端なんかじゃねぇ!元々ファミリーは俺とアイツで作ったパーティだぞ」
「だけど今じゃあ、あんたとあの人の弟は完全にお荷物だろうがよ。あんたの妹達はまだ冒険者になって、そう日が経ってないから実力は分からんが、何なら俺が貰ってやっても良いぜ」
「シーバス?そのファミリーって何?」
完全にシーバスと先程俺に何が望みか聞いて来た冒険者と口喧嘩になっていた事から、会話の中で聞こえるファミリーについてシーバスに聞いた。
「ああ、ミーツさん。悪かった。しばらくここで静かに待っていよう。そしたら門も開くだろう。ファミリーは俺の所属しているパーティ名だよ。元々はガガモの兄貴と一緒に作ってやっていたんだが、次第にメンバーが増えて行きファミリーのパーティ名はそのままにファミリーS、A、B、Cとグループ分けしてだして実力主義の集まりになってしまった」
「そうなんだ。シーバスとガガモの兄貴が結成したパーティなのに何でシーバスが外されるんだい?」
「ハハハ、これだからオークの亜種は、やっぱり魔物だから何も知らなくて当然だな。こいつは自分の弟に追い出されたんだよ。あいつは実力があったのにしばらく無名でいたなんて、今でも信じられないぜ。でもあいつの情けで足手まといのあんたをファミリーの一番下に落として、妹達とあの人の弟のギルドランクとレベル上げの教育係にされたんだろうがよ」
「違うもん!何勝手に兄ちゃんの事を悪く言っているのさ」
「ですです。兄様を悪く言う人は許しません!」
アマとアミがいつの間にか、シーバスの事を馬鹿にしている冒険者の前に現れ、杖の先を冒険者に向けて魔法の詠唱を唱えていた。
「待て待て待て、お前達!この人の言っているのはデマだ。お前達まで本気にするな」
シーバスはアマとアミの杖の先の前に立ち、魔法を放てないように冒険者の前に立ち塞がった。
「チッ、クソが。ファミリーのゴミパーティでも、ファミリーの一員で身内でもあるやつから攻撃してくれてたらファミリーSからも治療費を取れたのによ」
「だろうと思ったよ。アマ、アミ、絶対こういう奴らには手を出すなよ。今後この手の奴らは俺に任せておけ」
「別に俺にとって、妹達じゃなくても暴力振るってくれるのはシーバスあんたでも良いんだぜククク」
「クズが!俺は絶対手を出さない」
俺は完全に蚊帳の外の状態だが、何となくシーバスが置かれている状況を察した。シーバス達がこのクズのような冒険者に手を出せないなら俺が手を出してやろうと、親指と小指でのデコピンの姿勢をとって、クズ冒険者の額を弾いた。
額を弾かれた冒険者は後方に飛んで行き、関所の外壁に頭をぶつけて気を失った。
殺してしまったかも知れないと思って、冒険者に駆け寄って状態を確認すると脈はあって気を失っているだけで安心した。
「ミーツさん、ありがとう。
でも、やり過ぎだ。あいつ絶対死んだだろ?」
「シーバス達が手を出してはいけないんだったら、この中で唯一のよそ者の俺がやるしかないでしょ。それに脈も心臓も動いていたし、死んでないよ。仮に後遺症があったとしたら仕方ないさ、魔物にでも襲われたとでも皆んなが証言してくれるさ。ね?皆んな」
シーバス同様に最初に気絶した冒険者達も今の俺の行動を一部始終見ていた為、後方で見ていた冒険者の方に笑顔で振り向くと、冒険者達は首が取れるんじゃないかと思うくらい首を縦に振り続けた。
「ね?シーバスも黙っていたら良いだけなんだよ。俺は関所を抜けると大和に行くだけだからさ」
「あ、あぁ、そうだな。ミーツさん、俺達の為に済まなかった」
シーバスとも話が終わり、他の冒険者達とも魔物だという事の誤解は解けて、俺を恐れて近寄らない冒険者を除いて沢山の冒険者達と楽しい会話が出来た。
他の冒険者との会話中に関所の門が開き、中から漆黒の鎧に大斧を持った男を先頭に数人の同じ漆黒の鎧から軽装を着込んだ男達が出てきた。
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