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第4章
第23話
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第23話
「体調はどうだい?」
俺はなるべく優しい口調で上半身を起こしている少年に話しかけた。
「だ、大丈夫です。
ダンクさんの言う通り、僕にはあまり時間が残されていません。
だからミーツさんの知りたい事について話したいと思います。
ただし、僕の知っている内容でですけど、知らない事については知らないと答えます」
「ああ、それで大丈夫だ。
俺は君の幼馴染の少女からしか聞いてないけど、町が魔物に襲われて壊滅したってのは間違いないんだよな?」
「はい、それは間違いないです」
「じゃあ、その魔物達はどこから来たんだ?
近くにダンジョンがあってスタンピードがあったとかか?」
「それは分かりません。僕は最初避難所に避難してまして、その避難所には見張り台の人も避難してました。その人の話では魔物は道の真ん中から急に現れたと言ってました。
近くに森はありますが、森からは魔物の影も形もなかったと聞きました」
「いや、ちょっと待て、避難所に避難していた?
避難所は魔物に襲われて壊れたって聞いたぞ?
避難所にいたのに何で屋根に登っていたんだ?
あの屋根こそが避難所の屋根だったのか?」
「ミーツちゃん、一気に聞きすぎよ!
あまり時間が残されてないのは、この子も腐人になっちゃうからなのよ」
「え、な、なんで?どう言う事だよ」
「はぁ、はぁ、はぁ、だ、大丈夫です。
少しづつゆっくり話せば、もう少し持つと思います。避難所は確かに魔物に襲われて壊滅しました。
ですが、避難所には大勢の人がいた為に大混乱になって、混乱のなか避難所の抜け道を通って逃げ出せられたんです。
僕の父は副町長だったから多少の裏道や事情を知っていたんです。
そ、その抜け道は小柄な僕や子供しか抜けられない道幅だった為、抜け道から逃げる時、一部の大人達が自分の子供だけでもと、僕に子供達を託して自ら魔物の盾になったんです。
それからは、大勢の子達を連れながら魔物に見つからない様に町の外に出る事を考えましたけど、魔物は町中に入り込んでいて、とてもじゃないけど外に出られる状況じゃなかったです。
仕方なく、壊れてなく魔物に見つからない様な大きな建物の屋根に登って息を潜めていたんです。
そして、しばらくして子供の一人が気が付いたんです。
それは町の広場に、とても大きな花が咲いて現れた事にです。
僕たちが登った建物は町の広場に近い場所だったんです。
それで、その大きな花は黒く大きな塊を空に向かって飛ばして花は枯れました。
何だったんだろう?とその時は思いましたけど、それは直ぐに分かりました。
空から黒い粉が降ってきたんです。
その粉は魔物に殺された死体に触れると死体はゆっくりと動きだしたんです。
動く死体の事を腐人っていうんですね。
ダンクさんに聞きました。
まだ町には僕たちの様に生きていて家に潜んでいる人もいましたけど、黒い粉に触れて動きだした死体の腐人は生きている人がいる家々に大量に押し寄せて行き、運良く逃げ出せられた人も腐人に食べられてしまったりしました。
僕たちの様に傷付きながら屋根に登った人達も少しですけどいましたが、降り続ける黒い粉に触れてしばらくすると腐人になっていったんです」
成る程、腐人になったのはゴースト系の魔物が死体に入り込んだとかじゃなかったのか。
大きな花に黒い粉、突如現れた魔物大群、分からない事だらけだ。
異世界だし無理もない事だけど先々いずれ分かる時がくるのか?
「それでキミ達もその黒い粉に触れたんだね」
「はい、でも少しです。
直ぐにかからない様に服で肌を隠しましたし、小さな子達にもかからない様にしたつもりでした。
こんな事になるなら、あの時のあの人の警告を素直に受けていたら良かったと今になって思います」
あの人?何の事だ?
そう思って問いただそうとすると、少年の容体が急変しだした。
「グプッゴボッヴッ、ヴヴヴ~」
「もう時間切れみたいね。
ミーツちゃん、もう話が出来ないわ終わりよ」
「そうか」
とうとう終わりの時が来たと思ったが、こういう時どういった言葉が相応しいか分からなくて姐さんの時間切れという言葉に『そうか』しか言えなく、少年から数歩距離を置いて後ずさると、腐人の唸り声をあげ続ける少年に姐さんは近寄った。
「今、楽にしてあげるからね」
姐さんは少年の頭を両手で包んで独楽回しみたいに勢いよくクルクルと回して、少年の首をネジ切った。
少年の頭は床に落ちて、頭だけで唸り声を上げだしたが、すかさず姐さんは少年の頭に指を突き完全に停止させた。
それからは他のキャンピングカーで寝ている子供達と少女を起こして、最後の別れとして少年の遺体を見せて別れを終わらせ、岩のドームの中で穴を掘り埋めた。
子供達と少女は埋葬した少年の所から泣きながら動こうとしなかった為、俺はシオンと姐さん連れて少年の死んだキャンピングカーではなく、俺たちのキャンピングカーで今後どうするかを話し合う為に乗り込んだ。
「ミーツちゃん、あの子達はこれからどうするの?この先の王都に連れて行ってもあの子達には可哀想な未来しかないわよ」
「そうだな。ダンクの言う通りだ。
見切りをつけて、お前が早めに他所の国に連れて行ってあげるのが無難だな」
「え?何なんだよ。急に姐さんもシオンもあの子達にどんな未来があるっていうんだよ」
「あ、ダンク、こいつにこの国の事言ってなかったのか?」
「あたしはてっきりシオンちゃんが既に言ってたと思っていたわ」
どういう事だろう。
シオンも姐さんも気まずそうにしだした。
「分かったわ。じゃあ、あたしが教えてあげる。
この国は奴隷の国と呼ばれているくらい奴隷の売買に盛んな国なの。王族貴族は勿論飼っているし、一般家庭にも奴隷を持っている所もあるくらい奴隷がいるの。
それもこの国には奴隷売買用の奴隷と奴隷商人が住み暮らす秘密の村が幾つもあるの。
その奴隷は主に人族以外の種族がいるわ。
エルフや獣人といった人達ね」
姐さんの話の途中だが、気になった事を聞く事にした。
「いや待ってくれ、エルフや獣人って人より優れた身体能力を持っているんじゃないのかい?
何で人族の奴隷なんかになるのさ」
「それはね。奴隷商人の何人かが昔、戦争で負けたエルフや獣人を抵抗出来ないように隷従の首輪を着けさせたエルフと獣人のつがいを数組連れて来て少しづつ増やしたり、人族の奴隷と交配させて増やしていったといわれているわ」
「な、何なんだよ。この国は腐ってる!
ち、因みにだよ、この腐った国をどうにかしようとした人はいなかったのかい?
例えば大和とか」
大和には転生者や転移者が多くいると聞いているから、警告やら奴隷解放運動やらをやっていても不思議じゃない。
「そうね。あたしもその辺りの話までは分からないわ。少しの間この国にいた時があったときに見聞きした事だから、でも色んな種族や国に恨みを持たれているみたいね。
それでね。親を亡くして身寄りがない子や、国が定めた税を払えない人は奴隷に落とされるの。
だからミーツちゃんがあの子達を王都や、この国の何処かの町や村に連れて行っても、奴隷にされるだけなのよ。
それで良いところに買って貰えれば良いけど、悪い所だと……」
姐さんは言いにくそうに言葉に詰まった。
成る程じゃあ、あの時に現れた黒衣の男に従って王都に寄らずに大和に向かった方がいいのかな?
そう一瞬思ったが、流石に王族貴族は腐っていても民には罪は無いはずだと解釈して助けられる命は助けて次に進もうと考え直した。
「だったら、あの子達も俺達と一緒に大和に連れて行けば良いだけの話だ」
「そうだけど、これからも魔物が出るのに守りながら戦うの?ミーツちゃんにそれが出来るの?
出来るっていうなら連れて行ってもいいわ。
でも、あたしやシオンちゃんを当てにした連れて行くっていうならこの国に置いていくわよ」
姐さんらしくないドライな答えが返ってきて少し驚いてしまったが、俺一人では完璧に守り通すのは、無理かも知れないがソルトもいる事だし、なるとかなるだろう。
「分かった。なら俺があの子達を連れて行くよ。
姐さんはいつも通り、馬車に近づく魔物達を払ってくれよ」
「いいわ。でも本当に邪魔になるようだったら置いて行くわよ」
「それで構わないよ。あ、そういえば少年が腐人になる前に気になる事を言っていたけど姐さん、何か聞いてないかい?」
「あー、その事ね。
話の流れで最後に言おうと思っていたのよ。
あの男の子に聞いた話だとね、町が壊滅する数日前から奴隷達を解放しないと大きな災いが降りかかると言って回っていた人がいたみたいなの。
あの男の子が言っていたのは多分その事ね」
矢張り気になるな。
大和が関係しているなら、武力行使でもして奴隷解放をしているだろうし、個人で回っていたとしても出来る事は限られてくるし、個人で魔物を大量に作り出す事が可能なのか?
黒い花に突然現れた大量の魔物、今考えて分からない事だらけだ。
それにしても、あの黒衣の男の存在が俺の頭から離れない、
俺のステータスを弄った男だ無理もない話だ。
「体調はどうだい?」
俺はなるべく優しい口調で上半身を起こしている少年に話しかけた。
「だ、大丈夫です。
ダンクさんの言う通り、僕にはあまり時間が残されていません。
だからミーツさんの知りたい事について話したいと思います。
ただし、僕の知っている内容でですけど、知らない事については知らないと答えます」
「ああ、それで大丈夫だ。
俺は君の幼馴染の少女からしか聞いてないけど、町が魔物に襲われて壊滅したってのは間違いないんだよな?」
「はい、それは間違いないです」
「じゃあ、その魔物達はどこから来たんだ?
近くにダンジョンがあってスタンピードがあったとかか?」
「それは分かりません。僕は最初避難所に避難してまして、その避難所には見張り台の人も避難してました。その人の話では魔物は道の真ん中から急に現れたと言ってました。
近くに森はありますが、森からは魔物の影も形もなかったと聞きました」
「いや、ちょっと待て、避難所に避難していた?
避難所は魔物に襲われて壊れたって聞いたぞ?
避難所にいたのに何で屋根に登っていたんだ?
あの屋根こそが避難所の屋根だったのか?」
「ミーツちゃん、一気に聞きすぎよ!
あまり時間が残されてないのは、この子も腐人になっちゃうからなのよ」
「え、な、なんで?どう言う事だよ」
「はぁ、はぁ、はぁ、だ、大丈夫です。
少しづつゆっくり話せば、もう少し持つと思います。避難所は確かに魔物に襲われて壊滅しました。
ですが、避難所には大勢の人がいた為に大混乱になって、混乱のなか避難所の抜け道を通って逃げ出せられたんです。
僕の父は副町長だったから多少の裏道や事情を知っていたんです。
そ、その抜け道は小柄な僕や子供しか抜けられない道幅だった為、抜け道から逃げる時、一部の大人達が自分の子供だけでもと、僕に子供達を託して自ら魔物の盾になったんです。
それからは、大勢の子達を連れながら魔物に見つからない様に町の外に出る事を考えましたけど、魔物は町中に入り込んでいて、とてもじゃないけど外に出られる状況じゃなかったです。
仕方なく、壊れてなく魔物に見つからない様な大きな建物の屋根に登って息を潜めていたんです。
そして、しばらくして子供の一人が気が付いたんです。
それは町の広場に、とても大きな花が咲いて現れた事にです。
僕たちが登った建物は町の広場に近い場所だったんです。
それで、その大きな花は黒く大きな塊を空に向かって飛ばして花は枯れました。
何だったんだろう?とその時は思いましたけど、それは直ぐに分かりました。
空から黒い粉が降ってきたんです。
その粉は魔物に殺された死体に触れると死体はゆっくりと動きだしたんです。
動く死体の事を腐人っていうんですね。
ダンクさんに聞きました。
まだ町には僕たちの様に生きていて家に潜んでいる人もいましたけど、黒い粉に触れて動きだした死体の腐人は生きている人がいる家々に大量に押し寄せて行き、運良く逃げ出せられた人も腐人に食べられてしまったりしました。
僕たちの様に傷付きながら屋根に登った人達も少しですけどいましたが、降り続ける黒い粉に触れてしばらくすると腐人になっていったんです」
成る程、腐人になったのはゴースト系の魔物が死体に入り込んだとかじゃなかったのか。
大きな花に黒い粉、突如現れた魔物大群、分からない事だらけだ。
異世界だし無理もない事だけど先々いずれ分かる時がくるのか?
「それでキミ達もその黒い粉に触れたんだね」
「はい、でも少しです。
直ぐにかからない様に服で肌を隠しましたし、小さな子達にもかからない様にしたつもりでした。
こんな事になるなら、あの時のあの人の警告を素直に受けていたら良かったと今になって思います」
あの人?何の事だ?
そう思って問いただそうとすると、少年の容体が急変しだした。
「グプッゴボッヴッ、ヴヴヴ~」
「もう時間切れみたいね。
ミーツちゃん、もう話が出来ないわ終わりよ」
「そうか」
とうとう終わりの時が来たと思ったが、こういう時どういった言葉が相応しいか分からなくて姐さんの時間切れという言葉に『そうか』しか言えなく、少年から数歩距離を置いて後ずさると、腐人の唸り声をあげ続ける少年に姐さんは近寄った。
「今、楽にしてあげるからね」
姐さんは少年の頭を両手で包んで独楽回しみたいに勢いよくクルクルと回して、少年の首をネジ切った。
少年の頭は床に落ちて、頭だけで唸り声を上げだしたが、すかさず姐さんは少年の頭に指を突き完全に停止させた。
それからは他のキャンピングカーで寝ている子供達と少女を起こして、最後の別れとして少年の遺体を見せて別れを終わらせ、岩のドームの中で穴を掘り埋めた。
子供達と少女は埋葬した少年の所から泣きながら動こうとしなかった為、俺はシオンと姐さん連れて少年の死んだキャンピングカーではなく、俺たちのキャンピングカーで今後どうするかを話し合う為に乗り込んだ。
「ミーツちゃん、あの子達はこれからどうするの?この先の王都に連れて行ってもあの子達には可哀想な未来しかないわよ」
「そうだな。ダンクの言う通りだ。
見切りをつけて、お前が早めに他所の国に連れて行ってあげるのが無難だな」
「え?何なんだよ。急に姐さんもシオンもあの子達にどんな未来があるっていうんだよ」
「あ、ダンク、こいつにこの国の事言ってなかったのか?」
「あたしはてっきりシオンちゃんが既に言ってたと思っていたわ」
どういう事だろう。
シオンも姐さんも気まずそうにしだした。
「分かったわ。じゃあ、あたしが教えてあげる。
この国は奴隷の国と呼ばれているくらい奴隷の売買に盛んな国なの。王族貴族は勿論飼っているし、一般家庭にも奴隷を持っている所もあるくらい奴隷がいるの。
それもこの国には奴隷売買用の奴隷と奴隷商人が住み暮らす秘密の村が幾つもあるの。
その奴隷は主に人族以外の種族がいるわ。
エルフや獣人といった人達ね」
姐さんの話の途中だが、気になった事を聞く事にした。
「いや待ってくれ、エルフや獣人って人より優れた身体能力を持っているんじゃないのかい?
何で人族の奴隷なんかになるのさ」
「それはね。奴隷商人の何人かが昔、戦争で負けたエルフや獣人を抵抗出来ないように隷従の首輪を着けさせたエルフと獣人のつがいを数組連れて来て少しづつ増やしたり、人族の奴隷と交配させて増やしていったといわれているわ」
「な、何なんだよ。この国は腐ってる!
ち、因みにだよ、この腐った国をどうにかしようとした人はいなかったのかい?
例えば大和とか」
大和には転生者や転移者が多くいると聞いているから、警告やら奴隷解放運動やらをやっていても不思議じゃない。
「そうね。あたしもその辺りの話までは分からないわ。少しの間この国にいた時があったときに見聞きした事だから、でも色んな種族や国に恨みを持たれているみたいね。
それでね。親を亡くして身寄りがない子や、国が定めた税を払えない人は奴隷に落とされるの。
だからミーツちゃんがあの子達を王都や、この国の何処かの町や村に連れて行っても、奴隷にされるだけなのよ。
それで良いところに買って貰えれば良いけど、悪い所だと……」
姐さんは言いにくそうに言葉に詰まった。
成る程じゃあ、あの時に現れた黒衣の男に従って王都に寄らずに大和に向かった方がいいのかな?
そう一瞬思ったが、流石に王族貴族は腐っていても民には罪は無いはずだと解釈して助けられる命は助けて次に進もうと考え直した。
「だったら、あの子達も俺達と一緒に大和に連れて行けば良いだけの話だ」
「そうだけど、これからも魔物が出るのに守りながら戦うの?ミーツちゃんにそれが出来るの?
出来るっていうなら連れて行ってもいいわ。
でも、あたしやシオンちゃんを当てにした連れて行くっていうならこの国に置いていくわよ」
姐さんらしくないドライな答えが返ってきて少し驚いてしまったが、俺一人では完璧に守り通すのは、無理かも知れないがソルトもいる事だし、なるとかなるだろう。
「分かった。なら俺があの子達を連れて行くよ。
姐さんはいつも通り、馬車に近づく魔物達を払ってくれよ」
「いいわ。でも本当に邪魔になるようだったら置いて行くわよ」
「それで構わないよ。あ、そういえば少年が腐人になる前に気になる事を言っていたけど姐さん、何か聞いてないかい?」
「あー、その事ね。
話の流れで最後に言おうと思っていたのよ。
あの男の子に聞いた話だとね、町が壊滅する数日前から奴隷達を解放しないと大きな災いが降りかかると言って回っていた人がいたみたいなの。
あの男の子が言っていたのは多分その事ね」
矢張り気になるな。
大和が関係しているなら、武力行使でもして奴隷解放をしているだろうし、個人で回っていたとしても出来る事は限られてくるし、個人で魔物を大量に作り出す事が可能なのか?
黒い花に突然現れた大量の魔物、今考えて分からない事だらけだ。
それにしても、あの黒衣の男の存在が俺の頭から離れない、
俺のステータスを弄った男だ無理もない話だ。
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