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第3章
第39話
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第39話
「ところで、王様がキミ達冒険者達を解放しなかったら、どうするつもりかい?」
檻から出されて手枷されたまま、もう一つのダンジョンに向かう途中でグリーさんは、俺に話し掛けて来た。
先程ガメニ達に言った事を、そのままグリーさんにも言ってやろうと思って言ってみようかな。
「もし、この王もギルドマスター同様にクズなら、城を消滅させてダンジョンのある街って事になるだけですね」
「なっ!キミは私や城で働いている皆んなをも殺してしまおうとしているのか!」
「違いますね。王と王妃がクズなら二人だけ死んで貰う必要がありますが、無関係な城の人達はそのままで城は消滅します。私にはそれだけの力がありますから、因みに言うとこんな手枷は意味ないですから」
「手枷が意味ない?馬鹿を言っちゃいけないよ。コレはね、魔力を封じ込めつつスキルも封じる特別な手枷なんだよ」
何やらこんな玩具みたいな手枷で、完全に拘束した気でいるみたいだ。
それなら壊してみるか、腕に力を込めて手首を捻り左右を引っ張ると簡単にバキバキっと壊れた。
「な、なんだと?これは特別製の手枷なんだよ。確かにキミには手枷は不必要なのは分かったけど、こんな力があったら壊す必要なかったんじゃないか?」
「そうですね。壊さなくても外す事は出来たかも知れないですが、グリーさんがこの手枷に多大な信頼を持っていたので、壊す事も出来る人が居ますよって言う警告です」
「だが、しかし、これに掛かる費用が…」
あぁ、お金の問題か、なら凍らせて死んだスカラベ3つで足りるかな?
「費用が問題ならコレで足りますか?」
スカラベを出してグリーさんに手渡した。
「こ、これは?」
「あのダンジョンで倒した魔物ですよ。
コレで足らなかったら、まだまだ持っていますから必要なだけ言って下さい」
「いや、充分だ。私はこれから兵士長の元に行くから部下達に、もう一つのダンジョンに連れて行って貰うといい」
グリーさんはそれだけ言うと、小走りで走って行った。残った俺はグリーさんの部下である、兵士二人に連れて行って貰った先は、あのダンジョンと同じ様な作りで、檻の内側に冒険者が三人居た。
俺はその檻に入れてもらい、中に居た冒険者に話し掛けた。
「なぁ、キミ達はどの位この場所に居るんだい?」
「あ?俺達は疲れてんだよ!
オッサンみたいな頼りなさそうな冒険者は必要ないんだよ」
三人のうちの三人とも俺を邪魔者扱いしている。
最初のガメニみたいに拳骨でもかましてやろうかと思ったが、今の俺が拳骨をやると殺してしまうかも知れないし、手加減を覚えてからにしてやろうと思った。
「なら、もういいよ。
俺は俺でこのダンジョンを潰すから」
俺の言った事に三人中一人が反応した。
残りの二人は何言ってんだ?
馬鹿じゃねぇの?と言った感じで蔑んだ目で見ている。
「は?潰す?どう言う事だ?オッサン」
「どいつもこいつも、第一声はオッサンって、確かにオッサンだけど腹立つな。
そのまんまの意味だよ。この場所にダンジョンは一つで良いんだよ」
「意味分かんねーよ。
潰せるのか?潰せるだけのスキルがアンタにあるのか?潰したら、もう一つのダンジョンに俺は行けるのか?」
「力もスキルもあるぞ。
もう一つのダンジョンに行けるかどうかは分からんけど、可能性はあるな。
行きたいのか?厳しい方のダンジョンに」
「あぁ、行きたい。
俺の仲間があそこに連れて行かれたからな。生きていたら会えるかもしれないしな」
「そうか、そいつの名前は?」
「メリアンって名前だけど聞いた事あるか?」
「悪いがないな。名前からして女っぽいけど、仲間は女か?」
「そうだ。俺達は4人パーティでパーティごと捕まって、残りの2人は牢屋に居るんじゃねぇかな」
「悪いが、あっちのダンジョンでは女は居なかったよ」
「畜生!やっぱりこんな所に来なきゃよかったぜ」
若者は壁を素手で思いっきり何度も殴って、手を血だらけにしている。
「俺はミーツって言うんだが、キミは何て名前だ?」
「もう、名前なんてどうでも良いよ。
だけど、俺はガメニだ」
「は?ガメニってよく居る名前なのか?」
「あ?多分いねぇと思うぜ」
「俺が居た向こうのダンジョンでもガメニっていたんだけど、知っているか?
向こうのガメニにダンジョン攻略を手伝って貰っていたんだが」
「も、もしかしたら、それがメリアンかも知れねぇな。アイツは普段から髪短いし、胸も魔導着で隠してるしな!」
そうなのか?そう言われれば、不審な点がいくつもあった様な気がする。
俺の裸を見て赤くなったり、俺の前で服を脱がなかったり、風呂上がりのアイツを見てドキッとしたり、スカルブが頑なにビッチと言ったりあれが女なら全部辻褄が合う。
「アイツ、メリアンって名前だったんだ」
「ああ!希望が出て来たぜ。
オッサン、俺に手伝える事があれば手伝わせてくれ!メリアンがオッサンを手伝ったんなら仲間の俺が手伝わない訳にはいかないからな」
本当のガメニが手伝ってくれる事になったが、そもそも、このダンジョンは攻略されたのか?
優しい方だと言うくらいだし、攻略はされているんだろうな。
「じゃあ、ダンジョンコアの案内を頼む」
「ダンジョンコアの場所なんて知らないぜ。
ダンジョンボスなら何度か倒した事あるけどコアは分からない」
俺はコッソリ小さな声でスカルブに問いかけた。
「スカルブ、こちらのダンジョンコアの在処は分かるか?」
「回答、入れば分かると思います。天然のダンジョンな為、移動する事があります」
「分かった。ならコアが近くにあると分かったら報告を頼む」
「なにブツブツ独り言を言ってんだ?
潰すなら早く行こうぜ!」
「疲れているんじゃないのか?」
「メリアンが生きてるかも知れないって分かっただけで疲れが吹っ飛んだよ」
「そうか、なら案内を頼む」
そうして俺達2人と透明化のスカルブとでダンジョンに潜る事となった。
ダンジョンまでの道のりは、向こう側と同じだけど、ダンジョンに入ってみると、魔物が全くいない事に驚いた。
「なあ、ガメニ、何で魔物が全く居ないんだ?」
「それは俺達が倒したからだよ。ダンジョンの魔物は簡単に復活しないんだよ」
コッソリとスカルブにも聞くと、スカルブもガメニと同じ答えを言って来た。
「じゃあ、魔物と会えないのは残念だけど、こちらではどんな魔物がいるんだ?」
「そうだな。1m程の黄金鴉に普通のゴブリンにホブゴブリンと、ゴールドモスくらいかな。普通に遭遇する魔物はな」
「は?ゴールドモス?レッドモスじゃなくて?それに、たったそれだけなのか?」
「普通はそんなもんだぜ、レッドモスは聞いた事無いけど、ゴールドモスとどう違うんだ?ゴールドモスは鱗粉に触れると軽く痺れるくらいだけど」
「レッドモスもほぼ一緒だけど、赤く染まった時の鱗粉に触れると火傷するんだよ。
結構重度のな。他にも凶悪で最悪な魔物だらけだったよ」
「そんな恐ろしいのがいるのか!
よく、メリアンは生きてたな」
ガメニの案内で魔物が居ないダンジョンを進み、地下五階程下りた辺りで、ダンジョンボスのいる部屋に行き着くと、そこには金色のオーガが三匹居た。
「今日は倒してなかったからな。
それに、ここのダンジョンボスは日によって違うんだ。
今日はオーガだけど、牛魔の時やジャイアントゴブリンの時もあるんだ。って今日は外れだな。オーガ三匹は俺一人じゃ手に余るよ」
ガメニと話していると、オーガが走ってやって来た。その行動にガメニは岩によじ登って逃げた。
オーガも一人で倒せないのか情け無いなぁ。
「はぁ、お前弱いんだな。
こんなのも一人で倒せないなんてな」
俺は岩によじ登ったガメニを見ながら言うと、俺の背後に迫ってきたオーガは俺を鋭い爪で切り裂こうとしたが、俺は裏拳一発をお見舞いした。
すると、オーガの頭は弾け飛び、一撃で終わった。残りの二匹は俺の行動をみて距離をとって左右に散った。
だが俺は近づかないならと、自らオーガに近づいて、回し蹴りを一発食らわし、もう一匹にはI.Bから直ぐに取り出した刀を思いっきり投げて、頭に突き刺した。
「アンタってスゲェんだな。
見た目は貴族みたいな服装で腹が出ているオッサンなのに、動きは高ランクの冒険者並みの動きって凄すぎるだろ」
「これでも、ランクはAだからな」
「そ、そうなのか?もっと上だと思ったけど最近ギルド証は更新したか?」
「そういえば、してないな。
しばらく更新はするつもりはないし、いいかなって思っているよ」
こうして優しい方のダンジョンは攻略した。
向こうのに比べると本当に優しかったな。
「ところで、王様がキミ達冒険者達を解放しなかったら、どうするつもりかい?」
檻から出されて手枷されたまま、もう一つのダンジョンに向かう途中でグリーさんは、俺に話し掛けて来た。
先程ガメニ達に言った事を、そのままグリーさんにも言ってやろうと思って言ってみようかな。
「もし、この王もギルドマスター同様にクズなら、城を消滅させてダンジョンのある街って事になるだけですね」
「なっ!キミは私や城で働いている皆んなをも殺してしまおうとしているのか!」
「違いますね。王と王妃がクズなら二人だけ死んで貰う必要がありますが、無関係な城の人達はそのままで城は消滅します。私にはそれだけの力がありますから、因みに言うとこんな手枷は意味ないですから」
「手枷が意味ない?馬鹿を言っちゃいけないよ。コレはね、魔力を封じ込めつつスキルも封じる特別な手枷なんだよ」
何やらこんな玩具みたいな手枷で、完全に拘束した気でいるみたいだ。
それなら壊してみるか、腕に力を込めて手首を捻り左右を引っ張ると簡単にバキバキっと壊れた。
「な、なんだと?これは特別製の手枷なんだよ。確かにキミには手枷は不必要なのは分かったけど、こんな力があったら壊す必要なかったんじゃないか?」
「そうですね。壊さなくても外す事は出来たかも知れないですが、グリーさんがこの手枷に多大な信頼を持っていたので、壊す事も出来る人が居ますよって言う警告です」
「だが、しかし、これに掛かる費用が…」
あぁ、お金の問題か、なら凍らせて死んだスカラベ3つで足りるかな?
「費用が問題ならコレで足りますか?」
スカラベを出してグリーさんに手渡した。
「こ、これは?」
「あのダンジョンで倒した魔物ですよ。
コレで足らなかったら、まだまだ持っていますから必要なだけ言って下さい」
「いや、充分だ。私はこれから兵士長の元に行くから部下達に、もう一つのダンジョンに連れて行って貰うといい」
グリーさんはそれだけ言うと、小走りで走って行った。残った俺はグリーさんの部下である、兵士二人に連れて行って貰った先は、あのダンジョンと同じ様な作りで、檻の内側に冒険者が三人居た。
俺はその檻に入れてもらい、中に居た冒険者に話し掛けた。
「なぁ、キミ達はどの位この場所に居るんだい?」
「あ?俺達は疲れてんだよ!
オッサンみたいな頼りなさそうな冒険者は必要ないんだよ」
三人のうちの三人とも俺を邪魔者扱いしている。
最初のガメニみたいに拳骨でもかましてやろうかと思ったが、今の俺が拳骨をやると殺してしまうかも知れないし、手加減を覚えてからにしてやろうと思った。
「なら、もういいよ。
俺は俺でこのダンジョンを潰すから」
俺の言った事に三人中一人が反応した。
残りの二人は何言ってんだ?
馬鹿じゃねぇの?と言った感じで蔑んだ目で見ている。
「は?潰す?どう言う事だ?オッサン」
「どいつもこいつも、第一声はオッサンって、確かにオッサンだけど腹立つな。
そのまんまの意味だよ。この場所にダンジョンは一つで良いんだよ」
「意味分かんねーよ。
潰せるのか?潰せるだけのスキルがアンタにあるのか?潰したら、もう一つのダンジョンに俺は行けるのか?」
「力もスキルもあるぞ。
もう一つのダンジョンに行けるかどうかは分からんけど、可能性はあるな。
行きたいのか?厳しい方のダンジョンに」
「あぁ、行きたい。
俺の仲間があそこに連れて行かれたからな。生きていたら会えるかもしれないしな」
「そうか、そいつの名前は?」
「メリアンって名前だけど聞いた事あるか?」
「悪いがないな。名前からして女っぽいけど、仲間は女か?」
「そうだ。俺達は4人パーティでパーティごと捕まって、残りの2人は牢屋に居るんじゃねぇかな」
「悪いが、あっちのダンジョンでは女は居なかったよ」
「畜生!やっぱりこんな所に来なきゃよかったぜ」
若者は壁を素手で思いっきり何度も殴って、手を血だらけにしている。
「俺はミーツって言うんだが、キミは何て名前だ?」
「もう、名前なんてどうでも良いよ。
だけど、俺はガメニだ」
「は?ガメニってよく居る名前なのか?」
「あ?多分いねぇと思うぜ」
「俺が居た向こうのダンジョンでもガメニっていたんだけど、知っているか?
向こうのガメニにダンジョン攻略を手伝って貰っていたんだが」
「も、もしかしたら、それがメリアンかも知れねぇな。アイツは普段から髪短いし、胸も魔導着で隠してるしな!」
そうなのか?そう言われれば、不審な点がいくつもあった様な気がする。
俺の裸を見て赤くなったり、俺の前で服を脱がなかったり、風呂上がりのアイツを見てドキッとしたり、スカルブが頑なにビッチと言ったりあれが女なら全部辻褄が合う。
「アイツ、メリアンって名前だったんだ」
「ああ!希望が出て来たぜ。
オッサン、俺に手伝える事があれば手伝わせてくれ!メリアンがオッサンを手伝ったんなら仲間の俺が手伝わない訳にはいかないからな」
本当のガメニが手伝ってくれる事になったが、そもそも、このダンジョンは攻略されたのか?
優しい方だと言うくらいだし、攻略はされているんだろうな。
「じゃあ、ダンジョンコアの案内を頼む」
「ダンジョンコアの場所なんて知らないぜ。
ダンジョンボスなら何度か倒した事あるけどコアは分からない」
俺はコッソリ小さな声でスカルブに問いかけた。
「スカルブ、こちらのダンジョンコアの在処は分かるか?」
「回答、入れば分かると思います。天然のダンジョンな為、移動する事があります」
「分かった。ならコアが近くにあると分かったら報告を頼む」
「なにブツブツ独り言を言ってんだ?
潰すなら早く行こうぜ!」
「疲れているんじゃないのか?」
「メリアンが生きてるかも知れないって分かっただけで疲れが吹っ飛んだよ」
「そうか、なら案内を頼む」
そうして俺達2人と透明化のスカルブとでダンジョンに潜る事となった。
ダンジョンまでの道のりは、向こう側と同じだけど、ダンジョンに入ってみると、魔物が全くいない事に驚いた。
「なあ、ガメニ、何で魔物が全く居ないんだ?」
「それは俺達が倒したからだよ。ダンジョンの魔物は簡単に復活しないんだよ」
コッソリとスカルブにも聞くと、スカルブもガメニと同じ答えを言って来た。
「じゃあ、魔物と会えないのは残念だけど、こちらではどんな魔物がいるんだ?」
「そうだな。1m程の黄金鴉に普通のゴブリンにホブゴブリンと、ゴールドモスくらいかな。普通に遭遇する魔物はな」
「は?ゴールドモス?レッドモスじゃなくて?それに、たったそれだけなのか?」
「普通はそんなもんだぜ、レッドモスは聞いた事無いけど、ゴールドモスとどう違うんだ?ゴールドモスは鱗粉に触れると軽く痺れるくらいだけど」
「レッドモスもほぼ一緒だけど、赤く染まった時の鱗粉に触れると火傷するんだよ。
結構重度のな。他にも凶悪で最悪な魔物だらけだったよ」
「そんな恐ろしいのがいるのか!
よく、メリアンは生きてたな」
ガメニの案内で魔物が居ないダンジョンを進み、地下五階程下りた辺りで、ダンジョンボスのいる部屋に行き着くと、そこには金色のオーガが三匹居た。
「今日は倒してなかったからな。
それに、ここのダンジョンボスは日によって違うんだ。
今日はオーガだけど、牛魔の時やジャイアントゴブリンの時もあるんだ。って今日は外れだな。オーガ三匹は俺一人じゃ手に余るよ」
ガメニと話していると、オーガが走ってやって来た。その行動にガメニは岩によじ登って逃げた。
オーガも一人で倒せないのか情け無いなぁ。
「はぁ、お前弱いんだな。
こんなのも一人で倒せないなんてな」
俺は岩によじ登ったガメニを見ながら言うと、俺の背後に迫ってきたオーガは俺を鋭い爪で切り裂こうとしたが、俺は裏拳一発をお見舞いした。
すると、オーガの頭は弾け飛び、一撃で終わった。残りの二匹は俺の行動をみて距離をとって左右に散った。
だが俺は近づかないならと、自らオーガに近づいて、回し蹴りを一発食らわし、もう一匹にはI.Bから直ぐに取り出した刀を思いっきり投げて、頭に突き刺した。
「アンタってスゲェんだな。
見た目は貴族みたいな服装で腹が出ているオッサンなのに、動きは高ランクの冒険者並みの動きって凄すぎるだろ」
「これでも、ランクはAだからな」
「そ、そうなのか?もっと上だと思ったけど最近ギルド証は更新したか?」
「そういえば、してないな。
しばらく更新はするつもりはないし、いいかなって思っているよ」
こうして優しい方のダンジョンは攻略した。
向こうのに比べると本当に優しかったな。
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