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シールズ皇帝の愛憎

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ミハイル様はトピアスに連れられて屋敷見学へ、サロンにはシールズの三人と俺達三人…

ニーロ様はダニール様の隣に座り嬉しそう。

「お二人をを見ているとアーロン様が戻ってこられたかのようです…私がもっとしっかりお守り出来ていれば…」

泣き止まないのはイーゴリ様…アーロン様の事好きだったのかな?

「イーゴリ…母上はそなたの気持ちはわかっていたと思う。私が生きてここにいるのは母上とイーゴリが守ってくれたからだ」

「いいえ、私がニコライ様をもっとしっかり諌める事が出来たなら…」

「イーゴリ様、アルチョムの甘言に間違えたのはニコライ様自身です。私達は二度と間違えないようにダニール様と共に進みましょう…」

セルゲイ様に言われて少し落ち着きを取り戻したイーゴリ様…
事情がわからない俺達にセルゲイ様が説明してくれた。

シールズは歴代光属性の皇族が皇帝として治めてきた国なんだって。
ニコライ様には光属性の兄がいたんだけど、その方が事故で亡くなって歯車が狂い始めた。
先代はニコライ様に光属性の正室を与え産まれたのがイサーク様…光属性ではなかった事に落胆した先代は、光属性が産まれなけれはシールズは滅びるとニコライ様を責めた。
ニコライ様は他にも光属性の側室を娶り子供を産ませたけど光属性は産まれなかったらしい。そんな時にアーロン様と出会った。

ドラゴアから拐われるように連れて来られたアーロン様だったけど、ニコライ様に対しては愛情を持って接していて、ダニール様が産まれた。

そこに登場したのがアルチョム、正室と結託してイサーク様を皇太子にしようと画策を始めた。
最初は聞く耳を持たなかったニコライ様だったけど二人目の子供を妊娠中のアーロン様のお腹の子供の父親がイーゴリ様だと吹き込まれ激昂し、そこから誰の話も聞かなくなった。

「事実無根ではありますが、アーロン様を少なからずお慕いしていた事は事実です。私は宰相の座から下ろされ、アーロン様はダニール様を教会に預けニコライ様の元へ戻られたのですが、帰らぬ人に…表向きは罪を認め自害したとなっていますが、アルチョムの手の者に毒殺されたようです」

アーロン様の死からますますアルチョムに心酔し、かつての側近を遠ざけた。

「父上はあれでも母上を愛していたのだと思う。他の皇子のように私を亡き者にも出来た筈なのにそれをしなかった。それに幼き日の記憶の中の二人は仲睦まじかったように思う…」

なんか切ないね…アーロン様も無念だったと思うけどニコライ様もある意味被害者だ。

「ダニール様、ここで会えたのもアーロンが繋いだ縁です。悲しい歴史はもうおしまい…アーロンに誇れる国を作らなきゃね」

ニーロ様に頭ぽんぽんされて照れながら頷くダニール様…嬉しそう…
皆がほっこりしていたらレオ様がやってきた。

「ニーロ、嬉しいのはわかるが少々距離が近すぎると思うのだが…」

レオ様~初めましての皆様が固まってますよ…

「レオ、ダニール様は息子も同然ですよ…皆様申し訳ありません夫のレオです。レオもきちんと皆様にご挨拶しなさい」

怒られてしょんぼりのレオ様も可愛いな…
レオ様が渋々ご挨拶してニーロ様がよしよしして、場がほっこりしたらトピアス達が帰ってきた。

次は夕食会、ダニール様食べてくれたらいいな…
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