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始まりの予感

高貴な方々のパーティーとは…

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そして夕方、我が家の庭で雅なガーデンパーティーのはずが…
ロイヤルな皆様が肉にかぶりついています。

クリスティアン様が捌いた肉をルーカス君が串に刺し、俺が味をつけトピアスが焼く。
朝どれの魔獣肉の塊をカミラ様達がお土産で持って来てくれたんだ。

テーブルの上に高級そうなグラスやお皿とおしゃれなサンドウィッチがあるから、ここは公爵邸の庭なんだけどね…どうみてもただのBBQ…

一日身体を動かした皆様はビールでその他はワイン、ワインはドラゴアからのお土産ね。
この世界、16歳からお酒飲めるんだって、ルーカス君ぐいぐい飲んでるし…俺だけ果実水…
氷の貴公子も表情変えずにワイン飲んでるし…せっかくのBBQだから表情筋仕事して!

でもね、めっちゃ楽しい。
BBQってさ、仲良くなっちゃうよね。
クリスティアン様顔は怖いけど、話したら優しく豪快なおっちゃんだった。
平民出身だからフォーマルな場面は緊張するんだって。
ルーカス君も手際がよくてびっくり。
家族で魔の森に入る時は野営だから、何でもできるんだって。
上手いね~器用だね~って誉めたら…

「でしょ、俺いろいろ上手いよ試してみる?」

って耳元で囁かれた…ホストだ…
経験値が違いすぎて何も言えない…

「赤くなっちゃってか~わい~」

抱きしめられて頬っぺにチューされた!
クラウス助けるんじゃないの?今だよ!

肉食べてるし…
氷の貴公子めっちゃこっち見てる…

「こらルーカス近い!アキを離しなさい」

父さんきた。

「アルト様、アキちゃんもう大人ですよ~過保護も大概にしないといつまでたっても本物の大人になれないじゃないですか。練習ですよ練習!」

本物の大人って、ルーカス君…
父さん泣いちゃうよ…

「そうよアルト、五月蝿い父親は嫌われるから、私達はあっちで飲みましょう」

母さん、助けるんじゃなくて梯子を外しに来たのか…

「ほら邪魔者はいなくなったからおいで、アキちゃん」

いや何で俺が胸に飛び込んでくると思う、嫌だよ…いや膝の上とか乗るわけないじゃん。

「アキはすっかりルーカスと仲良くなったのだな」

レオ様~!ワイングラスがお似合いですね。素敵です。

「アキ、さっきはうちのカイがすまなかった」

「多分緊張してると思うんだよね、アキちゃんに…普段はもう少し愛想のある子なんだけど…ごめんね」

ニーロ様、もう少しってことはやっぱり無愛想なんですね。
大丈夫です。今もめっちゃ見られてますが、クラウスの仲良しは俺の仲良し。
あそこまで無愛想だと逆に闘志がわいちゃうね。

とりあえず俺も肉食べよ。
盛り上がったBBQは酔っぱらいの皆様が眠くなってきたので一旦お開きに。
カミラ様と母さんは部屋で二次会。
レオ様とニーロ様は…二人の世界なんだね…後半ずっと二人でイチャイチャしてた。仲良しだね…

俺は酔っ払ったクリスティアン様に肩車されて同じく酔っ払った父さんに追いかけられてる。
ナンダコレ楽しい!

ようやく役目を思い出したクラウスに救出されたのに、今度は酔っ払ったルーカス君に拉致られてます。
クラウスどこに行った?
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