3 / 156
さようなら日本
思ってたより凄い人だったらしい
しおりを挟む
帰ってきた母と駅で合流して蕎麦を啜る。
祖母が好きだったこの店も、有紀の好きな場所だ。
「忙しくなりそうな感じなの?」
「そこまでではないけど、ちょっと騒がしくなりそうな感じ?」
「騒がしく?」
「うん、帰ったら話す。藤田さんが有紀にお土産持たせてくれたし…有紀の美味しいコーヒー飲みたい…」
おっ、藤田さんスイーツ!間違いないやつだ。
それは絶対に美味い…
でも改まっての話ってことは、もしかしてあれか?有紀は祖母の最後の言葉を思い出していた。
年齢不詳の美魔女がモジモジしている…
春斗の兄ちゃんいたら悶絶するやつだ…
あの人ホント母さん好きすぎるよな…
取り敢えずお土産食べよう…
今日も旨いなぁ、藤田さんホントに優秀…
「あの…母さん?モジモジは可愛いけど…」
「いや、だって…恥ずかしい…」
もしかして…もしかするのか…
いいよ、母さんの人生だ。
祝福しよう…兄ちゃん、残念だったな、俺の父親になる日は来ないみたいだぞ…
「藤田さんのこと?」
「えっ?藤田さんがどうしたの?」
あれ?違うのか?藤田さん良い人だぞ、イケメンだし、一流会社勤務だし、美味しいお菓子くれるし…
「あのね、母さんさ、小説の話いつも誤魔化してたでしょ?」
あ、そっち?ていうか、書いてるのは小説だったんだ…えっ…官能小説…?
いやダメだよ母さん、俺だって恥ずかしい…
「アニメ化が決まってるんだ」
ほぅアニメ化…
「で、そろそろ有紀にもちゃんと伝えなきゃなぁと…」
うんうん、与えられる情報が少なすぎて全然伝わってないけど、謎多き母は小説家で、作品がアニメ化されるのね…
差し出された紙袋に数冊の本。
あれ?このタイトル見たことあるぞ…
読んだことはないが、知ってる。
結論から言うと、母は流行りの異世界転生小説のカリスマだった。
読んだことはなくても見たことあったのは、朝のニュースで見たから…
「遂にアニメ化決定!」みたいなやつ…
母さん…思ってたのとダイブ違うけど、なんか凄い人だったんだね…
母さんが言った「いろいろ」とは、俺たち二人の今後の生活のことらしい。
「とりあえずそれ、読んでみて…恥ずかしいけど…読んだら感想聞かせてね…お風呂入ってくる!」
そう言って母は去り、残された俺は母親が官能小説家ではなかったことに安堵しつつ、本に手を伸ばした…
祖母が好きだったこの店も、有紀の好きな場所だ。
「忙しくなりそうな感じなの?」
「そこまでではないけど、ちょっと騒がしくなりそうな感じ?」
「騒がしく?」
「うん、帰ったら話す。藤田さんが有紀にお土産持たせてくれたし…有紀の美味しいコーヒー飲みたい…」
おっ、藤田さんスイーツ!間違いないやつだ。
それは絶対に美味い…
でも改まっての話ってことは、もしかしてあれか?有紀は祖母の最後の言葉を思い出していた。
年齢不詳の美魔女がモジモジしている…
春斗の兄ちゃんいたら悶絶するやつだ…
あの人ホント母さん好きすぎるよな…
取り敢えずお土産食べよう…
今日も旨いなぁ、藤田さんホントに優秀…
「あの…母さん?モジモジは可愛いけど…」
「いや、だって…恥ずかしい…」
もしかして…もしかするのか…
いいよ、母さんの人生だ。
祝福しよう…兄ちゃん、残念だったな、俺の父親になる日は来ないみたいだぞ…
「藤田さんのこと?」
「えっ?藤田さんがどうしたの?」
あれ?違うのか?藤田さん良い人だぞ、イケメンだし、一流会社勤務だし、美味しいお菓子くれるし…
「あのね、母さんさ、小説の話いつも誤魔化してたでしょ?」
あ、そっち?ていうか、書いてるのは小説だったんだ…えっ…官能小説…?
いやダメだよ母さん、俺だって恥ずかしい…
「アニメ化が決まってるんだ」
ほぅアニメ化…
「で、そろそろ有紀にもちゃんと伝えなきゃなぁと…」
うんうん、与えられる情報が少なすぎて全然伝わってないけど、謎多き母は小説家で、作品がアニメ化されるのね…
差し出された紙袋に数冊の本。
あれ?このタイトル見たことあるぞ…
読んだことはないが、知ってる。
結論から言うと、母は流行りの異世界転生小説のカリスマだった。
読んだことはなくても見たことあったのは、朝のニュースで見たから…
「遂にアニメ化決定!」みたいなやつ…
母さん…思ってたのとダイブ違うけど、なんか凄い人だったんだね…
母さんが言った「いろいろ」とは、俺たち二人の今後の生活のことらしい。
「とりあえずそれ、読んでみて…恥ずかしいけど…読んだら感想聞かせてね…お風呂入ってくる!」
そう言って母は去り、残された俺は母親が官能小説家ではなかったことに安堵しつつ、本に手を伸ばした…
3
お気に入りに追加
392
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
異世界に落っこちたら溺愛された
PP2K
BL
僕は 鳳 旭(おおとり あさひ)18歳。
高校最後の卒業式の帰り道で居眠り運転のトラックに突っ込まれ死んだ…はずだった。
目が覚めるとそこは見ず知らずの森。
訳が分からなすぎて1周まわってなんか冷静になっている自分がいる。
このままここに居てもなにも始まらないと思い僕は歩き出そうと思っていたら…。
「ガルルルゥ…」
「あ、これ死んだ…」
目の前にはヨダレをだらだら垂らした腕が4本あるバカでかいツノの生えた熊がいた。
死を覚悟して目をギュッと閉じたら…!?
騎士団長×異世界人の溺愛BLストーリー
文武両道、家柄よし・顔よし・性格よしの
パーフェクト団長
ちょっと抜けてるお人好し流され系異世界人
⚠️男性妊娠できる世界線️
初投稿で拙い文章ですがお付き合い下さい
ゆっくり投稿していきます。誤字脱字ご了承くださいm(*_ _)m
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
兄上の五番目の花嫁に選ばれたので尻を差し出します
月歌(ツキウタ)
BL
今日は魔王である兄上が、花嫁たちを選ぶ日。魔樹の華鏡に次々と美しい女性が映し出される。選ばれたのは五人。だけど、そのなかに僕の姿があるのだけれど・・何事?
☆表紙絵
AIピカソとAIイラストメーカーで作成しました。
弟いわく、ここは乙女ゲームの世界らしいです
慎
BL
――‥ 昔、あるとき弟が言った。此処はある乙女ゲームの世界の中だ、と。我が侯爵家 ハワードは今の代で終わりを迎え、父・母の散財により没落貴族に堕ちる、と… 。そして、これまでの悪事が晒され、父・母と共に令息である僕自身も母の息の掛かった婚約者の悪役令嬢と共に公開処刑にて断罪される… と。あの日、珍しく滑舌に喋り出した弟は予言めいた言葉を口にした――‥ 。
主人公の兄になったなんて知らない
さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を
レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を
レインは知らない自分が神に愛されている事を
表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる