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学園に向けて出発
しおりを挟むその後俺は上官が納得いくまで訓練された。かばんの持ち方から歩き方までホント事細かに訓練項目がたくさんあった。そのすべてを突破した俺を誰かほめてほしいくらいだ。
それにしてもよくあれだけの項目を思いつくものだと、さすが上官だと思ってしまった。俺一人ならまず無理だった。だが思考の中で位は俺と言わせてほしい。そこまで変わってしまったら本気で戻れなくなりそうだ。
そして俺はアレス魔導女子学園に馬車で移動する事になった。普通にいつも通りの移動手段として魔導バイクにまたがろうとしたら殴られてしまった。「どこの世界にそんなもの乗りこなす女子校生がいる!?」と言われてしまった。
魔導バイクは移動中は常に乗り手の魔力を消耗する乗り物で普通の人間が乗れば10分で魔力が尽きてあまり実用性の無い乗り物だ。まぁそれでも馬車よりは断然早いので10分乗れれば充分な距離を稼げるので完全に実用性が無いとまでは言いすぎかもしれない。
ちなみに俺は普通の人間の100倍は魔力があるので実用性は充分だ。まぁ訓練もしてない一般人と比べた100倍なんて自慢になるような数字ではないかもしれないが…一般人が乗れるような乗り物ではないと言う説明にはなるだろう。
そんな魔導バイクは軍で開発された物で一般には出回っておらず許可が下りたものだけが買えるのだ。軍に入って長い訓練に耐えこれに乗る事を許可されるほど魔力が高くなったと評価されたときはうれしかった物だ。やっと一人前の軍人になれたと思えたものだった。
今回はそれが使えないので亜空間収納魔法に魔導バイクをしまうことにした。
亜空間収納魔法とは高位魔法のひとつだがその中では比較的簡単な魔法だ。誰でも訓練しだいでは発動は可能である。
だが実用的なほど大量の物資を詰め込めるほど使いこなすとなるとそれなりの才能と魔力がいる。幸い俺にはその才能があったので魔導バイクの一台や二台は軽く持ち運べるのだ。
ガタガタガタガタ…
「うぅ…痛い…」
一般的な女子校生になりきるためとは言え馬車に乗るのはつらい。女の体になって元の体よりも尻に肉がついてるから比較的馬車の振動も耐えれるかと思ったがそんなことは無かった。痛いものは痛かったようだ。
この馬車の費用は軍の資金から出されているらしいけど贅沢を言うならもうちょっと乗り心地のいい馬車を手配してほしかった。せめてクッションつきの座席を…ただの木の板そのままの座席ってひどすぎる。
これならアレス魔導女子学園までマラソンで行けと言われるほうが楽かもしれない。
いや言い過ぎか?さすがにこの体でそれはきついか?でも身体強化したらそれくらいならでき…いやよそう。そんな事をすればまた上官に「そんな長距離を走っていく女子校生がいるか!」っていって殴られそうだ。
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