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謁見

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 それから3週間がたった。あの日から三週間私は寝込んでいたようだ。私も口を濯いだが思いのほか体内に吸収されてしまったようで3週間も寝込んだようだ。
 幸い王女様は3日で回復し無事なようだ。一人分の致死量を二人で分けたおかげでどちらも苦しんだが生き延びる事が出来たようだ。

 今回の件でお父様は昇爵…なんて事はなかったが王家の覚えがよくなった様で色々優遇してもらったようだ。まぁ…そう全てがうまく行く訳ないか…

 そしてさらに二週間後…私は歩けるまでに回復したので王宮に行く事になった。
 どうやらお礼を直接したいらしく回復したら来てほしいとの事だった。


そして王宮…

「面を上げよ…気を楽にするといい。非公式な場だ。」
「はっ!」

 お父様がひざまづいた状態から立ち上がり国王に向き直る。
 私もそれに習い立ち上がる。

「このたびはほんとに助かった。そなたらの助けがなければ娘は確実に死んでいたであろう。後で調べてみたら分量次第で致死性がある毒だった。お前の娘が3週間も倒れた事からも充分致死量あったと推測される…それにしてもお前の娘は自分を犠牲にしてまで守るなんて女にしておくのがもったいないくらい勇敢な娘だな!」

 そういって国王はフランクにお父様の背中を叩いた。

「そんな…もったいなきお言葉です。」

 言葉とは裏腹にお父様はまんざらでもない顔をしていた。
 
「おい!おまえ!そう、おまえだ!」

 あれ?誰だこの横暴な態度の奴は…
 なんてくそ生意気なガキだ…
 いあ…現実逃避はよくない…認めたくないけどこれがあの素敵な王子殿下の子供の頃だ…
 知らなかった…あの優しい紳士な王子が子供の頃はこんなガキだったなんて…

「はい殿下…なんでございましょうか?」
「お…おまえはなんであの毒の治療法を知っていた!あんなやり方聞いた事ないぞ!らしいぞ!」

 ぷ…何その言葉は…もしかして大人が言ってた事をそのまま言っちゃった感じかな?
 あの王子もこんな可愛らしいときがあったんだ…

「いえ…ただの子供の浅知恵でございます。それがたまたまうまく行っただけの事です。あまり良いやり方とは言えません。現に私は3週間も意識不明でした。ですので、殿下のようなご身分の方は絶対マネをしないでくださいね?役割としての私の代わりはいくらでもいても殿下の代わりは他のものに勤まるものではございませんので…」
「むむ…何か難しい言葉だが心得たぞ」
「そのような事をしなくても殿下なら剣の訓練をすればこの国随一の剣の使い手になれますよ。今回のような事があっても賊を簡単に蹴散らせるくらいに…」
「な…馬鹿にしておるのか貴様!わ…私が剣が苦手なのを知っていてそんな皮肉を…」

 え?なに言ってんの?ホント意味わからない…もしかしてこのときはまだ剣が苦手だった?
 妹の死をきっかけにその苦手を克服しあそこまで鍛え上げたって言う事?
 すごい…また知らなかった一面を知っちゃった…ただのゲームキャラだからそういう設定で、普通に才能があって簡単に強くなったのかと思ってた…血の滲む努力をしたって言う言葉は誇張とかではなく文字通りほんとにとんでもない努力をしたんだ…

「皮肉などでは断じてございません。国王様の御前に誓って嘘やハッタリや適当を言っているわけではありません。簡単にはなれませんが殿下はとても強くなれる方です。信じてください。」

 これくらい言えば歴史の変化は最小限に抑えられるかな?
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