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1章
55話 魔石大量入荷しました。
しおりを挟む狩りを始めてから既に数時間が経過した。
ゴブリンから始まり、オーク、コボルト、オーガ等といった人型種の魔物。それに加え、ワイルドべアー、ダブルソードボア、レッドウルフ等の獣型の魔物。それ以外にも色んな魔物を狩りに狩りまくった。総討伐数は既に軽く数百はくだらないだろう。
これだけ生き物の命を奪ったというのに、俺は何も感じなくなっていた。
いや、考えてみたら、こっちの世界に来た最初の頃から殺しに対する忌避感を感じていない。
最初は、生き死にがかかっていたから感じる余裕がないのだと思っていたが、今現在、余裕で狩れる状態でも何も感じていないのだからそれは違うのだろう。
考えられる可能性としては、謎部屋のモニターの中で未だに唯一文字化けしている何かの加護のせいではないかと思っている。てか、それ以外に思い当たる節はない。
「ガァーーーーーッ!!!」
そんなことを考えていると、本日数十度目のワイルドベアーと遭遇する。
最初こそ3メートルを優に超える体格にビビりもしたが、俺との圧倒的なステータス差を知った後には、何も感じなくなった。
俺は冷静に数十メートル離れているワイルドベアーに向けて、火魔術の『フレイムショット』を五発連続で放つ。もちろん無詠唱だ。
五発のフレイムショットは、時速300キロ程の速さで、ワイルドベアー目掛けて突っ込んでいき、頭、腹、胸の三箇所に命中し、すぐにワイルドベアーの命を削り取った。
数秒後に、肉、毛皮、爪、魔石へと代わり、俺はすぐにそれを回収して、次の獲物を探して森を探索する。
それにしても、この森めちゃくちゃ魔物多い気がするんだけど、気のせいか? まあ、この森しか知らないから比べる対象はないんだけど、それにしたって遭遇する回数が半端じゃない。
それに既に数百の魔物を屠っているのに、未だに減っている気がしない。
魔石集めに来た俺としては、ありがたいのだが、これって異世界物でよくある魔物のスタンピードの予兆とかじゃないだろうな?
この森から一番の近場の街は、今俺が住んでいるデルの街だから、もしもスタンピードが起こった場合、対象になるのは間違いなくデルの街だろう。
冒険者ギルドに報告........は絶対絡まれるだろうし嫌だから、帰ったらべルート公爵に直接話すか。
「「「ブモォーーーォーー」」」
「はあ、今度はオークのお出ましか。ほんと、とんでもない数いるなー」
独りごちりながら、俺は火魔術を放ち、瞬時にオークの集団を壊滅させる。
未だにレベルアップ処理は行っていないが、既に数十万くらいの経験値を稼いでる。恐らく相当レベルアップしてることだろう。ここがゲームの世界ではないことは分かっているが、それでもレベルアップするということは、男心擽られるものだ。
後数時間がくらい狩りを続けて、家に帰って風呂に入った後のお楽しみに取っておこう。
さて、もっともっと狩って魔物をエネルギーポイントの養分に変えてやろう。
俺は再度意気込み、森の奥深くへと進んでいった。
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