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1章

44話 そこには、風呂がある

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「よきかな~」

 俺はものの数秒で溜まった風呂に浸かると、そんなマニアックなセリフをもろパクリして呟いていた。

 でも、これは仕方ない。だって俺、ジ〇リ大好きなんだもん!

 引きこもってる二年間でも、金〇ーがジ〇リ祭りの時は絶対見てたし録画してたし!

 そんな俺がせん〇ひみたいな、風呂のお湯のため方を見たらこう呟かずには、いられないだろう?


「よきかな~」

 ほら、我慢出来ずにまた出ちゃったよ。

 いやー、それにしてとやっぱりお風呂って最高だな。

 昨日は、生活魔法で体の汚れ自体は綺麗にしたし、異世界に風呂がないなら仕方ないと思っていたけど考えを改めよう。

 俺は風呂がないと生きていけないわ。これは、断言出来る。

 だって、つかっているだけでさっきまで蓄積していた疲労がどんどん回復してるんだよ? つかってるだけでそんな超特効薬みたいな効果があるんだよ? うん、やっぱりお風呂って偉大だ。


 とは言いつつも、余り長風呂しすぎるのも良くない。
 何事も適度に自重するのが大事だ。

 え? こんな家作ってる時点で自重してないって? ははっ、何も聞こえないな!!


 さて、冗談はこのくらいにして本当にそろそろ上がらないとのぼせてしまう。


 俺はまだゆっくりと浸かっていたかったが、これからもまだまだやらなければいけないことがあるので、風呂から上がり、着替えを済ます。

 風呂のお湯は勿体無いが、捨てざるを得ない......ってそういえばどうやってお湯捨てるんだ? 排水溝とかどこにもないけど?

 いや、まあタブレットで調べればわかるか。

 そうして俺は再度謎部屋Bへと足を運び、タブレットを操作する。

 
 結果から言うと、お湯を捨てることは出来た。

 そして、なんとお湯を捨てるとエネルギーポイントが1溜まった。

 リサイクルってやつだろうか?

  まあ、実質これで風呂に入るために必要なポイントは4ポイントになったのでかなり有難い。

 ふっふっふっ。これなら毎日風呂に入るのも考えていいな。いや、絶対に毎日風呂に入ろう。くふふふふっ。


 と、こんなアホみたいなこと考えてないでさっさと行動開始しないとな。タブレットは、この部屋に......って待てよ? もしかしたら、タブレットはアイテムボックスで持ち運び自由になるんじゃ?

 そう考えつくと同時に、タブレットを収納するよう念じる。
 すると、タブレットは俺の手元から姿を消して、代わりに頭の中でアイテムボックスに収納されたことが確認された。

「あれ? でも、タブレットなかったら、この部屋の存在意義って..........」


 はっ!!!!

 いかんいこかん。一体俺はなんて罪深いことを考えているんだ。

 多分だけど、この部屋は元々住んでいた俺の部屋に似ていることからも、俺の精神安定を促す役割の部屋なんだ。管理タブレットは、そのおまけみたいなものなんだ。

 
 俺はそうやって自分に無理やり思い込ませるようにして、何の躊躇いもなく、謎部屋Bを後にするのだった。
 
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