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1章
40話 創造が想像よりもすごすぎた
しおりを挟む俺は目の前で起こっている事象を理解出来ずに呆然と立ち尽くす。
それは仕方ないことだ。だって、異世界なのに冷蔵庫があって、しかもちゃんと稼働してるんだよ? どう考えても可笑しいでしょ!
え、ほんとにこれどうなってんの? 誰か教えてくれよォーー!
...........まあ、ここには俺しかいないから教えてもらえるわけないんだけどね。
はあー、でも、結局は俺の考えが至る所なんて一つなんだよな。まだこの世界にきて2日目なのに、俺はこの世界での真理を見つけている。
その真理とは.......細かいことは気にしない。ということだ。
いや、だって、ねえ? 仕方ないじゃん! 分かんないんだもん! だったら考えるだけ時間の無駄なんだから気にしない方がいいでしょ? 多数決取って見れば答えなんて分かるよ?
だって俺しかいないんだもん。一票は考えるだけ無駄に入って多数決即終了だよ? てかそもそも多数ですらないけどね。
ははは、もういいさ。この家で起こっていることを一々気にしていたらキリが無い。全部妖怪.......じゃなくて創造の不思議パワーってことにして切り進むことにしようじゃないか!
てことで、俺は冷蔵庫の扉を無造作に閉めて、部屋から出る。
さて、次は二階の探索でもしようか。
階段を上がっていくと、今度は六つの部屋の扉があった。
たしかイメージしたのは、15畳のLDKの部屋。15畳の寝室。10畳の社長室。10畳の作業場。後はトイレと物置部屋だから、うん、数は問題ないな?
じゃあ早速どれがどの部屋なのかを確かめるか。
とりあえず1番手前の右側の部屋から、確かめてみる。
.......これは、物置部屋かな? そこまで広くないし、きっとそうだ。特に物置部屋には、今のところ要はないので次の部屋に移る。サクサク行こう!
隣の扉の前に移動すると、すぐに扉を開ける。
......トイレだ。
俺は確認が終わるとノーリアクションで扉を閉めて、また隣の部屋に移る。
さて、次の部屋はなんの部屋かな?
扉を開けて中を確認すると、中には、高級感溢れる黒のソファーが2つ。その前にはテーブル。そして、なんだか高そうな壺が飾られている。
うーん? 多分だけど、作業場かな? 作業場にしては、高級感溢れ過ぎてる気もするけど、まあいい。次行こう。
俺は中にあった壺には触れずに次の部屋に移動する。
右側の部屋中で最後に残ってるのは、構造上では、恐らく社長室としてイメージした部屋なんだけど.......うん、まあ想像通り創造以上の部屋になってましたね。
中には高級なデスクと高級なイスがあるのに加え、応接室としてイメージした部屋にもあったテーブルとソファーも設置されていた。
もう何も言うまい。創造さんは、きっと自我を持っていらっしゃるのだろう。
オシャレ度ZEROの俺には、場違い感が否めないが、成るようになるさ。気にせずに行こう!!
さて、次は左側の部屋を見て回ろう。
まずは、奥側の部屋を見てみる。
扉を開け、中に入ると、キングサイズのベットが中央に置かれ、衣装ケースや、大きなソファー等の家具類も揃っている。
うん、寝室だな。
いや、てか、ベットデカすぎじゃない?
寝るの俺だけなんですけど? 創造さんどうしてこんなイタズラみたいなことしたんですか? なるほど、答えてくれませんか。
だったら答えは1つですね。
気にせず次の部屋行きましょう。
しれっと全部屋にエアコンが付いてたけど、気にしない。確かにあの時はエアコンあった方がいいなと思ってイメージしたけど、よくよく考えたら電気ないのにどうやって使うねんて話だ。
いや、多分冷蔵庫使えてるからどうせ使えるんですよね?分かりますはい。
ああー!! ダメだ!! 考えたしたらキリがないん! 切り替えろ俺!!
よし、切り替えた!
さて、最後の部屋は待ちに待った? LDKの部屋だ。
オレは期待を胸に最後の部屋の扉を開ける。
そして、俺の目の前に広がったのは、オシャレとしか言いようがない空間だった。
リビングには、最早見慣れた高級ソファーとテーブルに、なんかよく分からない高そうな獣の毛皮の絨毯がひかれている。
ダイニングには、四脚のイスと、食卓テーブルがある。四脚あんだよ! 俺は一人だぞ!! というツッコミをしたくなったが、ここは我慢のスルーだ。
そして、キッチン。
最後に残ったキッチンを目にして、俺はもう突っ込まずには、いられなかった。
「なんで異世界のキッチンがIHクッキングヒーターやねん!!!!!」
そして、ツッコミを入れた後に気づいた。
今更か..........とね。
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