39 / 57
1章
38話 120坪の土地で
しおりを挟む俺は今、120坪ある土地のど真ん中に独りぼっちでいる。
なぜ、こんなところに独りでいるのか。その原因を今一度考えるため、少し前の時間まで遡る.........。
手形を受け取り、べルート公爵らと共に商業ギルドの外に出た俺たちは、そのまま来た時に乗っていた馬車に乗り込んだ。
俺は商業ギルドを出たらそのままお別れだと思っていたのだが、俺に案内する場所があるとのことだったので、俺は何も言わずにそのまま馬車に同乗したわけだが.......おすすめの宿でも紹介してくれるのかな? そんな呑気なことを思っていた過去の自分を殴ってやりたい気分だ。
そして、案内された場所というのが、今いるこの120坪の更地の土地だ。
そして、今現在、というか先程からこの土地の所有者は俺になった。
意味がわからないだろ? 俺も同じだよ!!!
とは言っても一応べルート公爵から説明はされている。
『昨日の話で説明した通り、レイに土地を用意した。レイの要望通り、商業区域ではなく、民家のある場所に用意したがここで問題ないよな? それと、レイは最初この土地を売って欲しいとの事だったが、さっき買った指輪の代金の残り分としてここを売るから金はいらんからな。では、我々は仕事もあるしこれで失礼する。レイ、本当に本当にありがとう。また何か頼みたいことがあれば、いつでも話を聞くからな。それでは、またな』
うん、一つの話に凝縮されすぎて俺は脳内処理が追いつかなかったよ。
だから俺はその場で返せた言葉は一言だった。
『何から何まで用意していただいてありがとうございます。これからここで頑張ります』
そう、自然と何故かそんな言葉を出していたんだ。
そしてその言葉を無意識に紡いで俺は決心したんだ。
『この土地で新たな人生を歩んでいこう』
ってね。
まあ、さっき七百万ゴル貰ったのに、こんな広い土地をさっきの指輪の残り代金として与えられたこととか、昨日の俺はなんで商業区ではなく、平民区で商売をすることにしたのかとか、分からないことはいっぱいある。
でも、もう気にしないことにした。
俺はこの世界に来てあることを学んだ。というか、その言葉を座右の銘的なものにしようと決めた。
その言葉とは........。
『なるようになる。』
だ。
うん、今の俺には一番お似合いの言葉だな。
さて、異世界での生き方は決まった。なら早速行動に移らないとだな。いつまでも広大な土地の真ん中で棒と突っ立っていても何も始まらない。
兎にも角にも、今すべきことはただ一つ。
家造りだ!!!
とは意気込んでみたものの、本当に創造で家なんて創れるんだろうか?
いや、女神様から貰ったチートスキルだし、大丈夫か?
うーん、まあとりあえず試してみればわかるか。
まずは、どれくらいの大きさのお店にするかだけど.......まあそんなに大きすぎないでいいよな? あんまり大きい店にしても、そもそもお客さんが来なかったら無駄だしね。
土地は120坪あるし、とりあえず30坪ちょっとくらいでいいかのな? そもそもお店なんて持ったことないからどれくらいがいいとかわかんないしな。てかそもそも中学生で家の土地の広さとか気にしないし。
大きさは決まったけど、あとは建てる場所だな。
商店になるんだから、恐らく道路沿いに建てるのは確定として、後は......まあ、土地の角にでも建てれば今はいいか。
そう思い、俺は創造するために家のイメージを練る。
大きさは30坪で、造りは異世界だし石造りだな。
階数は.....二階建てで、地下ありの三階構造。
一階の間取りは40畳をお店に使う。残りの20畳は、休憩室とか、在庫置き場にトイレに使おう。後は廊下と二階に上がるための階段部分もね。
二階は、15畳の広さの部屋を2つ。10畳の広さの部屋を2つ。残りは、トイレとか物置部屋その他ってところだな。
で、地下は、45畳を使って大浴場にして、残りの部分は脱衣場とかトイレ、それに化粧台スペースとかに使う。
後は、まあそれぞれの部屋に照明器具にエアコン、2階の15畳をの部屋にだけはキッチンも備え付けてあればOKかな?
よし、こんなもんか? まあこれは実験みたいなものだから初めての家の創造は、失敗ありきで考えた方がいいかな。
まあ、とりあえずやってみないことには始まらないってことで、早速実行しようか。
じゃあ、具体的な家の造りをイメージして、いざ!!!
「『創造』」
さて、どうなる?
11
お気に入りに追加
1,348
あなたにおすすめの小説
神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。
猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。
そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。
あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは?
そこで彼は思った――もっと欲しい!
欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。
神様とゲームをすることになった悠斗はその結果――
※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。
神様との賭けに勝ったので異世界で無双したいと思います。
猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。
突然足元に魔法陣が現れる。
そして、気付けば神様が異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。
もっとスキルが欲しいと欲をかいた悠斗は神様に賭けをしないかと提案した。
神様とゲームをすることになった悠斗はその結果―――
※チートな主人公が異世界無双する話です。小説家になろう、ノベルバの方にも投稿しています。
世界⇔異世界 THERE AND BACK!!
西順
ファンタジー
ある日、異世界と行き来できる『門』を手に入れた。
友人たちとの下校中に橋で多重事故に巻き込まれたハルアキは、そのきっかけを作った天使からお詫びとしてある能力を授かる。それは、THERE AND BACK=往復。異世界と地球を行き来する能力だった。
しかし異世界へ転移してみると、着いた先は暗い崖の下。しかも出口はどこにもなさそうだ。
「いや、これ詰んでない? 仕方ない。トンネル掘るか!」
これはRPGを彷彿とさせるゲームのように、魔法やスキルの存在する剣と魔法のファンタジー世界と地球を往復しながら、主人公たちが降り掛かる数々の問題を、時に強引に、時に力業で解決していく冒険譚。たまには頭も使うかも。
週一、不定期投稿していきます。
小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+でも投稿しています。
スマートシステムで異世界革命
小川悟
ファンタジー
/// 毎日19時に投稿する予定です。 ///
★☆★ システム開発の天才!異世界転移して魔法陣構築で生産チート! ★☆★
新道亘《シンドウアタル》は、自分でも気が付かないうちにボッチ人生を歩み始めていた。
それならボッチ卒業の為に、現実世界のしがらみを全て捨て、新たな人生を歩もうとしたら、異世界女神と事故で現実世界のすべてを捨て、やり直すことになってしまった。
異世界に行くために、新たなスキルを神々と作ったら、とんでもなく生産チートなスキルが出来上がる。
スマフォのような便利なスキルで異世界に生産革命を起こします!
序章(全5話)異世界転移までの神々とのお話しです
第1章(全12話+1話)転生した場所での検証と訓練
第2章(全13話+1話)滞在先の街と出会い
第3章(全44話+4話)遺産活用と結婚
第4章(全17話)ダンジョン探索
第5章(執筆中)公的ギルド?
※第3章以降は少し内容が過激になってきます。
上記はあくまで予定です。
カクヨムでも投稿しています。
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる