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1章

26話 へパはリーゼはつきません。

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 デルの街にある領主邸、そこは先程出会ったべルート公爵の家。

 そこには楽園があった。
 これこそパラダイス。
 文字通りの桃源郷だ。


 そうか、ここがかの有名な天国、天界だったのか,,,,,,,,,。


「あの方がご主人様と奥様をお助けになられた御仁なのですか.......まだかなりお若く見えますね..........

「この若さであの強さ........それに顔もカッコイイ.....,.狙......

「馬鹿っ!!貴方達!!お客様に失礼でしょ!私語は慎みなさい!!」

 それにしてもまさか生きている中で本物のメイドさんにご主人様と呼ばれるなんて思いもしなかったな。大人になったらメイドカフェなる場所には一度は行ってみたいとは思っていたけど.......。

 いやー、それにしてもメイドさんのみんながみんな極上の美人さんでスタイル抜群。うんうん、べルート公爵はかなりのやり手と見たね!! いやー、眼福。まさに眼福だ。15年間生きてきた中で最も目が癒されてるんじゃないかというくらいの目の保養になる美人メイドさんたちだ。
 キャルアさんもかなり美人だと思っていたけど、まさか使用人全員美人だとは.........ま、待てよ.......まさか、お礼って本物のメイドさんに一日お世話してもらえるとか何じゃないのか?

 マジかよ.......べルート公爵......あんた、あんた最高だよ!!!

「あ、あのぉー、お客様.......??」

「お、おーーい!レイ?どうした???」
 

「はっ!!!なななななんでもありません!!」


 べルート公爵に肩を叩かれて我に返り、話しかけられていたことに気がつくと慌てて返答を返す。初対面からいきなり変な奴だなとか思われてないよな? 大丈夫だよな? これだけの美人さん全員に変なやつだと思われるとかもうこの世界では生きていけないぞ?
 メイドさんたちの目は........うん、別に最初に出会った頃と変わらないな。うわ!目が合っただけで微笑み返してくれた。本当にありがとうございます!!!

「う、うん?まあ大丈夫ならいいんだがな....とりあえず疲れているだろうし、客間まで案内しよう。ヘパ頼む。」

 なんだその栄養剤みたいな名前は? 流石に可哀想すぎるだろ....ってそう言えばここ異世界だから地球で作られた物とかないんだった。

「畏まりました、旦那様。では、レイ様。客間までのご案内をします、レパと申します。この屋敷では執事長を努めさせていただいております。以後お見知りおきを。」

 そう言って俺の前で丁寧に気品良く一礼してくるのは、俺を出迎えてくれたなかでも唯一の男性で、初老くらいの執事っぽい人だった。てか、やっぱり執事だったんだ。いやー、やっぱり異世界だね! 老執事とか本当にいるんだな!

「えっと、よろしくお願いします、へパさん!」

「わたくしめに敬称はいりませんよ。気軽にへパとよんでください。」

 あー、なんだ? 異世界での使用人はやっぱりこう、なんと言うか謙虚なんだな。俺って主の命の恩人って設定だもんな。いや、設定てかその通りなんだけども。とは言え、いきなり初対面でしかも自分より圧倒的に年上の男の人を呼び捨てできる程俺は馴れ馴れしくはないし、てかそもそもそんな度胸は持ち合わせていない。

「いや、えっと.....目上? いや年上のそれも執事さんを呼び捨てには出来ないですからへパさんと呼ばせていただきます。」

「っ!..........畏まりました。お好きなようにお呼びくださいませ、レイ様。では、早速案内致しましょう。」

「はい!よろしくお願いします!!」

 へパさんは、何かにびっくりしたような顔をして、一瞬変な感じになったが、すぐに元に戻ると俺を客間に案内するために歩を進めだした。俺はすぐに返事を返してへパさんの後ろをついて歩く。


「レイ!こちらの用意が出来次第呼ぶから少し休んでいてくれ!」


「ええっ?? っとはい。わかりました。」

 後ろをついて歩い出してすぐに後ろからべルート公爵にそんな風に声をかけられた。用意ってなんの? 何もわからないけど? まあなんかの用意するんだろうなと気軽に適当に返事を返してへパさんについて俺は客間へと歩みを再開した。
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