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1章
25話 御出迎えです。
しおりを挟む馬車に揺られること1時間程、漸くオレは目的地へとたどり着いた。
この世界にきて初めて見た人里、というか街の景色は、正直いってファンタジーって感じという感想だ。てか、それ以外何をいえと? 異世界物のラノベでは定番の中世の街並み。うん、ファンタジーだ。 街の外周は高さ5メートルはあるだろう外壁に囲まれていて、定番の異世界の街のだよ。うん、やっぱりファンタジーだよ。
なんだか魔物を見た時や女神様と出会った時よりもファンタジーを感じているのは気のせいだろうか? いや、多分気のせいだ。
とまあそんなくだらないことを考えているうちに、馬車が停止した。
「どうやら、ついたようだな。」
どうやらついたようだ。いや、どこについたの? どこに行くとか何も聞かされてないけどどこに着いたの? もっかい聞くけどどこに着いたの? 説明不足すぎてびっくりだけど?
「では、レイ。ついて参れ。」
てか何気にこのおっさん公爵命の恩人とか言っておきながら出会った当初から俺のことずっと呼び捨てでよんでくるよな。まあ別にどうでもいいけどさ。
俺はべルート公爵に促されるままに馬車を降りた。
「す............すげぇ...........」
俺は思わず思ったことをそのまま口に出してしまった。だって、俺の目の前には、日本では見たことのない西洋風の大屋敷がそびえ立っていたんだから。
家の前には門があり、庭や池もある。おまけに屋敷本体は三階建てでめちゃくちゃでかい。
「ははっ、どうやら驚いているようだな。」
「ふふふっ。ワイバーンを楽に倒した人とは思えないくらいの年相応の反応だわ。」
「あっはははっ...........。いやー、僕の故郷にはこのような立派な屋敷はなかったもので、少し.....いやかなり驚きました。とても綺麗で良いお屋敷ですね。ほんと....すごいです.......」
俺は暫く屋敷の外観に見とれて我を忘れながらも思ったことを次々と口にしていた。そんな俺の様子を最初は黙って見つけていた二人だったが、余りにも俺が動かないので痺れをきらして、話を進める。
「気に入ってくれたのは何よりだが、今は君をもてなすのが最優先だ。外を見るのはこれくらいにして次は中を案内しよう。」
「っと!!これは失礼しました。あっと、その、お邪魔します!!」
俺は屋敷を前に緊張してしまい吃りながらカチコチの動作で屋敷前の門を潜って俺を先導する二人について行く。
そして、二人が玄関の扉を開けた時、それは待っていた。
「ようこそおいでくださいました、お客様。」
「「「「「ようこそいらっしゃいました、お客様!!」」」」」
そこで一人の老執事と、年若い綺麗な見た目のメイドさんたちが、俺を出迎えてくれた。
異世界..............最高かよ..................。
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