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1章

20話 スキルレベルMAX

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「えっとどこまで説明しましたっけ.......んー、スキルレベルの話ってもうしましたっけ?」

「いえ、そのような話は聞いてません!」

「そうですか!じゃあ説明しますね。あなたは、スキルポイントシステムが試作バージョンのままレベルが9まで上がっているので、本来得られるべきポイントを得られていません。なので、救済措置というよりは私からのお詫びとして今現在取得されているスキルのレベルを全て最大に引き上げますので、それでどうかご容赦ください。では、早速やってしまいますね!」

 へっ? スキル全部レベル上げてくれるってまじで? それちょっとお詫びって次元の話じゃなくね?

 っと思っている間に、女神様がモニターに手を触れると、取得していたスキルのレベルが一気に上がってレベルがMAXに........って、え!?!?!? なんかレベルMAXになった後にスキル名が変わってレベル1に戻った後、更にまたレベルが上がってるんだけど?


 どゆこと? ん? どうなってんの? えっ?

「ふうー。ちょっとスキル数が多かったので大変でしたけど、無事に出来て良かったです。ちょっと確認してもらってもいいですか?」

「...........................。」

 俺は無言のままステータスを確認する。

如月零  レベル9

スキル  『闘神10』、『火魔術10』、『召喚魔法』、『回復魔術10』、『神眼10』、『マップ』、『生活魔法10』、『未来視10』、『剛力10』、『索敵10』、『気配探知10』、『アイテムボックス』、『名付け』、『千里眼10』

ユニークスキル 『創造』、『叡智』

スキルポイント 1,200
ソウルポイント 500,000

※※※※※※※※の加護


 うん。やっぱりさっき見たのは、間違いではなかった........。




 色々とね、うん、言いたいことが山ほどあるんだけどね、うん、まあ、うん。



「..............どゆこと?」


「えっ?なにかいいました?」


 女神様は、何事も無かったかのように、冷静な口調であたかも聞こえていなかったかのように俺に聞き返してきた。いや、聞き返したいのは俺の方なんだけど............。


「いや、えっと、その、すいません。これどういうことですか?」


「えっ!?も、もしや、なにか不備でもありましたでしょうか!?!?」

 俺が再度聞いてみると、女神様は慌てた様子で俺のステータスをもう一度確認しだす。

 ああ、そうか。やっぱりこれはなにかの間違いだったのか!

 そりゃそうだよな、だって、スキルの名前が全然違くなったり、そもそももっていたスキルの数と現状存在しているスキルの数が一致していない。なるほどなるほど。これはやっぱりなにかの手違いだったわけだ。全くもう、ビックリしたなー本当に!!!

 でも良かった!これで安心............。

「えっと、なにもおかしな所はありませんけど.........なにがどういうことなんですか?」

「えええぇええぇええぇええぇえぇええええええええええぇえええぇええええ!!?!?!?!?!?!???!?」

「うわっ!?!?ちょっと!いきなり奇声を上げないで下さいよ!ビックリしたじゃないですか!!!」

「いや!ビックリしてんのはこっちなんですけどおぉお!?!?おかしい点しかなくないですか!これ!?!?どういうことですか!?!?スキルの名前とか数とか全然違くないですか?えっ、レベル上げるだけとか言ってませんでしたけ?えっ!?何がどうなってこんなことになってるんですかぁあ!!!!」

「ひぃっ!!!!!」

 俺の必死の形相に驚きら女神様は、悲鳴を上げて後に尻餅をついてしまう。その様子を見て、俺は少し冷静さを取り戻す。

「あっ........す、すいません!つい、ちょっと興奮してしまいました。ほ、本当にすいませんでした女神様。えっと、そ、それで、あの、スキルの名前とか数とか、ど、どうして変わってるんですか?」

「あっ!そういうことですか!」

 女神様は、俺の問いかけに対して、なにか気づいたらしく、慌てて俺に追加説明をしてくれる。

「すいませんすいません。スキルの基本的な説明をしてなかったですよね。えっと、スキルがレベルが10でMAXというのはご存知ですよね?」

「えっと、はい。ここではそういう説明を受けました。」

「では、スキルによって、スキルレベルがMAXになるとそのスキルが上位スキルに進化することは?」

「え?知らないです。」

「はい、そういうことです。」

「えっ.......あっ!!なるほど!!!!そういうことですか!!」

「ふふっ。はい、そういうことです。」


 ああ、なるほど。そういうことだったのか。つまり、女神様がお詫びとして全部のスキルレベルを最大まで上げてくれたことによって、スキルが進化して、別の名前のスキルになったということか。

 なるほどなるほど。


 いや、うん。冷静になって考えてみればそんなこと簡単にわかることじゃないか。俺は何をあんなに慌てふためいていたんだろうか。全く恥ずかしいことこの上ない。

 その流れでいくと、スキルの種類が減っているのは、上位スキルに進化したことによって同系統のスキルが上位スキルに統合されたということでいいんだろうか? 女神様に、確認してみる。

「ええ、そういうことです。なんだ、わかっているじゃないですか!もう、ビックリしちゃいましたよ!」

「いやー、はははっ。ちょっと色々と一気にあったもので、脳内処理が追いつかなかったみたいです。取り乱してしまって本当にすいませんでした!」

「ふふっ、気にしないでください。こちらの不手際のせいでもありますので。」


 女神様は、俺の失態を優しく笑うだけで許してくれた。やはり女神様って優しいお方なんだな。


 

 俺は改めて、スキルを確認する。

 いやー、うん。改めて見るとなんか凄いな。

 魔法系統はそろって魔術にランクアップしてるし、闘術や鑑定なんて、闘神と神眼とかいう神の名がつくスキル名になってる。他にも色々とスキル名が変わっているものもあれば、変わっていないでレベルMAX状態になっているものもある。

 一気にレベルが急上昇して、身体に負担がかかるなんてこともない。

 てか冷静になってみると、使える魔法の種類がいつの間にか増えていることに気づいてる。使い方も理解している。
 他の名前が変わってしまったスキルの使い方も何故か分かる。最初から知っていたかのように理解している。



 これは、多分、女神様がお詫びとしてスキルの詳細な知識も併せて俺に与えてくれたんだろう。何も言わずにおまけをしてくれるなんて、本当に優しい神様だ。俺は、目の前の女神様に、心の中で感謝する。



 
 本当にありがとうございます!女神様!





 って、ん? 召喚魔法だけレベル上がってないぞ?


 どゆことだ? 


 やっぱなんか間違ってたとか? 


 いや、でも再確認してもらった時に何も問題なかったんだよな?



 いや、自分一人で考えても分からない。だったら、聞けばいいんだ。



「えっと、女神様。召喚魔法だけなにも変わっていないみたいなんですが、これは.......その、どういうことですか?」


「あっ、そうね.............うん。それね...........うーん。これから説明しようと思っていたところだったんだけどね.......なんて言っていいのか..........」


 女神様は、そうきりだすと、言いずらそうにしながらことの真相を全て明確に俺に伝えてくれた。




 ああ、そういうことか............。



 なるほど..............................。




 ははっ。




 全く...........二人とも我儘な子供たちだな............。



 
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