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1章

16話 オーク肉を食す!?

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 森の中に戻ってきて、すぐに俺たちは行動に移った。
 
 何故かって? 腹が減ったからだよ!!!!!

 たぶんもうここにきてから数時間は経過してるはずだ。
 その数時間の間、何も飲まず食わずでひたすらに魔物との戦闘と森の中を探索して腹が減らないわけないじゃないか。

 まあ、メニューは1品しかないんだけど、その1品が栄養満点の豚肉なんだから大満足だ。


 俺はここまで森の中を探索していた中で、そこら辺に落ちていた枯れ木を何となく焚き火に使えないかなと拾っておいたのを思い出して、すぐさまアイテムボックスから取り出す。量はそれなりにあるので、焚き火には十分だろう。

 ていうか、今更だけど、アイテムボックスの容量が、768×768というとんでもない数が入るようになっているのってかなりチートなんじゃないのかな?
 まあ、他に使える人とか知らないし、ていうかまずこの世界に知り合いがいないから確かめる術がないんだけどさ。てか、今はそんなこと気にしている場合じゃない!肉だ肉!!!


 次は、木が細かくなるように手を使ってへし折っていく。薪として使えるくらいにへし折るのには量があったので結構な時間がかかったが、ステータスがかなり上がっているからなのかあまり疲れは感じていない。

 用意が出来たところで、早速生活魔法の『ファイア』を使って集めておいた薪に火を灯す。

 魔法とは偉大であり、便利だ。

 だって、サバイバル初心者な俺が、木をへし折るだけで簡単に火起こしが出来るんだから。マッチやライターもないし、原始的な火起こしの方法も知らない俺が簡単に出来るんだから本当に便利だ。しかもこれだけ便利なのに生活魔法で減るMPは1だ。お得すぎる。

 早速、先程手に入れたオークの肉を焼いていく。

 フェルもラーナも本来なら俺の魔力を媒介に呼ばれた召喚獣だからご飯は食べなくてもいいらしいが、どっからどう見ても食べたそうにしている。ていうか、涎を垂らしてただひたすらに焼けていく肉を見つめている。

 うん、これは俺が耐えられない。ていうか、初めからフェルにもラーナにも食べさせる予定だったしな。数はオークの肉が11個。オークリーダーの肉が1個あるから、全然足りる。俺は少食だしね。

 いい感じに焦げ目がついて美味そうな匂いを漂わせてきたところで、火の中から肉を取り出す。

 この世界にきてから初めての食事。この世界の食材?での食事だ。

「いただき......ってわからないよな」

『フェル、ラーナ。俺の知る常識では、食事の前にはいただきます。食事が終わればご馳走様でしたと食材に感謝して食事をする決まりがあるんだ。強制はしないけど、お前らも一緒にしてみるか?』

『え?わたしたちにもくれるんですか?』


『ん?当たり前だろ!てかもう待てないから俺は先にやるぞ?じゃあ、いただきます』

『い、いただきます!』

『いただきまあーす!!』

 ていうか、あいつらが俺たちを殺そうとしてきたから返り討ちにして得られた食材。つまりは殺されそうになった魔物に感謝してることになるんじゃないのかこれって.........。いや、うんそんなこと一々考えてたら異世界でなんてやっていけねえか。うん、食べよう。


 そう思って、焼けたオー.....豚肉にかぶりつく。

「ガプッ!!!!ん!??!?!??!めちゃくちゃ美味いぞこれ!?!??!????!」

 俺はスーパーで買うようなお得用のやっすい肉の味を想像していたが、このオーク肉は、少なくともそんな味ではない。かなり脂っこいはずなのに、全然しつこくない。臭みは全くないのに、物凄い旨みがある。うん、これ日本にいた時にも食ったことないような高級肉じゃねえか!!!

 それからは早かった。ガツガツガツガツと、みんなで齧り付き、ものの数十秒で、初の食事が終わってしまう。


 ..................。

 .........................。


「まだいっぱいあるし......おかわりいいよね?いいよね!?てか、俺が決めるのか!よし、おかわりじゃあ!!!まだご馳走様じゃないんじゃあ!!!!」

 俺は追加で、一気に更に追加で三つオークの肉を火の中に放り込み焼いていく。

 フェルもラーナも美味しい美味しいと言いながら一気に食べてしまって、勿体無いことをしたと後悔していたところだったんだろう。俺が肉を取り出して焼いた瞬間にかなり喜んでいた。ペットは飼い主に似るというが、召喚獣も召喚主に似るのかな?

 暫くして、肉が焼ける。

 全員既に口から涎がダラダラと垂れていてみっともない見た目ではあるが仕方ない。あれだけ美味いんだから、仕方ない。

 焼けた肉を取り出し、全員でいっせいに齧り付く。

「うめえええええええ!!!!!」

『お、美味しすぎますねこれは!!』

『すごおーくおいしいおにく!!おいしい!!』

 二体の念話が飛んでくるが、反応している余裕はなく、必死に齧り付く。美味い、美味すぎる!!!!犯罪的だあっ!!!!!キンッキンには冷えてないけど、てか冷えてたら美味しくねえよ!いや、この肉レベルなら冷えても美味いのかな?いや、うん。とにかくめちゃくちゃ美味い!!

 おかわり分のオーク肉も数十秒で食べ終えてしまった。まだまだ食べたいところではあるが、何が起こるか分からないサバイバルライフで食材全てを消費するわけにはいかない。ここは自制して初めての食事を終えることにする。

『ご馳走様でした..........。』

『『ご馳走様でした(あ)!!!』』



 うん、腹も膨れたし、とっととこの森からおさらばして、人里に行ってグルメ巡りでもしようじゃないか!オークの肉があれだけ美味いならもっと美味いものが盛りだくさんでありそうだしな!

 異世界にきて最悪だと思ったけど、こんな美味い飯が簡単に食えるならありだな?

 うん、とにかくこの森から出ることが最優先事項だ。禁則事項ではなくて最優先事項だ。


 .......................。


 .........................................。


 ......................................................。


 時間にして一時間くらいだろうか?結構移動したが、未だに森から出られる気配がない。このままだと、最悪森で一泊コースも有り得る......。いや、まあそれも考慮して暗視を取ったから準備は万端とはいえないけど、うん、なんとかなるだろう。


 と考えながら暫く歩いていると、周辺地形図把握で把握できる最大距離の端っこのところに水場? というか泉のような場所があることがわかった。

 索敵や気配察知を使ってみて、ほかの生物もいないことを確認した。

 うーん.........今日は、泉の周辺で野宿するか............。とりあえず休憩してから決めるか.........。


 俺は二体に念話を飛ばして、とりあえず泉に行って一旦休憩することを促して、行動する。


 そして、泉に辿り着いて、俺は見てしまった



 目が合ってしまった。



 索敵では反応がなかった。


 気配察知にも反応なんてしなかった。


 俺は咄嗟にそれを鑑定をする。



 鑑定結果は..........


【鑑定不能】





 う、そ、だろ.....................?
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