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1章

10話 またも食い気味な回答

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 イリスから魔石還元ボックスとやらに聞いてみた結果、大体のことはわかった。

 一、自分自身のステータス強化。(魔石によって上昇値は異なる。)

 二、召喚獣の強化に使用できる育成ポイントの取得。(魔石によって取得ポイントは異なる。)


 三、ベルナルド硬貨に換金。(魔石によって金額は異なる。)


 魔石還元ボックスで、魔石を還元した後に選べる特典とやらは、今のところはこの三つらしい。今のところと答えるあたり、まだ項目が隠されているのだろう。まあそんなことは今はどうでもいい。

 自分自身のステータス強化についてソウルポイントと被っているので大体は理解した。
 育成ポイントについては、召喚獣たちがレベルアップした時に取得した育成ポイントを魔石還元でも取得できるということだろうと理解した。

 問題は一点のみ。

 ベルナルド硬貨ってなんぞ!?!?!?!?


 いや、多分てか絶対にこの世界のお金だよな。


 いやー。うん。既にここが異世界だということは分かってたけど、改めて思い知らされたわ。間違いなくこの世界は異世界だ。


 いや、もう気にしたら負けだろう。


 この部屋で魔石を還元するだけでお金が手に入るんだからいいじゃないか。気にする必要なんてないさ。この世界が異世界で、ベルナルド硬貨はこの世界のお金、これでオッケー!何も問題ない。

 とりあえずお金ってことは分かったけども、単位とか地球の国の貨幣とかと比べてどのくらいの価値の違いがあるのか聞いてみた。
その結果...............。

 ベルナルド硬貨
 
 鉄貨1枚=1ゴル=10円

 鉄貨10枚=銅貨1枚=10ゴル

 銅貨10枚=大銅貨1枚=100ゴル

 大銅貨10枚=銀貨1枚=1,000ゴル
 
 銀貨10枚=大銀貨1枚=10,000ゴル

 大銀貨10枚=金貨1枚=100,000ゴル

 金貨10枚=大金貨1枚=1,000,000ゴル

 大金貨10枚=白金貨1枚=10,000,000ゴル

 白金貨10枚=大白金貨1枚=100,000,000ゴル


 こんな感じだ。日本円との価値の差はおよそで十倍。日本だと紙幣で諭吉様までしか単位は単位はないが、この世界では最高で、一億。諭吉一万分の硬貨が存在している。

 まあ、どうせそれだけの金を持ってるのは王族とか貴族だけだろうし、俺には縁のない話だろうから考えるだけ無駄か。


 なにはともあれ、こんなところでこの世界のお金事情を知れたのはとても大きい。これで金のことを知らない異端者扱いされることもないだろう。安心安心。

 さて、早速魔石一個だけ金に変えてみよう。

 俺は最初に殺したゴブリン魔石をポケットから取り出し、魔石還元ボックスの中に入れて、箱の蓋を閉める。

 蓋を閉めた瞬間、箱の上にゲームウィンドウのような画面が表示され、先程イリスから聞いた三項目のどれかを選択するよう指示される。

 俺は、先程決めた通りに、ベルナルド硬貨に換金の項目を選択する。

 ........................っで、このあとどうすんの?


 と思っていると、魔石還元ボックスが自動で開いた。


 いや、勝手にひらくんかい!!!!ってツッコミいれてる場合じゃない。

 俺は開いた箱の中身を確認する。

 先程魔石をいれたはずの箱の中には既に魔石はなく、変わりに一種類の硬貨が五枚入っていた。


 これは.........とりあえず鑑定。


【銅貨(ベルナルド硬貨)】 

 おお!ちゃんとベルナルド硬貨だ!銅貨ってことは.......五十ゴルか?

 日本円に換算すると.......五百円ってことか?

 ん、んー..............命懸けで殺した魔物が五百円.........つまりあの頃の俺の命の価値は五百円............や、やっすぅー..............。


 っていかんいかん!こんなネガティブに考えてたらダメだ。


 イッツアポジティブシンキング!!!!


 見方を変えれば、アルバイトもしたことがない俺があの短時間で五百円も稼げていたということじゃないか!分給五百円って考えたらすごい事じゃないか!!俺すごい!!


 ...................なんだか、虚しいな...............。


 いや、でも冷静に考えてみると、こんなものか?
 
 ゴブリンってファンタジー世界とかゲームの中では最底辺の魔物だしな。逆にあれだけで五百円も稼げるんなら儲けものか。

 そうだな、うん。そういうことにしとこう。何はともあれ、この世界にきての初めての稼ぎだ。これからこの世界の街に行くのに必要な金が稼げたのだ。ひとまず喜んでおこう。額は気にしない。うん、気にしない!!!



 さて、残った六個の魔石はどうするか........って言うまでもない。ここは育成ポイントの取得に全プッシュだ。

 俺は六個の魔石すべてを魔石還元ボックスに収め、蓋を占める。出てきた画面の育成ポイントの取得を選択。

 すぐに結果が画面に表示される。魔石六個分で得られた育成ポイントは、全部で40ポイントだった。

 キリがいいな。俺は取得した育成ポイントを二体に半分ずつ分ける。


 さて、今度は、20ポイントの振り分けだ。


 とりあえず未だに攻撃力が足りないから、半分の10ポイントを物攻に振り分ける。
 
 残りは.......物耐と敏捷に半分ずつでいいか。


 俺はそう決めると即振り分け、とりあえずやるべき事を全て終わらした。



 うん、これでもうやることは無い。



 さあ、あの世界にもどりますか..........。



 っとその前に、なんで俺と召喚獣たちが念話スキルなしに会話できるのか聞かないと。

「なあ、なんで俺にも召喚獣たちにも念話スキルがないのに.....」

『その質問にお答えすることはできません。』


 でたーーー、食い気味な回答でたーーーー!!

 前回も最後に質問した時食い気味だったよなこいつ!?!?なに!?やること終わった上での質問には食い気味で回答するようにプログラミングされてるわけ!?!?


 いや、てか教えてくれよ、そのくらい!!!!



 っと熱くなっても意味無いか。答えてくれないってことにはなんか理由でもあるんだろうしな。最悪、それで困りはしないからいいか。



 よし、今度こそ召喚獣たちの元に戻るか。


 俺はモニターの【操作完了】の部分に触れる。


 今度はどれくらいだったらここに来るんだろうな。



 なるべく早く強くなりたいし、すぐ来れるように頑張ろう。



 俺はそんな心境の中、光に包まれて視界を奪われた。




 なんだか、慣れたな。
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